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ウォーターフォールでキャッシュフローを分析

Last updated at Posted at 2022-05-13

1. 目的

Yellowfin BI のウォーターフォール (滝) チャートを活用して、先日2021年度の決算発表があった、ソニー株式会社の2021年度キャッシュフローを分析してみたいと思います。

2. レポートの作成

2021年度 (2021年4月~2022年3月) のキャッシュフローを分析するためには、まずは期初時点 (2021年3月末) のキャッシュ残高を算出し、そこから年度内に発生したキャッシュの流れを追う形になります。そのため、例えば以下のようなテーブルを作成します。データの構造によって、この先の手順は異なってきます。下記は手順の一例とお考え下さい。

「年度」「CF」「項目」「金額」の4列からなるデータソースを JOIN して、以下のようなテーブルを作成しました。サブクエリーを使って処理しました。
image.png

[グラフ] ステップに移行し、滝 (ウォーターフォール) を選択します。
image.png

軸や色にそれぞれ以下を追加します。
image.png

〇 横軸
キャッシュフローの各項目を表す列を追加します。今回の例では 「営業キャッシュフロー → 投資キャッシュフロー → その他」 の順に並べたいので、並び順を事前に設定しておきました。並び順を設定する方法はいくつかありますが、参照コードを利用することも可能です。データべース側に並び順の定義に利用できる列があれば、それを活用することももちろん可能です。

〇 縦軸
2021年度のキャッシュフロー各項目の数値を示す列を指定します。

〇 色
キャッシュの増減を示す色を指定します。規定では青と赤が選択されます。

〇 開始
前年度からの繰り越しキャッシュに関する数値を指定し、開始時点の棒の高さを決めます。

3. 分析

作成したチャートを使って分析を行います。

〇期初
期初時点で3,500億円強のキャッシュがありました。
image.png
〇キャッシュの増加要因
2021年度に1兆2,023を超える営業利益を稼いだことが話題になりましたが、キャッシュとしても1兆円を超す税引き前利益が計上されていることが分かります。
image.png
会計上は費用として計上されている償却費ですが、実際にはキャッシュの流出を伴っていません。今回のように損益計算書から間接法でキャッシュフローを算出している場合は、プラスのキャッシュとして扱います。会計上の数値との差異が出がちな部分なので、キャッシュフローを分析することが重要です。
image.png
〇キャッシュの減少要因
上記以外の営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、その他の各項目に関しては、キャッシュを減少させています。例えば、コンテンツ資産の増加に伴うキャッシュの減少は、ソニーがエンターテイメントやゲームに力を入れていることも大きく寄与していると思われます。自社株買や配当で株主還元していることも分かりますね。ちなみに、チャート上部の図は デザイン ステップで追加しました。
image.png
〇期末
結果、2021年度末のキャッシュは2,442億円となりました。
image.png

4. 最後に

キャッシュフローを可視化すると、増減がとても分かりやすくなります。
ソニー以外にも、IR 投資家向けの説明資料で、ウォーターフォールを使っている企業がたくさんあります。便利なチャートなんで、是非皆さんも活用してみてください。
では、良いデータ分析を! Cheers!!

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