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【プログラマーのための統計学】平均値・中央値・最頻値

Last updated at Posted at 2017-08-22

目次

プログラマーのための統計学 - 目次

概要

数値データがあるときに、そのデータを代表する値のことを、代表値といいます。
代表値には、以下の3つがあります。データの分布の形によって、どれを代表値とするかが変わります。

  • 平均値
  • 中央値(メディアン)
  • 最頻値(モード)

平均値

平均値とは、全てのデータの合計値を、データの数で割ったものです。

\bar{x} = \frac{(x_1+x_2+x_3+・・・+x_n)}{n}

度数分布表の場合は、「階級値」と「度数」を使って平均値を出すことができます。
n個の階級を持ち、階級値を v 、度数を f とすると、以下の式で算出することができます。

\bar{X} = \frac{(f_1v_1 + f_2v_2+ ・・・ + f_3v_3)}{(f_1 + f_2 + ・・・ + f_n)}

例として、10人の生徒のテストの点数の度数分布表を元に、平均値を出してみます。

階級 階級値 度数
0点以上25点未満 12.5 1
25点以上50点未満 37.5 3
50点以上75点未満 62.5 4
75点以上 87.5 2

このテストの点数の平均値は、以下で求められます。

\bar{X}=\frac{({1\times12.5}) + ({3\times37.5}) + ({4\times62.5}) + ({2\times87.5})}{(1+3+4+2)}

ちなみに、ちょっと話は逸れますが、平均値の算出方法というのは、用途によって複数あります。
こちらも参考にしてみてください。
関連記事:平均値の算出方法は1つじゃない

中央値(メディアン)

中央値とは、データを小さい順、もしくは大きい順で並べた時に、真ん中となる値のことです。データ数が偶数の場合は、中央値が2つとなり、それらを足して2で割ったものが中央値になります。

データ個数が奇数の場合

1, 3, 4, 5, 7

この場合は、中央値は 4 になります。

データ個数が偶数の場合

1, 3, 4, 5, 7, 10

この場合の中央値は 45 の2つになるので、以下の式で求められ、中央値は 4.5 となります。

4.5 = \frac{4+5}{2}

最頻値(モード)

最頻値とは、最もデータ数の多い値のことを指します。

1, 3, 4, 5, 7, 7, 10

例えば、上記の場合の最頻値は、7 となります。

度数分布表の場合は、最も度数が大きいものの階級値が、最頻値となります。
先ほどのテストの点数の度数分布表の場合、度数が一番大きいものは、「50点以上75点未満」の 4 となるので、最頻値はその階級値である 62.5 となります。

階級 階級値 度数
0点以上25点未満 12.5 1
25点以上50点未満 37.5 3
50点以上75点未満 62.5 4
75点以上 87.5 2

また、以下のように、 57 が同じ数だけある場合は、最頻値は 57 の2つになります。

1, 3, 4, 5, 5, 7, 7, 10

また、以下のような場合は、最頻値は存在しないということになります。

1, 3, 4, 5, 7, 10

ヒストグラムの分布と平均値・中央値・最頻値の関係

ヒストグラムの分布で、山のピークが1つの場合、以下が成り立つ場合が多いです。
これを、ピアソンの経験則といいます。

以下の3つのうち、左右対称の場合は必ず成り立ちますが、残りの2つは、経験則なので、必ず成り立つとは限りません。

分布が左右対称の場合

ヒストグラムの分布が、以下のように左右対称の場合は、平均値・中央値・最頻値は全て赤い線の位置で、同じとなります。

graph_1.png

分布が左に偏っている場合

分布が左右対称ではなく左に偏っている(右に裾を引いている)場合、
以下のように、最頻値・中央値・平均値の順で並ぶことが多くなります。
(線は大体の位置に引いています)

graph_2.png

分布が右に偏っている場合

分布が左右対称ではなく右に偏っている(左に裾を引いている)場合、
以下のように、平均値・中央値・最頻値の順で並ぶことが多くなります。
(線は大体の位置に引いています)

graph_3.png

どれを代表値とするべきか

平均値・中央値・最頻値のどれを代表値とするべきかは、データの分布によって異なります。
それぞれのメリット、デメリットをまとめました。

代表値 メリット デメリット
平均値 全てのデータを反映できる 極端な値があった場合に引きづられてしまう
中央値 極端な値の影響を受けにくい 真ん中の値以外の変化に気付きにくい
最頻値 極端な値の影響を受けにくい データ数が少ない場合は参考になりにくい

どれを代表値とするべきかは、データの分布の仕方によって変わります。
基本的には、平均値と中央値の差が少なければ、平均値を代表値とするのがよいかと思います。もし、この2つの差が大きい場合は、中央値と最頻値も見るというやり方が無難なのではと思います。

前述の例のヒストグラムでは、全て山が1つでしたが、山が複数ある場合もあります。
そのような場合、代表値を決めるのは大変ですが、そもそもデータの取り方自体を工夫する必要があるかもしれません。

以上

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参考

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