LoginSignup
7
5

More than 3 years have passed since last update.

Twitterユーザの分析はブラウザだけでもできる (SocialDog + Colaboratory)

Last updated at Posted at 2019-05-19

Twitter分析大好きなFooQooです.暇さえあればTwitterで情報収拾してます.

いきなりですが,Twitterのユーザ分析って中々手間が掛かると思いませんか?
私は具体的に以下の点において,いつも時間を浪費してしまいます.

  • ツイートデータの取得
  • 分析環境の構築

まずツイートデータの取得では,TwitterのWebAPIではOauth認証が必要なので,その準備とプログラミングが必要になります.
幸いにもネットには大量の情報があるので,コピー&ペーストだけでも十分実現可能ですが,ハマる人はハマるかなと思います.

次に分析環境の構築です.pythonの導入から分析用のライブラリを用意するためには,それなりに調べなければならない項目が多いので,大変だと思う人も少なくはないだろうと思います.

そこで,今回は以下の二つのツールを使って手軽にTwitterユーザの分析を行う方法をご紹介します.
- SocialDog
- Colaboratory

ちなみにお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが,筆者は学生の頃,SocialDogの開発に従事していました笑

SocialDog

SocialDogは,AutoScale, Inc.が提供するTwitterアカウント運用ツールです.
フォロワーの管理や分析,ツイート投稿の予約や自動化機能が提供されており,「スマートで効率的な Twitter アカウント運用」が行えます.
SocialDogは,自分用のTwitterアカウントさえあれば利用できるので,非常に手軽に導入できます.

本記事では,SocialDogの「キーワードフォロー」と「CSVダウンロード」の機能を利用します.

Colaboratory

Colaboratoryは,Googleが提供するクラウドで実行できるJupyter notebookの環境です.
ブラウザで開くだけで,Jupyterライクなpythonのコーディングが行えます.またnumpyやpandasといった分析に必要となるライブラリがプリインストールされていて,事前準備ほぼなしでpythonによるデータ分析が行えます.

分析内容

今回は以下の分析を行います.

特定のキーワードを含むユーザを対象とした
- フォロワー数などの統計量の確認
- 各統計量の相関の分析

実際にやってみる

SocialDogを用いたTwitterユーザデータの取得

キーワードフォローの機能は,ログインして「ダッシュボード」->「フォロー」の順に探すと見つかります.

実際に「パズドラ」のキーワードをプロフィールに含むユーザをSocialDogで検索し,その結果をCSV形式でダウンロードしてみました.
以下のgifアニメーションでみれる通り,簡単なUIの操作だけで,Twitterユーザのデータが取得できます.
取得するユーザ数やより詳細な条件は,右上のツールバーで変更できます.

padr.gif

SocialDogで取得できるcsvファイルに記述されたユーザの属性はこちらで確認できます.

TwitterAPIとは少し異なる属性がありますが,ほぼ同一のものになっています.

Colaboratoryによる分析

実際に分析を行なっている様子がこちらになります.
image.png

Jupyter notebookと同様に,セルを追加して,pythonのソースコードやマークダウンを記述することができます.
Colaboratoryで利用するデータは以下のpythonコードを実行することで,簡単にGoogle Driveにアップロードし,Colaboratory上で利用できます.

# ファイルのアップロード
from google.colab import files
uploaded = files.upload()

では,具体的に分析で利用した処理をご紹介します.

データの欠損の確認と削除

SocialDogでダウンロードしたユーザデータには欠損値が存在します.
そこで,各属性のデータの欠損率を確認します.

# 各列の欠損率を計算する
num_samples = raw_data.shape[0]
defect_rate = raw_data.isnull().sum(axis=0) / num_samples

欠損率をもとに,残す属性と残さない属性を決めます.
本記事では欠損率が10%を超える場合,その属性を削除します.

