1. 目的
じょうご (ファネル) チャート使って、営業パイプラインのフェーズに従った案件数の推移を可視化しようと思います。
じょうご (ファネル) チャート とは、瓶に液体を注ぐ時などに使われる ”じょうご” に似た形状のチャートで、フェーズが進むに従って数値が絞り込まれていく様子を示すときなどに使われます。例えば、営業パイプラインで、初回訪問から契約に至るまでの各ステップで、案件数がどのように推移していくかを示すときなどが該当します。あるいは、ホームページにアクセスしたユーザーが、最終的に購入に至るまでの行動などにも用いられます。
何はともあれ、まずはチャートを作成してみましょう。
2. データの準備とビューの作成
架空の売上実績データを用いて分析を行ってみます。今回は、既に集計済みの以下のテーブルを使います。
フェーズ | 件数 |
---|---|
問い合わせ | 1,000 |
初回訪問 | 850 |
プレゼンテーション | 400 |
決済権限者面談 | 350 |
提案・POC | 250 |
稟議 | 120 |
契約 | 110 |
以下の情報を参考にビューを作成します。
「フェーズ」 軸に参照コードを設定しておくと、並び替えに便利で、また見た目にきれいな色を選択できます。例えば、以下のような感じの設定を施します。
4. グラフの作成
準備が整ったら、グラフの作成に手順を進めます。新規でレポートを作成し、以下の手順に従ってグラフを作成します。
4-1. [データ] ステップ
4-2. [グラフ] ステップ
[グラフの選択] > [特殊用途] から [じょうご] を選択します。
色に「フェーズ」、サイズに「件数」 をそれぞれ配置します。この時点では、まだチャートには既定の色が選択されています。
あまり格好良くないので、先の手順で設定した参照コードの色を適用させるために、[フェーズ] > [色] > [参照コード] を選択します。
同様の手順で、並び順にも参照コードの設定内容を反映させるために、以下の選択をします。
・ [フェーズ] > [並べかえ] > [参照コード]
・ [フェーズ] > [並べかえ] > [昇順(1-9)]
これで出来上がりです。さて、「公開」 して動きをみてみましょう。
5. 分析
営業フェーズが住むにつれ、案件数が絞り込まれていく姿が分かりますね。同じものは棒グラフなどを使っても表現できるのですが、見た目に映えるチャートも時には必要です。
最終フェーズである「契約」からチャートを逆算して、契約 1 件当たりの平均金額が XXX であることを前提とすると、今年度の予算を達成させるためには何件以上の契約が必要で、そのためには最低限どの程度の案件が必要で、そのためにはあれやこれやの施策が、、、と記載していたら頭痛がしてきたのでこの辺りで話は切り上げたいと思います。
6. 最後に
じょうごを創薬の分野に活用できないかなと思い、日本製薬工業協会の『DATA BOOK 2022』の情報を使って、基礎研究で発見された合成化学物が、非臨床試験、臨床試験などを経て、厚労省の承認を得るまでの流れを可視化しようとしたところ、2016~2020年のデータでは、なんと承認を得られる合成化学物の割合が約 0.0046% で、じょうごがほぼ基礎研究の色で塗りつぶされてしまいました。その様子がこちら。この場合、別のチャートで可視化した方がよさそうですね。
研究者の皆様の絶え間ない努力があって、我々の健康が維持されております。まじリスペクト!
では、良いデータ分析を! Cheers! Santé !