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 経路情報の管理に当たって、「スタティック・ルーティング」と「ダイナミック・ルーティング」という2種類の管理手法が存在する。


スタティック・ルーティング(Static routing)とは

 ネットワーク管理者が手動で設定したネットワーク内の最適な通信経路は「スタティックルート」と呼ばれる。

 スタティックということは、ネットワーク内の状態が変わったとしても、パケットやトラフィックは既定の宛先ルートに沿って届く。たとえその事前に設定されたルートが無効になったり、より有効なルートが存在したりしても、切り替わることはない。

ダイナミック・ルーティング(Dynamic routing)とは

 ネットワークの更新に応じて、経路情報が自動的に修正・更新され、最適な通信経路を動的に選出するようにできるというのは「ダイナミック・ルーティング」である。

 ネットワーク内の状態や設備機器が変わった場合、ルーターはルーティングテーブル(ネットワークの経路情報を保存する場所)を更新し、パケットの転送ルートを改めて決めていく。その柔軟性はダイナミック・ルーティングの長所だと言える。S5860-20SQ(20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28、2x40Gb QSFP+付き)|164,697円

IGP vs EGP

 ダイナミック・ルーティングには、IGP(Interior Gateway Protocol)という内部ゲートウェイプロトコルと、EGP(Exterior Gateway Protocol)という外部ゲートウェイプロトコルの2種類がある。

 共通ポロシーいわゆるAS(Autonomous System:自律システム、下記ASと呼ぶ)により、ネットワークの内外部が隔てられる。ASとは、ネットワークの構成単位であり、同一の経路制御ポリシーを共有するネットワークとして認識される。例えば、企業、独立機関、学校構内などといったネットワークの集合体が存在する。 S5860-20SQ(20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28、2x40Gb QSFP+付き)|164,697円

IGPとは、AS内で使用されるルーティングプロトコルであり、その中にはRIP、OSPFなどの種類がある。

EGPとは、AS間で使用されるルーティングプロトコルである。現在ではBGPが主流となっている。

 ちなみに、ASの集合体であるインターネットにおいて、AS間の通信を実現するために、日本ではJPNIC(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)がAS識別番号の割り当てを行う。

IGPの分類について

 異なるルーティングのアルゴリズムにより、現在では三つの計算手法が活用されている。それぞれは、ホップ数(通信経路上に存在する転送・中継設備の数)重視のディスタンスベクター、コスト値重視のリンクステート、そして距離と方向の複合値を重視するアイブリットである。

ディスタンスベクター型

 ディスタンス(Distance:距離)とベクター(Vector:方向)、いわゆる通信方向・距離を考慮した上で、ホップ数の最も少ないルートを選ぶ。ディスタンスベクター型ルーティイングとは、AS内のネットワーク構造を見渡り、宛先までの最適ルートをホップ数で決めるというプロトコルである。【関連記事・代表例】:OSPFとRIP、ダイナミックルーティングの経路制御


リンクステート型

 リンク型ステート型ルーティイングとは、ルーター同士間の通信において、LSA(Link State Advertisement)という「自分についてのネットワーク情報」のやり取りを通じて、ネットワーク全体を把握し最適の通信ルートを決めるというプロトコルである。100G 光モジュール|10197円

 SPF(Shortest Path First)アルゴリズムでは、発信源のルーターから宛先までのコスト値が計算される。それに基づいて、宛先ネットワークまでの最短ルート(コスト値の合計が最も小さいルート)を選出する。

 上記の公式通りに計算すれば、10Mbpsのコスト値が10、1Gbps(1000Mbps)のコスト値が1と見なす。

ハイブリット型

 ハイブリット型ルーティングとは、つまり、上記の2種類の機能を組み合わせたアルゴリズムを用いたプロトコルである。その中に、帯域幅、遅延、信頼性、負荷、MTU(Maximum Transmission Unit:一回に送信できる最大のデータサイズ)の五つのメトリックから、最適なルートを算出する。代表例:EIGRP(Cisco独自のルーティングプロトコル)。

三つのルーティングアルゴリズムの比較

 上記の三つの種類を比較すると:

種類

ディスタンスベクター

リンクステート

ハイブリット

最適ルートの選出法

距離・方向

LSAによる情報把握

距離・方向

メトリック

ホップ数

コスト値

帯域幅、遅延、負荷など

ルーターへの負荷

小さい

大きい

小さい

アルゴリズム

ベルマンーフォード法

SPF DUAL

代表例

RIP OSPF EIGRP

経路情報の送信

定期的

変更時

定期的

実装難易度

低い

高い

高い



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