OperatorのOverLoad インクリメント（++）およびデクリメント（--）演算子

概要

C++ のインクリメント（++）およびデクリメント（--）演算子はオーバーロードでき、カスタム型の操作に使用できます。これらの演算子をオーバーロードすることで、カスタム型により柔軟で直感的な動作を提供し、さまざまなシーンや要求に適合させることができます。

使用シーン

イテレータークラス

カスタムのイテレータークラスでは、インクリメントおよびデクリメント演算子をオーバーロードして、イテレーターの移動操作を実装できます。これらの演算子をオーバーロードすることで、イテレーターオブジェクトをポインターのように増分および減分できるようにし、イテレーターの使用を容易にします。

例

class Iterator {
private:
    int* ptr { nullptr };
public:
    Iterator(int* p) : ptr(p) {}
    
    Iterator& operator++()
    {
        cout << "前置" << endl;
        ++ptr;
        return *this;
    }
    
    // オーバーロード--
    Iterator& operator--() {
        --ptr;
        return *this;
    }

    // オーバーロード++
    Iterator& operator++(int){
        cout << "後置" << endl;
        auto ret = *this;
        ++ptr;
        return ret;
    }
    
    // オーバーロード
    int& operator*() {
        return *ptr;
    }
};
int main(int argc,char* args[])
{
    int arr[] = {1, 2, 3, 4, 5};
    Iterator it(arr);
    
    ++it;// 前置
    //it.operator++();//前置
    cout << *it << endl;  

    //it++;
    it.operator++(0); // 後置
    cout << *it << endl;  
    
    --it;
    cout << *it << endl;  
    return 0;
}

カウンタークラス

カウンタークラスでは、インクリメントおよびデクリメント演算子をオーバーロードして、カウンターの増加および減少機能を実装できます。このようなクラスは、ループカウント、リソース管理など、さまざまなカウントシナリオに使用できます。

例

class Counter {
private:
    int count;
public:
    Counter(int c) : count(c) {}
    
    Counter& operator++() {
        ++count;
        return *this;
    }
    
    Counter& operator--() {
        --count;
        return *this;
    }
    
    int getCount() const {
        return count;
    }
};

int main() {
    Counter cnt(0);
    
    // カウント++
    ++cnt;
    cout << cnt.getCount() << endl;  // 1
    
    // カウント--
    --cnt;
    cout << cnt.getCount() << endl;  // 0
    
    return 0;
}

カスタム整数型

カスタムの整数型に対して、インクリメントおよびデクリメント演算子をオーバーロードすることで、増減の動作を変更し、特定の要件により適合させることができます。たとえば、特定のステップを増加または減少させるように、カスタムの整数型を定義することができます。

イテレーター範囲クラス

カスタムのイテレーター範囲クラスでは、インクリメントおよびデクリメント演算子をオーバーロードして、範囲の移動操作を実装できます。このようなクラスは、範囲を表し、範囲内での移動機能を提供するために使用できます。

ステートマシンクラス

ステートマシンクラスでは、インクリメントおよびデクリメント演算子をオーバーロードして、ステートの変換操作を実装できます。このようなクラスは、ステートマシンを表し、異なるステート間の変換機能を提供するために使用できます。

前置インクリメント演算子（++i）と後置インクリメント演算子（i++）

後置インクリメント演算子は指摘できます。

Iterator& operator++(int);//後置インクリメント演算子
Iterator& operator--(int);//後置インクリメント演算子

例

class Iterator {
private:
    int* ptr { nullptr };
public:
    Iterator(int* p) : ptr(p) {}
    
    Iterator& operator++()
    {
        cout << "前置" << endl;
        ++ptr;
        return *this;
    }
    
    // オーバーロード--
    Iterator& operator--() {
        --ptr;
        return *this;
    }

    // オーバーロード++
    Iterator& operator++(int){
        cout << "後置" << endl;
        auto ret = *this;
        ++ptr;
        return ret;
    }
    
    // オーバーロード
    int& operator*() {
        return *ptr;
    }
};
int main(int argc,char* args[])
{
    int arr[] = {1, 2, 3, 4, 5};
    Iterator it(arr);
    
    ++it;// 前置
    //it.operator++();//前置
    cout << *it << endl;  

    //it++;
    it.operator++(0); // 後置
    cout << *it << endl;  
    
    --it;
    cout << *it << endl;  
    return 0;
}