【Python3エンジニア認定基礎試験】6. モジュール

6.モジュール

Pythonで長いプログラムを書く際、コードの再利用やメンテナンスを考えると、コードをいくつかのファイルに分割し、それらをモジュールとして扱うのが効率的です。モジュールは、Pythonのコードをまとめたファイルで、他のスクリプトやモジュールから簡単に再利用できます。

6.1 モジュールの定義とインポート

モジュールは、Pythonの定義（関数、変数など）をまとめた .py ファイルです。例えば、以下のようなファイル fibo.py を作成します:

# Fibonacci numbers module

def fib(n):    # write Fibonacci series up to n
    a, b = 0, 1
    while a < n:
        print(a, end=' ')
        a, b = b, a+b
    print()

def fib2(n):   # return Fibonacci series up to n
    result = []
    a, b = 0, 1
    while a < n:
        result.append(a)
        a, b = b, a+b
    return result

次に、このモジュールをPythonインタプリタで使用するには、import文を使います。

>>> import fibo

このインポートは、モジュール fibo 内で定義された関数や変数を参照可能にします。ただし、モジュール名を使ってアクセスする必要があります。

>>> fibo.fib(1000)
0 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377 610 987
>>> fibo.fib2(100)
[0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89]

よく使用する関数があれば、ローカル名に割り当てることもできます。

>>> fib = fibo.fib
>>> fib(500)
0 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144 233 377

6.1.1 モジュールの初期化

モジュールには関数定義に加え、初期化用のコードを含めることができます。インポートされたときにこのコードは1回だけ実行されます。

6.1.2 他のモジュールをインポート

モジュールは他のモジュールをインポートできます。通常、import文はモジュールの先頭に書かれます。

import sys
import os

6.1.3 名前空間の操作

特定の関数だけをインポートするには、以下のようにします。

from fibo import fib, fib2
fib(500)

また、モジュール名を別の名前でインポートすることも可能です。

import fibo as f
f.fib(500)

6.2 コンパイル済みファイル

Pythonは、モジュールの読み込みを高速化するために、コンパイル済みの .pyc ファイルを自動的に作成します。
これにより、次回以降のインポート時にモジュールの読み込みが速くなります。

6.3 標準モジュール

Pythonには多くの標準モジュールが同梱されており、sysモジュールやosモジュールなどはその例です。
標準モジュールは、Pythonインタプリタに直接ビルトインされているため、即座に利用可能です。

import sys
sys.ps1 = 'C> '

6.4 dir() 関数

dir()関数を使うと、モジュールが定義している名前の一覧を取得できます。

>>> import fibo
>>> dir(fibo)
['__name__', 'fib', 'fib2']

引数を指定しない場合、現在の名前空間にあるすべての名前が返されます。

>>> dir()
['__builtins__', '__name__', 'fibo', 'sys']