🎬 第1回：【導入編】動画分割ツールをC#と生成AI(copilot)で作った話

はじめに：何気ない会話から生まれたツール

「長い動画を任意の区間で簡単に分割して出力できるツールがほしい」

知り合いのYouTuberから、そんな一言を受けこのプロジェクトは始まりました。

自分はもともとプログラミング知識はありましたが、今回使う言語は「C#」、あまり開発経験のない言語でした。
ですが、挑戦してみたいと思った。
なぜなら今の時代には、頼れる存在がいます。
昨今話題になっている、生成AIです。

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🤖 「AIにプロンプトで指示を出し、コードをすべて生成させて作る」
という開発スタイルでこのツールは誕生しました。

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ツールの目的：区間指定で簡単に動画を分割出力

いわゆる動画編集ソフトには膨大な機能があります。
今回目指すのは、もっとシンプルで一点突破な使い方。

このアプリができることは以下のとおり：

• 動画ファイルを読み込む
• 再生して確認
• 分割したい区間を指定（開始時間／終了時間）
• 複数のジョブとして登録
• 一括でMP4ファイルとして出力

🎯 特にYouTubeやTikTok用に部分抜粋したいニーズがある人にとっては、これが一番使いやすいはず。高機能は不要だけど、直感的に操作できて、1クリックで出力できる。そんなツールを目指しました。

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開発環境の選定：WinForms × ffmpeg × LibVLCSharp

開発言語はC#。UI構築には WinForms を使うことにしました。
そして動画再生は LibVLCSharp、分割出力処理は ffmpeg に頼ります。

技術	用途	備考
C# (.NET Framework 4.8)	本体言語	Visual Studioで構築
WinForms	UI構築	シンプルで拡張しやすい
LibVLCSharp	動画再生	VLCの再生エンジンを使える
ffmpeg	動画分割・書き出し	超高速で無劣化切り出し
生成AI	コード生成	Copilotに指示して開発

👉 実は今回のツール、「全部生成AIで書いた」と言っても過言ではありません。

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なぜC#だったのか？

私が普段使っている言語はVBA・Python・RubyでありC#は慣れ親しんだ言語ではありません。

ですが、デスクトップアプリを作るには、やっぱり C# + WinForms が適している。 と思い開発を開始いたしました。
ffmpeg や VLC はWindowsベースでの利用者が多く、動作が安定していると判断いたしました。

生成AIにとっても C# は情報量が多く、レスポンスも正確。
私はそう思い、C#を選び開発を開始いたしました。

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プロンプトでの開発スタイル

「ffmpeg を C# から実行するコードを書いて」「LibVLCSharp の再生ビューを作って」
こんなふうに、自分がやりたいことをプロンプトで逐次伝えるだけ。

今回はWindows11に標準で搭載されている Copilot（生成AI）を使用しました。
コードを生成し、注意点や最適な書き方まで添えて記述してくれました。

そして重要なのは、「生成されたコードをすべて理解し、組み合わせて使う」こと。
ただ貼り付けるだけではなく、自分の意図に合っているかを確認する力が必要でした。

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ユーザー体験へのこだわり

UIに関しても、以下のような改善を随時行いました：

• 「動画を開く」ボタンは最上段に配置
• 「読み込みファイル名」表示はその下に
• 再生ボタン群は余白を確保して潰れないように調整
• 削除ボタン付きの DataGridView を導入
• マーカー描画で再生位置が色分けされる
  　などなど…

こうしたこだわりも、プロンプトベースで AI に伝えればきちんと反映してくれます。
例えば今回の開発はVisualStudioCommunity(2022)にて開発を行っており、
-C# 7.3 環境
-using 宣言 を using ブロックで記述
と伝えるだけでコードを修正し、出力してくれました。

完成したツールの画面（例）

🖼 画面構成はこんな感じです：

• 上部：動画ファイル選択＋ファイル名表示
• 中央：LibVLCによる再生ビュー
• 下部：シークバー＋時間表示
• さらに下に：ジョブの一覧（開始／終了／ファイル名／削除）
• 最下部：出力ボタン

UIに関しては、「操作が迷わないこと」「一目で分かること」　を最優先しました。

(下記は初回の要件定義時点で設計したプロト版のUIとなります。)

現在は複数の機能を実装しており、設計が変わっておりますが生成AIを頼ることでちょっとしたソフトはすぐに作成することができました。

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Copilotを使用してよかったと思う理由

開発中に何度も「Copilotに指示したらすぐ解決した」場面があります。例えば：

• ffmpeg の取得方法（ZIPからダウンロードして展開）
• LibVLC の依存DLLや plugins の構成確認
• ZIP配布用のフォルダ設計案
• UIでボタンが潰れたときの調整方法
• 削除ボタンにラベル名を追加する方法

など画面設計をしている際に細かい箇所をスクリーンショットで指示をだすと、
すぐに修正してくれる点が使い勝手がいいと感じました。

また、AIが“教えてくれる”だけではなく、“次にどういった実装を行うか提案を常にしてくれたため”、とても頼もしかったです。

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今後の記事予告

今回では、この開発の全体像や思想を紹介しました。
次回からは、以下のような技術ステップを1つずつ深掘りし、
生成AIとどのようなやり取りを行ってきたか記述していきます：

• Visual Studio の設定から NuGet で LibVLCSharp を導入する方法
• 実行ファイルのビルドとリリース準備
• UI配置を構成する Designer.cs の詳細
• ffmpeg を連携する C# のコード解説
• 実行時エラーの原因と対処まとめ

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終わりに：生成AI開発は「新しいペアプロ」

このツールは、Copilotとのペア開発で生まれたと言っても過言ではありません。
生成AIは道具であり、手段であり、よき仲間であると認識できました。
そして、自分が指示を出し続け、指摘をしっかり行えば望む結果にたどり着くための道を示してくれます。

慣れていない言語でも、知識があれば進められる、知識がなくても一緒に学んでいける。
そして、今の時代ならそれを“AIと一緒に”実現できるという確信を持ちました。