E-kan株式会社の藤尾です。
ネットワークエンジニアをしています。
これまでの備忘録
以前、自分のためにBGPのベストパス選択の優先度をメモしていましたが、
その時にこんがらかっていたロンゲストマッチの話を整理するために、
今回はルーティングテーブルの優先度について書きます。
BGPベストパス選択の優先度 | E-kan株式会社 by 藤尾菜摘 #wantedly
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ロンゲストマッチの前に・・・
AD(アドミニストレーティブディスタンス)値について
BGPのベストパスとして選ばれた経路情報は、晴れてルーティングテーブルに載るワケですが
同じ宛先の経路が他プロトコルでの比較を勝ち抜いてきていた場合、
今度はルーティングテーブル内でも利用されるかどうかの判断があります。
その判断に使うのがAD値です。
つまり、ルーティングテーブルを完成させるための情報。
下の表がCiscoのデフォルトですが、設定で変更可能です。
Staticで経路を設定した時に、他ダイナミックルーティングより優先させたくない時に
あえて大きい値にしたりした記憶があります。
Cisco機器デフォルトのAD値
情報源 | AD値 |
---|---|
connected | 0 |
Static | 1 |
EIGRP(集約経路) | 5 |
BGP(eBGP) | 20 |
EIGRP(内部) | 90 |
OSPF | 110 |
IS-IS | 115 |
RIP | 120 |
ODR | 160 |
EIGRP(外部) | 170 |
BGP(iBGP) | 200 |
その他 | 255 |
AD値は低い数値ほど信頼度が高く、逆に大きい数字(最大255)は信頼度が低いです。
直接繋がっているのが何より強いのは、やはり自分で確かめたモノに勝ることはないという事か。
例えば、
eBGPで0.0.0.0/0のnext hopが「192.168.1.10」
Staticで0.0.0.0/0のnext hopが「192.168.1.1」
となっている時、実際にルーティングテーブルに載るのは
0.0.0.0/0 next hop 192.168.1.1
です。
ロンゲストマッチの話
ロンゲストマッチはそもそも、ルーティングテーブル完成後に実際のパケットが来た時にどう判断するかの動作
ルーティングテーブルに情報が出揃って、実際にパケットが来たとします。
例えば、以下のルーティングテーブル(雑)で
route next hop
S 0.0.0.0/0 192.168.1.1
S 10.10.10.0/8 192.168.1.2
S 10.10.10.100/30 192.168.1.3
「10.10.10.102」宛のパケットが来たとき、
ロンゲストマッチは文字通り 『より長く合っている経路情報を使う』 ので
10.10.10.100/30 192.168.1.3
が採用され、192.168.1.3に転送します。
ルーティングに関する、色々な値の比較があるけど、
プロトコルでの比較 → ルーティングテーブルでの比較 → パケット処理の優先度
となっていると覚えるといいのかもしれない。
それがこんがらがるという話ですけどね!!!!!