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基本情報に向けて行った勉強法や当日の注意点など

Last updated at Posted at 2022-12-24

こんにちは。久しぶりの Qiita への投稿です。

先月に基本情報技術者試験 (基本情報) の午後試験を受け "一応" 合格したので、この記事では基本情報に向けて僕が行った勉強法や、受験当日の注意点などを書いていきます。

基本情報の11月受験者の正式な合格発表は 12/27 なので厳密にはまだ合格していません。
ただ、受験直後にメールで届いたスコアレポートで合格点を超えていたので合格したものとしています。

2023年度から試験形式が大幅に改定されるため、この記事に書かれている内容が来年度からの試験にも当てはまるとは限りません。ご注意ください。

来年度以降の試験に関しては IPA のサイトを参照してください。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425.html

基本情報の基本情報

「基本情報技術者試験」という言葉自体を初めて聞く方もいると思うので、簡単に説明しておきます。
※わかっている方は読み飛ばしてください。

「基本情報技術者試験」 (基本情報) は、「IT エンジニアの登竜門」とも呼ばれる国家試験です。
IPA (独立行政法人情報処理推進機構) が主催しています。

基本情報の対象者像 (2022年度以前のもの) は

高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験

で、言葉が難しいですが、超ざっくり言うと「IT 業界で働く上での基礎的な知識や技能があるか」、そしてそれを「実務に応用できるか」を測っているもの、となります。

基本情報には午前試験と午後試験があり、それぞれで60点以上を取ると合格になります。

名称 試験時間 問題数 出題形式・内容
午前試験 150分 80問 一問一答形式で、知識や技能を測る。
- テクノロジ系 (コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ等)
- マネジメント系 (プロジェクト管理、システム監査等)
- ストラテジ系 (システム戦略、法務等)
午後試験 150分 11問中5問選択 実務場面を想定した文章を読み、何問かの問題に答える。知識の応用力を測る。
- 情報セキュリティ
- ソフトウェア・ハードウェア
- データベース
- ネットワーク
- ソフトウェア設計
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム戦略
- 経営戦略・企業と法務
- データ構造及びアルゴリズム
- 個別プログラム言語 (C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)

ちなみに2023年度からは以下のようになります。

名称 試験時間 問題数 出題形式・内容
科目A試験 90分 60問 2022年度以前の午前試験と同様
科目B試験 100分 20問 (選択問題なし) 2022年度以前のような長文はなくなり、一問一答形式に変更。
「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム (擬似言語)」の二つの分野が中心

結果

CBT 導入以降の基本情報は受験直後にメールで届く「スコアレポート」で自分の得点を知ることができるようになっています。

僕がこの前受けた結果は、午前試験が78.75点、午後試験が88点でした。
午前試験と午後試験の両方で6割を取ることが合格の条件なので、上記の僕の結果では合格したことになります。

午前試験の結果

午後試験の結果

受験動機

  • Twitter で基本情報の存在を知り、なんとなく受けてみたくなったから
  • 進学や就職時に多少は有利になると思ったから

あまり深い理由はないです。
基本情報の勉強がここまで大変であるとは、受験を決めた当時の僕は微塵たりとも思っていませんでした。

勉強期間

去年の夏頃に勉強を始めたので1年強ですが、サボっていた期間がかなり長かったので実質半年くらいかと思います。

人によって既存の知識量や習得の速さは異なるため、合格に何年もかかる人もいればたった数週間で合格してしまう人もいます。
一概にどのくらいで合格できるとは言えませんが、早く始めるに越したことはないというのは間違いなく言えます。

勉強法

具体的に僕がどのように勉強をしたのか、時系列順に紹介します。

~4ヶ月前 参考書を読む

基本情報を受験しようと決心してから受験4ヶ月前まで、なんと約10ヶ月間も参考書に充てていました。

ただ、参考書を読み込んだ分体系的に知識を得られたため、知識同士の関連性を感じられるようになりました。
また、「なぜそうなるのか」という原理原則も理解でき、定着度の高い知識が得られたと思います。

