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 IP電話による音声通話、メール送受信、ユーザー間のファイル転送、動画や映像の配信など、異なるアプリケーションによって帯域幅の利用率が大きく変わる。輻輳が発生したり、パケット損失率がひどくなったり、ネットワーク全体の効率性が落ちたりするといった問題にも繋がる。

 安全かつ安定したネットワークを構築するために、データ伝送の優先順位を決めて転送することで、通信品質を確保する技術「QoS」が用いられる。

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目次

QoSを実装していない場合

QoSとは

QoSによるトラフィックの制御方法

QoSを実装していない場合

 トラフィックが混雑していて、Webサイト閲覧、動画視聴、音声通話がスムーズに進行できないパケットロスも多発

図1:混雑によるパケットロス

図1:混雑によるパケットロス

QoSとは

QoSとは、Quality of Service(サービスの品質)の略で、通信時の速度や品質を保証する技術である。つまり、ネットワーク内の通信が低遅延で高速に行われるように、帯域制御・輻輳管理に働きかけるのはQoSである。

 特にリアルタイム通信の高品質が要求される場合に、動画や映像の再生、Zoom、SkypeやMicrosoft Teamsが用いられる遠隔会議などのデータ通信を優先させる仕組みが含まれる。

 また、重要なシステム通信において、基幹システムのパケットロスや遅延を優先的に処理して、輻輳を回避することもある。

図2:QoSによる通信品質の改善

図2:QoSによる通信品質の改善

トラフィックの分類に基づく優先順位づけ

 通信プロトコルは大まかコネクションレス型のUDPとコネクション型のTCPに分けられる。

 UDPとTCPは共に同じくトランスポート層(TCP/IPモデルの第3層)に位置する。その上位層にはUDPを利用する音声・映像トラフィックとTCPを利用するFTPトラフィックが存在する。

 上述したように、QoSにより音声・映像トラフィックの転送を優先させ、FTPトラフィックを遅らせることがある。

 関連記事:「UDPとTCP、QoSの動作基礎を解説

トラフィック分類の比較

 ◉ FTP(File Transfer Protocol)トラフィック:画像やテキストなどのファイルを転送する際に使われるプロトコル。

 ◉ 音声・映像トラフィック:動画の再生、音声通話などのアプリケーションにおいて、音声や映像ファイルを転送するためのプロトコル(例えば:Zoom、Skype、Microsoft Teamsなどを用いた遠隔会議、Youtube、Twitchなどでの生配信)。


タイプ

音声・映像トラフィック
FTPトラフィック

特徴

1、必要な帯域幅は比較的に低い

2、リアルタイム性が求められ、高速で低遅延の通信を要求する

1、データ転送に必要な帯域幅が高い

2、TCPの再送信により、高い安定性だがリアルタイム通信に向いてない

3、バースト性:輻輳による帯域幅の占有、一時的な通信の集中が起こりがち

QoSによるトラフィックの制御方法

1、優先制御(DiffServ / Differentiated Services)

 通信トラフィックの種類次第で優先順位を決め、優先順位に従ってパケットを送り出す手法である。

 例えば:FTHトラフィックと音声・映像トラフィックを順位づけして、リアルタイム性を強調するアプリケーションに必要な音声・映像データを優先的に転送させることが可能

図3:QoSの動作原理

図3:QoSの動作原理

1−1、QoSの仕組み

 1、クラス分け(Classification):トラフィックを分類

 2、マーキング(Marking):分類されたトラフィックの優先順位づけ
 3、キューイング(Queuing):優先度ごとにキューを用意して、異なるトラフィックをそれぞれのキューに振り分ける
 4、スケジューリング(scheduling):キューの優先度に応じてパケットを送信
 注釈:キュー(queue):データのリスト構造で、待ち行列の意味

2、帯域制御(IntServ / Integrated Services)

 特定のアプリケーションに必要な帯域を確保しておく。他の通信に干渉されないまま、関連のデータ転送がスムーズに進行できる。

 ただし、受送信の優先順位を決めるわけではないので、設定された帯域制限を超えたら遅延が発生しかねない

図4:帯域占有

図4:帯域占有

 それが故に、QoSによる帯域幅の配分調整が必要になります。優先順位の高いアプリケーション(音声通話、遠隔会議などリアルタイム性が高い)の帯域を確保します。

図5:QoSによる帯域制御

図5:QoSによる帯域制御

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