(DAY18) 俺と学ぶRust言語~Option~

今日の内容

• Option

はじめに

前回はジェネリクスについて学びました。
今日は Option について学びます。

Optionとは

Option<T> は、値が「存在する」か「存在しない」かを表現するRustの列挙型(enum)です。値が存在しない場合はNoneで表します。

これはnullを安全に扱う代替手順として設計されており、Rustでは直接的なnullが存在しないため、Option<T>を使うことで値の有無を安全に扱えます。

Optionの定義

Option型は次のように定義されています。
標準ライブラリに用意されています。

enum Option<T> {
    Some(T), // 値が存在する場合
    None,    // 値が存在しない場合
}

ジェネリクスが使われています。

Optionを使うシナリオ

1. 値が存在するかどうかが分からない場合

   • 例:配列の特定のインデックスに値があるか

2. 値が無効な場合にNoneを使う

   • 例:設定ファイルが見つからない。データベース検索結果が空など

Optionの基本的な使い方

生成

let some_number: Option<i32> = Some(5); // 値が存在
let no_number: Option<i32> = None;      // 値が存在しない

Optionの値を扱う（match構文）

Optionを使う際、値を取り出す方法としてmatchが基本です。

fn main() {
    let value: Option<i32> = Some(10);
    match value {
        Some(num) => println!("値が存在します: {}", num),
        None => println!("値が存在しません"),
    }
}

3.簡略された取り出し（unwrap）

値が必ず存在すると確信している場合は、unwrapを使います。

let value: Option<i32> = Some(10);
println!("{}", value.unwrap());

unwrapはNoneの場合にプログラムをクラッシュさせることに注意です。

4.値がない場合のデフォルト値（unwrap_or）

unwrap_orを使えば、値がNoneの場合にデフォルト値を指定できます。

let value: Option<i32> = None;
println!("{}", value.unwrap_or(0));

5.関連メソッド

Optionには多くの便利なメソッドが用意されています。

(1) is_someとis_none

let value: Option<i32> = Some(5);
println!("{}", value.is_some());
println!("{}", value.is_none());

(2) map
値を変換します。

let value: Option<i32> = Some(5);
let doubled = value.map(|x| x * 2);
println!("{:?}", doubled);

(3) and_then
値を使ってさらにOptionを返す処理を行います

let value: Option<i32> = Some(5);
let result = value.and_then(|x| if x > 0 { Some(x*2) } else { None });
println!("{:?}", result);

(4) unwrap_or_else
デフォルト値を計算するクロージャを指定します。

let value: Option<i32> = None;
let result = value.unwrap_or_else(|| 42);
println!("{}", result);

Optionの実践例

1. 配列から値を取得
   Optionを活用すると、配列やベクタのインデックスを安全に扱えます

   fn main() {
       let numbers = vec![10, 20, 30];
       if let Some(value) = numbers.get(1) {
           println!("値が存在します: {}", value);
       } else {
           println!("値が存在しません");
       }
   }
   

2. 設定ファイルの読み取り
   設定が存在する場合にSome、存在しない場合にNoneを返します

   fn get_config(key: &str) -> Option<&str> {
       if key == "username" {
           Some("Alice")
       } else {
           None
       }
   }
   
   fn main() {
       match get_config("username") {
           Some(value) => println!("設定: {}", value),
           None => println!("設定値が見つかりません"),
       }
   }
   

おわりに

本日はOptionについて学びました。
次回はResultについて学びます。
ご精読ありがとうございました。