後述する過去問演習でも点数は伸ばせますが、過去問演習で得られる知識は断片的になりがちだと感じました。
違う問われ方をされると全く答えられなくなる可能性があります。

「もう試験まで2週間しか無い!」という危機的状況であれば過去問で一気に知識を詰め込むのも致し方ないですが、そこで身につくのはあくまでも "その場しのぎ" の知識であり自分の身にはなりにくいです。

時間はかかりますが、参考書を最低でも1周は読むことをおすすめします。(ただし、参考書の内容を完全に理解する必要はありません。あと10ヶ月はかけすぎ。)

ちなみに、僕はド定番の「キタミ式」を使用しました。イラストとフラットな文体で解説がされているので大変わかりやすいです。
活字が苦手な方や、挫折しないか不安な方におすすめです。

一方で、試験範囲を完全に網羅できていない点には注意が必要です。過去問演習を始めるとキタミ式と過去問のレベルの違いに驚くかと思います。
そこで焦らないためにも、参考書はサラーっと読み終え、時間に余裕を持って過去問演習に移ることをおすすめします。

キタミ式

他にも素晴らしい参考書は沢山あるので、ネットのレビューを見たり書店で実際に手に取ったりして自分にぴったりな参考書を見つけてみてください。

4ヶ月前~ ひたすら過去問演習

参考書、特にキタミ式のようなわかりやすさ重視の参考書の場合は、読んだだけでは知識量が不足しているので過去問演習で補います。

また、計算練習も過去問演習を通じて行うことができます。

最初は全然解けなくて絶望するかもしれませんが、粘り強く続けていれば正答率が徐々に上がっていき、正答率7割は安定して取れるようになります。

その際におすすめなのが「基本情報技術者試験ドットコム」内にある「過去問道場」というサービスです。
このサービスでは無料で基本情報の過去問演習を行うことが出来ます。
アカウントを作成すれば、デバイスをまたいで進捗状況を同期できるので便利です。

スマホにも対応しているので、移動時間などのスキマ時間にサクッと勉強できます。

ちなみに過去問道場は午後試験にも対応しています。※ PC のみに対応

僕は午前試験の過去問ばかり解いており、午後対策に時間をあまり割けませんでした。
午後試験直前は「なぜ早くから午後対策を始めなかったのか」と後悔することも多々ありました。
午前対策がある程度仕上がってきたら (正答率7割目安) 午後対策も並行して始めることをおすすめします。

「並行」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、例えば移動時間は短時間で回せる午前問題の演習をスマホでやり、家に帰ったら午後問題をパソコンでじっくり解くというようにするとうまく両立できるかと思います。

アルゴリズムとの向き合い方

過去問演習で最も苦労したのが午後試験の「データ構造とアルゴリズム」です。

擬似言語で書かれたプログラムと、そのプログラムの説明文を読み、プログラムの穴埋めなどの問題に答えていくものです。

文章量がそれなりに多い上に他人が書いたプログラムを解読しなければならないので、最初はものすごく苦戦しました。
もっとも、この分野は基本情報でも「鬼門」と呼ばれており、ネット上でも苦しめられている人が多くいました……

参考までにアルゴリズム分野の過去問を貼っておきます。どんな問題か雰囲気がつかめると思います。

最初は第3問あたりで解くのが嫌になって解答を見てしまっていましたが、以下の勉強法を行うことで大っ嫌いだったアルゴリズムが少し好きになりましたし、本番でもアルゴリズムで満点を取れました!

