ワークライフバランスは崩壊する(している)
"ワークライフバランス"という言葉が世に出てしばらくたちます。我々ストレスが多い業種であるエンジニアにとっては、お勤めの会社でさんざん叫ばれているワードではないでしょうか。
ワークライフバランス定義は、以下のようなものだそうです。
内閣府が2007年に策定した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、ワーク・ライフ・バランスが実現した社会を次のように定義しています
(1)就労による経済的自立が可能な社会
(2)健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
(3)多様な働き方・生き方が選択できる社会
そもそも税金や社会保険料が今よりだいぶ安い2007年の定義なので、(1)は満たしておらず、生活のための残業も横行しているので(2)も満たしていません。リモートワークの普及な
どで(3)はセーフかと思いきや、近年はオフィス回帰も叫ばれています。つまり、定義上、想定されていた"ワークライフバランス"という意味では崩壊しつつあると言えるでしょう。
また、文字通り『仕事と私生活のバランス』と考えても、そもそも無理があります。仕事はきついもの、私生活は楽しいもの、という前提で会話が進んでいると思いますが、そもそも私生活もつらい時期はあります。
シミュレーション
例えば以下のような人がいると仮定します。
私生活では、1年間で夫婦喧嘩を2週間に1回はする人がいます。また、けがや病気で、1年のうち連続で5日間体調がよくない日がランダムで2期間あります。
仕事では平日(月~金)勤務ですが、仕事で失敗することも多々あり、週に1回は怒られています。
この人が、私生活で嫌なことがある日と、仕事で嫌なことがある日が重なってしまう確率を考えます。
import random
# 日付の範囲を設定
year_days = 365
# 喧嘩の頻度(2週間に1回)
argument_days = [i for i in range(year_days) if i % 14 == 0]
# 体調が悪い期間(ランダムな連続5日間が2期間)
bad_health_periods = [
range(random.randint(0, year_days - 5), random.randint(0, year_days - 5) + 5),
range(random.randint(0, year_days - 5), random.randint(0, year_days - 5) + 5)
]
bad_health_days = set(day for period in bad_health_periods for day in period)
# 喧嘩の日と病気の日を統合(BadDayとする)
bad_days = set(argument_days) | bad_health_days
# 仕事の平日(月〜金)設定と怒られる日の設定
work_days = [i for i in range(year_days) if i % 7 in [0, 1, 2, 3, 4]]
scolding_days = random.sample(work_days, year_days // 7)
# BadDayと仕事で怒られる日が重なる日を見つける
common_days = bad_days & set(scolding_days)
# 確率を計算
probability = len(common_days) / year_days
# 結果を表示
print("1年間でBadDayと仕事で怒られる日が重なる日数: ", len(common_days))
print("重なる日付: ", sorted(common_days))
print("BadDayと仕事で怒られる日が重なる確率: {:.2%}".format(probability))
100回ほど実行させると、平均はだいたい5.5%となり、年に20日近く仕事と私生活で嫌なことが重なる日があるということになります。ブラックな会社やミッションクリティカルなシステムを運用している会社であれば怒られる頻度は増えるでしょう。また、加えて配偶者の病気だったり、子供がいる人は子供の病気だったり、受験などのイベントだったり、実際には仕事と私生活で嫌なことが重なる日はさらに増えることでしょう。
ワークライフソーシャルバランスとは
シミュレーションの通り、年に15日-20日に1度は私生活と仕事で悪いことが起きます。そこで、ワークライフソーシャルバランスとは、ワーク・ライフのポートフォリオにソーシャル(社会事)も加えましょう、という考え方です。ソーシャルとは、社会活動、社会との繋がり、貢献のこと。地域活動への参加、ボランティア活動、NPO活動、社会貢献活動などが含まれます。
エンジニアのコミュニティに参加してみましょう
とはいえ、仕事で疲弊しているとなかなかボランティアやNPO活動に参加するのは忙しいと思います。ただし、エンジニアは色々なコミュニティ活動があり、コミュニティに参加するというある種の裏技があります。メリットとしては以下の通りです。
- 仕事の延長で参加: これは会社によりますが、仕事という理由付けで参加できることがあります
- 同業者との繋がり: 同じ技術分野に関心を持つエンジニアと繋がり、人脈を広げることができます
- 情報交換と相互支援: 困ったときに相談できる相手や、情報交換ができる仲間を見つけることができます
- キャリアチャンスの拡大: (いやらしい話ですが)コミュニティでの繋がりが、転職などのキャリアチャンスにつながることがあります
GoogleCloud ユーザー会(Jagu’e’r)はいかが?
私は会社でGoogleCloudを担当しているので、GoogleCloud ユーザー会(Jagu’e’r)によく参加・運営しています。コロナも終わりアフター付きのMeet upも増えてきて、参加者が主体的にかかわれる場面も増えてきています。1つの選択肢として、GoogleCloudをお使いの方は参加をご検討ください!
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