それ以外で欠損値を含む場合は,欠損値を含むユーザごと削除します.
これは行ごとの削除を意味します.

picked_columns = raw_data.columns[defect_rate < 0.1]
filtered_data = raw_data.loc[:,picked_columns].dropna(axis=0)

統計量の確認

ユーザの統計量は,分析におけるユーザの特徴量となります.
単純に,この値を眺めるだけでもユーザの傾向を知ることができます.
(例:キーワードをプロフィールに含むユーザの中でフォロワー数の多いユーザは誰か?)

ユーザ統計量は,CSVファイルの以下の属性と対応しています.

統計量 属性名
フォロワー数 followers_count
フォロー数 friends_count
FF比(フォロワーー数/フォロー数) 別途計算が必要
お気に入りした回数 favourites_count
リストに登録された数 listed_count
ツイート数 statuses_count

FF比とは,フォロー数に対するフォロワー数の割合を表します.

FF比は以下のように計算を行いました.
ただしフォロー数が0の場合,FF比は無限大になってしまうのでフォロー数0のユーザは削除しておきます.

filtered_data = filtered_data.loc[ filtered_data.friends_count >0,:]
filtered_data['ff'] = filtered_data.followers_count / filtered_data.friends_count

ユーザ統計量の相関の分析

さきほど確認を行なったユーザ統計量同士の相関係数を計算してみます.

相関係数は文字通り,2組の変量同士の相関の強さ$r$を$-1 \leq r \leq 1$の範囲に示したもので,1に近いほど相関が強く0に違いほど相関が弱いことを表します.
また負方向に大きいほど負の相関が強いと言われ,片方の変量が大きくなるほど,もう一方の変量の値が小さくなります.

pythonではnumpyを利用することで容易に計算することができます.

import numpy as np

# 統計量の行列を生成
statics = ['followers_count', 'friends_count', 'ff', 'statuses_count',  'favourites_count', 'listed_count']

mat_stat = filtered_data.loc[:, statics]

# 統計量の相関係数を行列の形で計算
mat_corr = np.corrcoef(data.transpose())

先ほど計算した相関係数をヒートマップにします.
ヒートマップにすることで,特徴量の相関を視覚的に知ることができます.

# 相関行列のヒートマップを描く
import seaborn as sns

sns.heatmap(coef, annot=True,
            xticklabels=statics,
            yticklabels=statics)

この結果得られたヒートマップがこちらです.

corr.png

FF比はフォロー数およびフォロワー数をもとに計算された値なので,FF比に対するフォロー数とフォロワー数の相関係数が高くなることは自明です.

このヒートマップから以下の項目を考察してみました.

  1. フォロワー数およびFF比とリストへの登録数は非常に強い相関がある.
    • フォロワー数およびFF比とリストへの登録数は,共にそのユーザの人気を示すため,強い相関が得られたと考えられる.
  2. お気にいり数とツイート数は弱い相関がある.

    • どちらもTwitterの利用頻度が高いユーザに見られる傾向である.しかし相関の強さは決して強いものではないため,ツイート数が多いからといってお気に入り数が多いとは限らない.逆も然り.
  3. ツイート数に影響を与えるという観点では,フォロワー数よりフォロー数の方が効いているように見える.

    • ただし,これはフォロワー数とフォロー数同士の相関を除去していないため,偏相関係数を求める必要がある.
      • フォロワー数の影響を除いたフォロー数とツイート数の偏相関係数 = 0.131
      • フォロー数の影響を除いたフォロワー数とツイート数の偏相関係数 = -0.003
      • この結果から,ようやくフォロー数の方がフォロワー数よりもツイート数に効いていることがわかる.

まとめ

SocialDogとColaboratoryを使って,ほぼブラウザだけでTwitterユーザの分析を行なってみました.
この方法では,自前によるTwitterAPIによる取得やpythonの分析環境の構築が不要となるため,非常にお手軽です.

機会があれば,統計量以外の要素,例えばプロフィールテキストやユーザツイートも考慮した分析について,記事にできればと思います.

7
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
5