  1. どの回のものでもいいので過去問を印刷する (過去問道場から印刷できます)
  2. 学校に持っていく
  3. 自習の時間や休み時間にじっくり解く

たったこれだけですが、いくつか利点があります。

  • 印刷する→問題に直接書き込める (本番は CBT なのでずっと印刷して解いているわけにもいきませんが)
  • 学校で解く→家よりも集中できる環境で解ける
  • 自習時間や休み時間→時間を気にせず、粘り強く考えられる

特に3つ目の「時間を気にせず粘り強く考えられる」のは重要です。

アルゴリズムは最初はどれだけ時間がかかってもいいので何かしらの答えを出せるようにします。これを何度か積み重ねると徐々に短い時間で解けるようになっていく上、「自力で解けた!」と自信にも繋がります。

また、過去問に真剣に向き合うことで解き方のコツを身につけることが出来ます。

僕の場合は過去問演習を通じて、以下のような解き方のコツを発見しました。

  • 空欄前後のプログラムだけ見る。(試験時間内にプログラムをすべて解読するのは困難。)
  • それでもプログラムの解読が難しいようであれば日本語に立ち返る。(日本語の文章の中に重要なヒントが隠れていることもある。)

アルゴリズム対策についてもっと詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧ください。
僕も午後対策中にこのサイトを見つけて、上で紹介した勉強法に変えました。

受験当日の注意事項

いくら完璧に準備を行ったとしても、本番でミスを犯してしまえば元も子もありません。

基本情報は国家試験という位置づけなので、ちょっとした確認不足が、不正行為で失格という無念な結果につながることもあります。

実際に受験して僕が体験したことも含めて、受験当日の注意事項をいくつかご紹介します。

この記事に頼りっきりではなく、必ずご自身でも IPA のサイトや確認書 (受験票のようなもの) に記載されている注意事項に目を通してください。

腕時計は外しておく

基本情報では、腕時計を試験室に持ち込むことが禁じられています。

持ち込んだことが判明したら即退室・失格です。

実は僕も午前試験を受けた際に腕時計を外し忘れるところでした。幸運にも試験官の方に直前に声がけしていただき最悪の事態は免れたのですが……

午後試験の際にも、僕の隣の人が危うく腕時計をしたまま試験室に入るところでした。

携帯電話の電源を切る・預けるのは忘れづらいですが、腕時計は盲点になりがちです。

不安であれば、家を出るときから腕時計は外してカバンに入れておくと確実です。

なお、試験の残り時間はパソコンの画面上に表示される上、会場によっては掛け時計がかかっているのでご安心ください。

会場には早めに到着

模試なんかもそうですが、1時間前を目安に会場には到着するようにします。

1時間前だとかなり余裕があるように聞こえるかもしれませんが、列車が遅延したり見知らぬ土地で道に迷ったりする時間を含めると案外ちょうどいい時間になります。

そのようなトラブルがなかったとしても、早く来すぎたら近くのカフェ等で時間を潰せます。
逆に遅刻してしまった場合は、空席があれば同日の別の時間帯に振り替えてくれる場合もありますが、基本的に失格となります。

また、集合時刻は試験開始時刻の15分前となっており、これを過ぎるとその時間帯の受験が認められないのでご注意ください。

身分証を忘れずに

受付で身分証の提示を求められます。

使用できる身分証の種類は以下のサイトから確認できます。

注意したいのが学生証で、顔写真がないと使用できません。

顔写真がない学生証の場合はパスポートやマイナンバーカードといった別の身分証を使う、あるいは学校生徒在籍証明書と顔写真なしの学生証の両方を提示する必要があります。

問題漏洩はダメ絶対

CBT 形式になってから試験問題は非公開になっているので、試験問題を外部に漏らすのは厳禁です。

具体的な問題の内容を漏らすのはもちろん、どのような分野の問題が出たか、どの過去問が参考になったか等の情報を漏らすだけでも問題漏洩とみなされるので十分注意してください。

問題内容を SNS に投稿したり、友達に教えたりするのはダメです。

最悪の場合、損害賠償を請求されます。

実際、問題漏洩に関しては IPA もかなり精神を尖らせているようで結構しつこく言われました。

その他の基本情報受験上の注意事項に関しては、以下のサイトを参照してください。

終わりに

基本情報の勉強は決して楽なものではありませんが、勉強する過程でコンピューターやネットワーク、法務など様々なことを学べるのでハマるとものすごく楽しいです。
合格すればモチベーションも上がります。

この記事を読んで基本情報に興味が湧いた方は、ぜひ基本情報の受験を検討してみてください。

参考サイト

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