extern template使用

目的

extern templateは、別のソースファイルで既に特定のテンプレートの実体化が行われていることをコンパイラに通知します。これによって、ソースコードの膨大化を防ぎ、コンパイル時間を短縮することができます。

通常、テンプレートが使用されると、コンパイラーはそのテンプレートが使用されるすべてのコンパイル・ユニットでそのテンプレートをインスタンス化しますが、これはコードの肥大化とコンパイル時間の増加につながります。 externテンプレートを使うと、そのテンプレートは他のコンパイル・ユニットですでにインスタンス化されているので、現在のコンパイル・ユニットでインスタンス化する必要はない、ということをコンパイラーに伝えます。

例

書き方

extern template class MyTemplate<int>;

MyTemplate.hppで宣言する。

// MyTemplate.hpp
#pragma once

template<typename T>
class MyTemplate {
public:
    MyTemplate(const T& value) : value_(value) {}
    void print() const { std::cout << "Value: " << value_ << std::endl; }
private:
    T value_;
};

もう一つソースファイル（Instantiation.cpp）に、MyTemplate<int>を実体化しました。

// Instantiation.cpp
#include "MyTemplate.hpp"

template class MyTemplate<int>;

Usage.cppで実体化せずMyTemplate<int>使用する

// Usage.cpp
#include "MyTemplate.hpp"

extern template class MyTemplate<int>; // 既に実体化したをコンパイラに通知する

int main() {
    MyTemplate<int> obj(42);
    obj.print();
    return 0;
}