はじめに
米連邦準備制度理事会 (FRB) のさらなる利上げ観測が話題になっていますね。一方、日銀は金融緩和政策を継続する様子。円安が企業業績にもたらす効果が大きく薄れつつある現在、さらなる円安を招きかねない日銀の政策にも注目が集まります。
などと、居酒屋でおっさんが薄っぺらい知識で社会情勢を語るような話はさて置き、利上げによるマネーサプライの低下は、株式市場に大きな影響を及ぼします。自分の保有する銘柄は大丈夫だろうか、そんな不安に駆られる方は Yellowfin で株式の値動きを分析してみませんか。
今回は、Yellowfin BI のローソク足チャートを使って、NASDAQ 市場に上場するテスラ (銘柄コード: TSLA) の直近の値動きを分析してみようと思います。
1. データのダウンロードと取込
ローソク足を作成するためには、以下のデータが必要です。
・軸 「日付」
・集計値 「始値」「終値」「高値」「低値」「売買高 (株式数)」
様々なサイトからデータを入手することが可能ですが、今回は 『株探』 のデータを使わせていただきました。
ダウンロードしたデータは、データベースのテーブルに取り込みます。直接データベースに取り込む以外にも、Yellowfin トランスフォーメーションフローを活用することも可能です。
トランスフォーメーションフロー:https://wiki.yellowfin.co.jp/pages/viewpage.action?pageId=2293853
2. ビューの作成
以下の情報を参考にビューを作成します。
列名 | フィールドタイプ | 特記事項 |
---|---|---|
日付 | ディメンション (日付型) | 日付型の列が1つ必要 |
始値 | メトリック (集計値) | 小数点以下含む |
終値 | メトリック (集計値) | 小数点以下含む |
高値 | メトリック (集計値) | 小数点以下含む |
低値 | メトリック (集計値) | 小数点以下含む |
売買高 | メトリック (集計値) | 取引株式数 整数 |
3. グラフの作成
準備が整ったら、グラフの作成に手順を進めます。新規でレポートを作成し、以下の手順に従ってグラフを作成します。
3-1. [データ] ステップ
3-2. [グラフ] ステップ
[グラフ] ステップに進み、画面右側 [グラフの選択] > [ファイナンシャル] > [ローソク] を選択します。
以下の通り、「横軸:日付」「開始:始値」「終了:終値」「高:高値」「低:低値」「ボリューム:売買高」「傾向:終値」を軸および集計値として配置します。
必要な軸と集計値を配置すると、白黒の色合いでチャートが作成されます。値が上がった日は白、値が下がった日は黒で表されている様子です。このままでも十分に分析は可能です。
せっかくなので、色合いを調整してみます。
[グラフ設定] > [ファイナンシャル] から例えば以下のような色を選択します。
「陽線の色:青」「陰線の色:赤」「線の色:灰色」「色:黄色」
少し聞きなれない言葉が出てきたので、少し言葉の説明を加えたいと思います。
言葉 | 説明 |
---|---|
陽線 (ようせん) | 終値が始値よりも高かった場合に引かれる線です。つまり、該当日に値を上げたことを意味します。今回は青色を選択していますが、特に色の選択に決まりはない様子で、赤や白を選択することもあります。 |
陰線 (いんせん) | 終値が始値よりも低かった場合に引かれる線です。つまり、該当日に値を下げたことを意味します。今回は赤色を選択していますが、こちらも陽線と同様に色の選択に決まりはない様子で、青や黒を選択することもあります。 |
高値 | 該当日の最高値。 |
安値 | 該当日の最低値。 |
この説明を踏まえ、テスラ株の動きを見てみます。4月以降、値動きが激しくなっています。値を下げる日が多いように見受けらますね。ちなみに、チャート下部の棒は売買高 (株数) を表しています。
特に値動きの激しかった4月26日の状況を見てみると、1日で12% 近く値を下げていることが確認できます。
4月28日の様子を確認すると、高値と低値の差が大きいものの、始値と終値を比較すると、1日を通じて大きく株価が上下振しなかったことが確認できます。
株式の値動きには、金融引き締め以外にも、企業業績、CEOイーロンマスクの動向 (自社株放出やツイッター買収など) 、ウクライナ情勢など様々な要因が影響しうるため、何がどれほど寄与しているかまでは言及することは難しいです。例えば、米国時間4月20日にテスラ社の四半期決算の発表がありました。好業績が好感し、時間外取引でテスラ株は 5% 上昇したそうです (出所:BBC)。しかし、翌日4月21日の時間内取引では、値を下げていますね。時間外取引での値上げの反動なんかもあったのでしょうか、、、知らんけど。
4. 最後に
ローソク足は日本発祥のものだったってご存じでしたか?
起源は江戸時代まで遡り、世界初の先物市場とされる大阪の堂島米会所で、当時米商人だった本間宗久がローソク足を考案したといわれています (出所:style.nikkei.com)。はるか昔に開発されたチャートが、今でも世界中で使われているんですね。いつの時代にも賢い人はいるんだなぁ。日本人として少し誇らしいです。
さて、私も Yellowfin で株の値動きを分析して、大儲けしようかな。いや、地道に働くかな。と葛藤中。
何はともあれ、皆様良いデータ分析を! Cheers!!