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# マネジメントが“余裕”をくれる日は来るのか?

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スーパーバイザーとして150人を統括する現場。そこに加えて、クライアント対応、社内エスカレーション、開発業務、Bot運用、改善施策の設計──とにかく毎日が“対応”で埋まっていた。

そんな日々の中で、ふと思うことがあった。

「いつか余裕ができる日が来るのかな?」
「改善が進んだら、もう少しラクになるのかな?」
「Botも動いてるし、仕組みも整ってきたし、そろそろ…?」

でも現実は、変わっても忙しい。整えても、次の課題が見えてくる。業務とは、改善すればするほど“動きやすくなる”けど、“仕事が減るわけではない”という構造だった。

この記事は、そんな日々の中で、私がどう「余裕の定義」を変えて、どう自分の中に“心の設計”を持てるようになったかの話です。


🧭 “いつかラクになる”は来なかった

改善を続ければ、仕事は減る。そう思っていた。でも、減ったら減ったで、次のボトルネックが見えてくる。

  • Botで質問が減った → 業務説明の工数が増える
  • VBAで帳票作成が速くなった → 確認業務の質が問われる
  • スプレッドシートで集計が見えるようになった →「見える」からこその報告ルールの整備が必要になる

つまり、改善は“業務の拡張”でもあるということ。ラクになるどころか、“次に考えるべきこと”がどんどん浮き上がる。

あの頃は毎週毎週、「これが終われば余裕ができる」と思っていた。でも終わってみれば、「もう少しだけ整えたい」が出てきて、また次の設計を始めてしまう。


😌 余裕は“時間”じゃなく、“心の使い方”

あるとき、Botのログを見返していたときのこと。Botが使われる回数が減っているように見えた。でも、現場では「Botがないと困る」と言われている。

そこで気づいた。

「Botは“使われてるかどうか”ではなく、“あることが安心になる存在”になったんだ」

その瞬間、なんだか私の中で余裕の定義が変わった。

  • 忙しくても、支えていると感じる
  • 走り続けていても、「ここに意味がある」と思える
  • やることが多くても、「考える時間がある」と思える

つまり、余裕とは“やることが減る”ことじゃなく、“迷わず動けること”だった

それが設計者としての私にとっての、心の余白だった。


🧠 「思考スペース」をどう持つか

業務が多いからこそ、私が意識していた“思考の確保”は、以下のようなもの。

1. 午前中は設計系業務に集中

対応業務は午後に寄せて、午前は帳票テンプレの見直しやBot設計を進める。切り替えのスイッチとして、音楽をかけて「開発モード」に入っていた。

2. スタッフ対応中でも「記録と整理」をセットに

質問対応しながら、回答ログとエスカレ履歴をノートに転記。後からまとめて改善できるように、思考断片を残す仕組みにしていた。

3. SlackやTeamsの通知を“時間帯ルール”でコントロール

即時対応が求められがちなチャットでも、「この時間帯は確認優先」と周知し、迷わない時間を守っていた。

こうして、「手が空いてなくても、頭が整理されている状態」を意識して設計していた。余裕とは、行動より思考のスペースがあることだった。


💬 心の余白を支えてくれた言葉たち

私は言葉で動くタイプなので、日々の中で自分を支えてくれるフレーズを記録していた。手帳の隅に書いていた言葉のいくつかを紹介してみたい。

  • 「設計とは“誰かが安心して動けるようにすること”だ」
  • 「対応とは“誰かの迷いを止めてあげること”だ」
  • 「作業じゃなく、安心をつくっていると思えば、ちゃんと意味がある」
  • 「仕組みは、誰かが悩まずに済む世界を先回りすること」

これらの言葉を思い返すことで、「今自分がやっていることにどんな価値があるか」を見つけていた。そしてそれが、余裕の感覚に変わっていった。


👥 “余裕”はメンバーにも伝染する

自分が余裕を持てるようになってくると、メンバーにも良い影響が出てくる。

  • 指示が迷いなく出せるようになる
  • 質問に対して落ち着いて返せるようになる
  • 状況を説明する時も「一緒に整えていこう」という語り口になる

現場では、「人の落ち着きが空気を変える」と感じることが多かった。だから私が余裕を持てば、メンバーも「なんとかなる」と思ってくれる。Botや仕組みがその支えになることで、言葉も対応も柔らかくなる。

余裕とは、現場の空気を軽くする技術でもあると実感していた。


✍️ 結び:技術で余裕は作れない。でも余裕のために技術はある

Botを作っても、帳票を自動化しても、質問が減っても、エスカレーションの数が減っても──余裕そのものが手に入るわけではなかった

だけど、それらの技術があったからこそ、“考える余白”や“言葉の選び方”に変化が出てきた。つまり、技術は「余裕をつくる土台」にはなれる。

私がこの連載を通して伝えたかったこと。それは、業務改善とは業務だけを変えるものではなく、“働く人の気持ちの動き”を設計していくことでもあるということ。

余裕は楽になることじゃない。迷わなくなること
やることが減ることじゃない。意味を理解して進められること
だから私は、技術と設計を使って、“続けられる現場”を作りたかった。

それが、業務改善の本質だと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。この記事群が、どこかの現場で悩みながら動いている人の力になれば、とても嬉しいです。
この業務設計の記録が、誰かの設計のヒントになりますように。

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