はじめに
巷にあふれる「SIerはクソ」論ですが、
SIerに勤める身としては、まあ、言うほどないよな、大げさだよな、という風に、ネタとして楽しんでおりました。
しかしながら、この度の新型コロナ関連の情勢を受け、「やっぱりSIerはクソだ」と思うに至りました。
これから就活、転職をご検討されている方の参考程度になればと思い、当記事を記載しています。
※特定を避けるために一部改変、誇張をしております。
すべてのSIerが悪いとは思わない
明言しておきたいと思いますが、すべてのSIerがクソであるとは断じて思っていません。
いままで客先常駐やプロジェクト、もくもく会、ユーザー会などを通じて様々なSIerの社員の方々と話をしてきて、
世の中に素晴らしいSIerさんはたくさんあると感じています。
クソなSIerの特徴
以下のような特徴を持つSIerは高確率でクソです。
それは、
『別業態の親会社が存在し、経営層が親会社の天下りであるSIer』
です。
なぜクソなのか
『別業態の親会社が存在し、経営層が親会社の天下りであるSIer』
がなぜクソなのか。以下に理由を列挙していきます。3点あります。
経営層がITに理解がない
経営層たる役員は大抵親会社からの天下りです。
例えば金融機関の子会社のSIerで、役員が親会社からの天下りであった場合、
その役員は致命的にITの知識がありません。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を『デラックス』と発音してしまうことはご愛嬌です。
弊社では、
『「AWS」だとわかりにくいから正式名称で記載すること』などの指令が実際におりてきたことがあります。
(これは、誇張なしです。)
『名監督がかならず名選手であったとは限らないだろう。だから経営者にITの知識は必要ない』などと平気で発言する役員もいます。
(これも、誇張なしです。)
つまるところ、会話が通じません。
親会社ファーストである。
すべては親会社のためです。
親会社の命令には思考を停止して対応しないといけません。
そこで、反論をすると、それが正しくても、大変怒られてしまいます。
また、出世の条件は親会社に気に入られることであり、
スキルをアップさせる、いいプロダクトを作る、プロジェクトを回すといった、
エンジニアでは当たり前のことは評価の軸ではありません。(信じがたいことですが)
若手エンジニアを潰そうが、
一緒に仕事をしてくれるパートナー企業にパワハラをしようが、
ほとんど仕事をしなかろうが、
親会社に評価されればいいのです。
むしろ、経営層や親会社のITリテラシーは低いので、
(彼らにとって)難しいことをしゃべる技術屋さんは出世できません。
仕事=作業である
2点目と似ていますが、親会社から降ってくる仕事を決められたフローに沿ってこなしていけばいいため、
究極的に、仕事=作業となります。
加えて、決められたフローは1世代前のツールを使います。
つまり、決められたルール、フロー、ツールの沿えばいいため、エンジニアとしてもビジネスマンとしてもスキルがつきません。
例えば、コードのレビューはエクセルベースのレビュー記録表でやり取りを行うよう規定されます。
ルールやフローから外れて、
「レビューはエクセルではなくGitのほうが効率がいいので、使ってみませんか?」
などと発言しようものなら大変怒られてしまいます。
新型コロナの情勢においてクソなSIerでおきていること
では、上記のような特徴のSIerだと、昨今の新型コロナ情勢においてどのような事態が起きてしまうのでしょうか。
進まないリモートワーク
経営層がITに詳しくないため、リモートワークなどの導入が進みません。
むしろ、「リモートワークとはけしからん!」などという役員の方もいらっしゃいます。
自分が勤める会社ではリモートワークの申請をして、5人ほどの承認を得た後、10営業日後にリモートワークが開始できるようになります。
しかしながら、リモートワーク用回線の増速や機器の調達が遅れ、この状況下でリモートワークが進んでおりません。
大半の社員はこの状況下でも元気に出社しています。
親会社の要請 > 都、国の要請
何度も言いますが親会社ファーストです。
国や都から外出の自粛を要請されようが、緊急事態宣言が出ようが、
親会社が出社せよと言われれば思考を停止して出社しないといけません。
そこで、
「いやいや、コロナ情勢の中で出社するリスクと、出社して得られるリターンをもう一度考えてみませんか」
といった常識的な発言をすると大変怒られてしまいます。
イレギュラーに弱い中間管理職
クソなSIerで出世をしていく管理職の皆さんは、仕事(=作業)を忠実にこなしてきた方々です。
20年も30年も、決められたフローを忠実に守ってきた方々です。
したがって、此度の新型コロナのようなイレギュラーな事態に大変弱い方々です。
方針が二転三転することはザラで、今もなお現場が混乱しています。
最後に
弊社では親会社の高貴なご意向により、緊急事態宣言が発令された場合は以下のように対応をとることになっています。
『在宅勤務を減らし、始発出社組と終電帰宅組の2チーム制にする』
ここまでお読みいただきありがとうございました。
この情勢下ですが、どうぞお体におきをつけください。また、
『別業態の親会社が存在し、経営層が親会社の天下りであるSIer』
にもお気を付けください。