マインドマップとは
トニー・ブザン氏が提唱した、思考を可視化する手法です。
成果物であるマップを、図ではなく絵であると認識させることによって、
右脳の働きを活発にし、想像を膨らませるというものです。
人間の脳は、飛躍した発想はできないとされており、
例えば、日本というセントラルイメージがあるとして、
都道府県、地域、枝番というふうに発想がつながりますが、日本→枝番という、いきなりの発想は
できないといわれています。
ところが、ソフトウェアテストでは、この枝番、が出てくることが大事だったりします。
こういう発見を得るために便利なのが、マインドマップです。
海外の講師を迎えたチュートリアルのクラスで、講師からの質問として、
「マインドマップを知っているか?」というものがありました。
その時挙手していたのが、チュートリアルに参加されている方の
半数ぐらいでしたので、マインドマップは、QAクラスタでは国内外を問わず、
ポピュラーと言えるでしょう。
なぜマインドマップがいいの?
右脳を活性化させる
脳は、図は左脳的発想でみるものですが、図は右脳を使うので、思いつかなかったことを
思いついてつなげるには、右脳を刺激するのが有効、という説から、
できるだけ絵に近い書き方が
推奨されています。
そうはいっても、仕事で使うには手書きだと時間がかかってしまうので、
実際にはツールを使うことになりますが、こういう経緯があるのを知っておくと、
気分を変えて手書きにする、という選択肢もでてくるかもしれません。
気づきを得る
枝をつなげていくことで、いきなりリスト化したときには思いつかなかったものに
気づきやすくなります。
また、書いたマップは、書き始めてから、30分ぐらいで一度アイデアを
出しきるといわれています。書ききったら、そこから30分置いたり、
一晩置くと、また新しい発見があることもあります。
マインドマップのこの特性を利用して、こんな使いかもあります。
- 赤ちゃんの言いたいことを探る
- 将来なりたいもの・作りたいものの実現のために必要なものを探る
- 作業のクリティカルパスを出す
どういうときに使うの?
ソフトウェアテストにおいては、
- 機能概要の整理
- ページオブジェクトの仕様の整理
- エンティティの関連
- テスト観点の洗い出し
などなど、多様な使い方が可能です。
書き方のコツ
マップを、脳に、絵と認識させるために、以下のテクニックがあります。
- カラフルに
- 線を使わない
- セントラルイメージは派手に書く
- 絵として認識することで、右脳を働かせ、想像力を広げる
- 太い枝から細い枝へ
- 線は、最初が太く、先に細く、S字を描くように蛇行させる
- 枝は、しっかり塗りつぶす
- 文字は、単語が基本
- 文字は、線に沿って書く
機能を整理して、テストのポイントを見極める
これは、その昔、ブラウザの機能を整理して、ユーザーの操作を想定するために起こした
ブラウザの機能をツリーにしたマインドマップです。
ここから、処理の分岐となる要素を洗い出し、テンプレート化しています。
これを、ブラウザ特性のテストとして、コンパチビリティテストに使っています。
さらに活用するには
「ぐるぐるマインドマップ」と呼ばれる、マインドマップをリレー形式の多人数で
繋いでいく、というやり方があります。これだと、ほかの方が気づいたことから
発想を広げられるので、実例マッピングなどのように、仕様のアイデア出しなどに
良いと思います。
また、マインドマップ講師の公式資格などもあります。
マインドマップのツール
Xmind
定番。無料でも使えますが、毎年ライセンスが変わっています。
Miro
Miroにも、マインドマップの機能があります。これだと、チーム全員で使えますね。
最後に
本を一つ、紹介させていただきます。
ソフトウェアテストでマインドマップを使うには、この本が有名でしょう。