私が購入の検討をしているドメインは、どのドメイン販売元から、どのくらいの価格で購入できるのか、また、付帯するセキュリティ関連サービスの違いがどうなのか、について調べます。
cTLDとは
- country code TopLevelDomain(TLD) の略
- 国ごとに定められたTLD(e.g., .jp)と、組織のカテゴリ等で定められたSecondLevelDomain(SLD)(e.g., .co)を組み合わせたもの
- 制限や条件の高いもの(e.g., .go.jp)は電話による認証が必要になる
主なセキュリティ関連事項・サービス
WHOIS
- ドメインの、ドメイン名やIPアドレス、登録者の個人情報などを調べる仕組み
- 個人情報秘匿化の流れや、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の施行に伴い、Whois情報を秘匿化する(WHOIS情報公開代行)レジストラが見られる
DNSSEC(DNS Security Extensions)
- DNSレコードに暗号署名のレコードを追加することで、DNS応答が正しいサーバーからの応答であることを検証し、中間者攻撃を防ぐ仕組み
(引用: https://www.nttpc.co.jp/technology/img/dns_security/img_dnssec_02.gif)
検討対象ドメインの特徴
- TLDは .ac
- イギリス領アセンション島に割り当てられている
(画像: RaviC - 次の画像を基にした投稿者自身による著作物: United Kingdom on the globe (Saint Helena, Ascension and Tristan da Cunha special) (Africa centered).svg: 次のものによる: TUBS, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=60321877による) - .io のように、イギリスの領土返還による廃止が懸念されるようになるかもしれない(参照: https://gigazine.net/news/20241009-domain-io/)
- 1年更新でコストが嵩みやすく、扱うレジストラが少ない
- イギリス領アセンション島に割り当てられている
- 特別高値で取り扱われているドメインではない
調査対象サイト
今回は以下のサイトを調査対象にしました。
- GMOグループ
- お名前 .com
- バリュードメイン
- ムームードメイン
- さくらインターネット
- エックスサーバー
- AWS Route53
- godaddy.com
- gandi.net
- porkbun.com
- namecheap.com
- squarespace.com
- cloudflare.com
調査結果
価格がドルの場合の円換算は、1ドル=151.85円で計算しています。
販売サイト | 取扱 | 価格 ()内は1年目の金額 |
whois代行 | DNSSEC | 反映時間 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
お名前.com | ○ | 10,564(9,386)円/年 | 1,078円/年(ドメイン新規登録時: 無料) | 無料(.acは非対応) | 数時間〜72時間 | |
バリュードメイン | ○ | 10,841円/年 | 無料 | 無料(.acは非対応) | 24〜48時間 | |
ムームードメイン | ○ | 8,778円/年 | 無料 | 非対応 | 24〜72時間 | |
さくらインターネット | × | |||||
エックスサーバー | × | |||||
AWS Route53 | ○ | $76/year 11,540円/年 |
無料(デフォルトで有効) | DNSSEC自体には料金は発生しないが、利用するKMSに料金が発生する(合計 20,000 件のリクエスト/月の無料利用枠) | 60秒以内 | S3など他のAWSサービスへのエイリアスクエリを除き、DNSへのリクエストクエリ数に応じて料金が発生する |
godaddy.com | ○ | 7,237円/年 | 無料 | 無料(1アカウントにつき5つのドメインまで) | 1時間以内(最大48時間) | 反映時間はやや早い方になるが、その分料金が若干高め |
gandi.net | ○ | 25,757(12,046)円/年 | 無料 | 無料 | すぐに反映できる | - SSL証明書が1年間使用できる(Let’s encryptと思う) - Live DNSにAnycast + DNSSECが利用できる - 無制限のエイリアスとリダイレクト設定 - 変更の反映がすぐに行われる一方、料金は割と高め |
porkbun.com | ○ | \$46.65/year (7,083円/年) セールで$26.06/year (3,957/年) |
無料 | 無料(.ac対応不明) | 不明 それなりにかかる模様 |
- Let’s encrypt を使ったSSL証明書を無料発行 URLフォワーディング DNSはCloudflareが管理している →更新されるたびに再DLするか、certbotを使う - セール価格であれば挙げた中では最安 - 機能の割に安価な反面、変更反映が遅そう |
namecheap.com | ○ | $32.98(28.98)/year 5,058(4,400)円/年 |
無料 | 扱える(料金不明, .ac対応) | 不明 2時間〜 |
URLフォワーディングが無料 |
squarespace.com | × | |||||
cloudflare.com | × |
ポイントを踏まえた候補
上記のような価格・サービスになっていますが、私がドメイン販売元を選ぶ上でのポイントは以下のようになります。
- 趣味関連で取得するため、変更の反映時間は重視しない
- TLDの性質故、1年更新しかないのでコストがかかるので、価格を重視する
- できるだけ個人情報を晒したくないので、WHOIS情報公開代行を利用したい
- 大っぴらに使う気はないが、念の為、ドメインの悪用を防ぐために、可能であればDNSSECを利用したい
これらを踏まえると、namecheap.com と porkbun.com の2択になりました。
これらが提供する機能はほぼ同じで、大きな違いは、SSL証明書(Let’s encrypt)をサイトから直接発行できるかくらい。
これはcertbotを使えばできるし、証明書更新で結局certbotを使うことになりそう。
ChatGPTに選んでもらう
2候補のどちらがよいのか決めきれなかったので、ChatGPTに選んでもらいます。
実際のサービス提供状況を補足すると、
- セールが毎日行われているなら、Porkbunの方が安いが、そうでなければNamecheapの方が安くなる
- 同じくらいの機能
- 同じくらいの機能
ChatGPTはどうやらPorkbun推しのようです。