棒グラフをうまく加工して、人口ピラミッドを作成してみようと思います。
ちょっとした工夫で、こんな感じの人口ピラミッドが作成できます。
1. データの準備
統計局で公開されている年齢層別の人口統計データ (2020 年以降は推計) を加工したものを、こちらに共有しています。自分でも人口ピラミッドを作成してみたい方は、是非ご活用ください。直接データベースに取り込む以外にも、Yellowfin トランスフォーメーションフローを活用することも可能です。
2. ビューの作成
以下の情報を参考にビューを作成します。
列名 | フィールドタイプ | 注記 |
---|---|---|
年 | ディメンション (軸) | 文字列 |
年齢層 | ディメンション (軸) | 文字列 |
男性人口 | メトリック (集計値) | 整数 |
女性人口 | メトリック (集計値) | 整数 |
3. グラフの作成
準備が整ったら、グラフの作成に手順を進めます。新規でレポートを作成し、以下の手順に従ってグラフを作成します。
3-1. [データ] ステップ
計算フィールドで以下の計算式を入力します。棒グラフの棒を左側に伸ばすための裏ワザです。ま、誰にでも思いつきそうなアイデアですが。
女性人口 * (-1)
「年」「年齢層」「男性人口」と、上の手順で作成した「女性人口」の計算フィールドをテーブルに追加します。
フィルターに「年」を追加して、例えば以下のような設定を施します。あくまで単年で集計したものでないと、意味のある人口ピラミッドにはならないため、フィルターの選択は必須にします。実測値は 2015 年までなので、デフォルト値は2015 年にしておきます。
「年齢層」の並び順を定義するために参照コードを活用し、「年齢層」列に対して以下の設定を施します。
3-2. [グラフ] ステップ
グラフ種類として「横棒」を選択した後、横軸に「女性人口」、縦軸に「年齢層」を配置します。
年齢層の並び順に、先の手順で設定した参照コードを選択します。
すると、以下のようなグラフが出来上がります。ここから、余計な部品を取り除き、棒の色を変更します。
まずは、縦軸と横軸を非表示化するために、以下の設定を施します。
背景からグリッド線を取り除きます。
続いて、棒の色に赤系統の色を選択します。人口ピラミッドでは女性を赤系統、男性を青系統の色で示すことが多いので、今回は古典的にこの色合いを選択します。もちろん、緑でも黒でも、ご自由に色を選択してください。
グラフシリーズの設定個所から、以下のような設定をします。
これで、下のようなグラフになりましたね。人口ピラミッドの左半分が出来上がりました。
もう一つグラフを追加します。
グラフ種類として「横棒」を選択した後、横軸に「男性人口」、縦軸に「年齢層」を配置します。
年齢層の並び順に、先の手順で設定した参照コードを選択します。
今度は、年齢層の軸ラベル以外の要素を取り除いていきます。
縦軸はタイトルだけを非表示にします。
加えて、軸のスタイルに「カスタム」を選択し、色を「白」に設定します。これで、縦軸にラベル情報のみが残ります。
横軸は先ほどと同様に、軸を全て非表示にします。
グリッド線も消してしまいましょう。
3-3. [デザイン] ステップ
デザインステップに移り、作成した2つの棒グラフを配置します。高さをピクセル単位で合わせるようにしてください。
これでグラフの完成です。
4. 分析
年で絞り込みをかけて、ピラミッドの形状がどのように変化するか見てみましょう。
左から順に、2000 年 → 2015 年 → 2045 年 の我が国の人口ピラミッドです。
いやぁ、恐ろしいことになっていますね。高齢者だらけの世の中。少子化対策が急がれます。労働力不足を改善するためにも、外国人人材の受け入れ態勢を充実化させる必要がありますね。将来年金もらえるかな。今から老後の準備しよう。と、不安が募るばかり。
5. 最後に
こんな感じで、ちょっとした工夫で人口ピラミッドが完成しました。
同じアイデアを使って、他の用途のグラフも作成できそうですね。良いアイデアが浮かんだら、是非教えてください。
では、少子高齢化の世の中に負けず、良いデータ分析を!Cheers!!