ネットワークスイッチを購入する際に、スイッチのポート数と種類に興味を持つ人が多いですね。ネットワーク展開でマネージドスイッチを使用したことがあれば、「アップリンクポート」という言葉を聞いたことがあると思います。「アップリンクポートについてどれぐらい知っていますか」や「アップリンクポートはダウンリンクポートとの違いは何ですか」などの戸惑いがありますか。この記事では、それらの問題を踏まえて詳しく説明します。
アップリンク(uplink)ポートとは
アップリンクポートを紹介する前に、まずネットワークスイッチのタイプとポートのタイプを理解しましょう。 用途や機能に応じて、階層はアクセス層、ディストリビューション層、コア層に分けられることで、コアスイッチ、ディストリビューションスイッチ(集約スイッチ)、アクセススイッチがあります。異なる機能と構成に基づき、LANスイッチを上位のLANスイッチにつなぐのはアップリンクポートで、それ以外のポートはダウンリンクポートと呼ばれます。
アップリンクポートはトポロジー内における他の高速デバイスにデバイスを接続したり、小規模なネットワークを大規模なネットワークに接続するために使用されるポートです。
ダウンリンクポートとは
ダウンリンクポートは主に通常のデータ伝送に使用されるポートで、RJ45ポート、SFPポート、SFP28+ポート、SFP28ポート、QSFP+ポート、QSFP28ポートがあります。ファイバやネットワークケーブルにより、異なるデータレートや伝送距離でのネットワーク接続が可能です。関連記事:「イーサネットスイッチポートタイプの概要について」
仕組み
アップリンクポートはマルチプルポートやカスケードポートとも呼ばれます。VLANというネットワークの論理的な区切りにより、複数のネットワークが分割されたと同時に、アップリンクポート1つに統合されることができます。
簡単に説明すれば、アップリンクポートはネットワーク内にあるすべてのポートと通信やり取りができます。ネットワーク内のデータはそのアップリンクポートを通して、他の集線装置(スイッチングハブ、ルーターなど)やデバイスへ接続します。

図1: アップリンクポート
Aポートはアップリンクポートに対して、ポートB、CとポートD、Eはダウンリンクポートで、それぞれ異なるネットワークに所属します。この場合、Aポートに接続したデバイスはB、C、D、E任意のポートと通信やり取りできます。それに、同じネットワークVLAN内のダウンリンクポートが通信やり取りができます。例えば、B、Cポート同士の通信やりとりが認められますが、D、Eポートとの通信やり取りが不可能になります。
アップリンクポートの活用

先ほど述べた通り、アップリンクポートはトポロジー内における他の高速デバイスにデバイスを接続したり、小規模なネットワークを大規模なネットワークに接続するために使用されます。活用には複数のネットワーク集線装置を組む時、「カスケード接続」と「スタック接続」という2種類の接続方式があります。
カスケード接続
カスケード接続とは多段接続とも呼ばれ、接続を中継する装置を直列に接続するにより、端末数を増やす接続方式です。
以下の図表のように、アクセススイッチは、ディストリビューション層のマネージドスイッチに接続するにより、ネットワークに厳しい要件を課すアプリケーションのスループットとレスポンスタイムを向上させるのに役立ちます。1GBのファイバーアップリンクは、データベース、ビデオ、音声、その他のアプリケーションの帯域を広げるためによく使用されます。通常の銅線ポートを使用するよりも、はるかに簡単でクリーンです。
図2: カスケード接続
ただし、中継する機器が多ければ多いほど、多数の通信が同時に行われるとき、コリジョンというデータ受送信の衝突、通信エラーなどの不具合も生じやすくなります。それに、冗長性に乏しく、許容される接続段数に制限がかかります。
図3: ストレートスルー・ケーブルとクロスオーバー・ケーブルの接続
スイッチ、ルーターなどの集線装置同士の接続を行う際に、クロスケーブルでスイッチ同士の通常ポートを繋げることが多いです。もともとアップリンクポートは結線が反転しているため、通常ポートへ接続するにはストレートケーブルが必要です。
スタック接続
スタック接続は直列接続を採用せず、スイッチ同士のループ接続を取ります。無駄なデータ通信・リピータが省かれ、冗長性も著しく向上させました。「スタック接続」の場合、複数台のスイッチは1台のスイッチと見なされ、同じ規格もしくは同一メーカーによるレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチが必要です。
図4: スタック接続(FS S3910シリーズ)
カスケード接続とスタック接続との比較