データサイエンスコミュニケーションとは?
はじめに
近年、データサイエンスの重要性がますます高まり、多くの企業でデータサイエンティストが活躍していると思います。
しかし、データサイエンスは高度な専門知識や技術を必要とするだけでなく、少し特殊な状況になることが多いのかなと個人的に思っています。そこで、データサイエンスに携わる方々が意識すべきコミュニケーション、データサイエンスコミュニケーション(勝手に名付けました)について何本かに分けてまとめようかと思います。
データサイエンスに限らず、報連相はビジネスの基本(当たり前だよね)
報連相がビジネスの基本である理由
報連相がビジネスの基本である理由は、以下の5つに分類できます。
1. 意思決定の迅速化
- 状況を常に把握することで、迅速な意思決定が可能になります。
- 意思決定の遅延は、機会損失やコスト増加につながる可能性があります。
2. 組織全体の連携強化
- 情報共有により、組織全体の連携が強化されます。
- チームワークの向上は、生産性やイノベーションの創出につながります。
3. リスクの回避
- 問題を早期に発見し、対応することができます。
- リスクを回避することで、損失や評判の低下を防ぐことができます。
4. メンバーのモチベーション向上
- 自分の仕事が重要視されていることを実感し、モチベーションが向上します。
- モチベーションの高いメンバーは、より良い成果を生み出すことができます。
5. 円滑な業務遂行
- 上記の4つの理由により、円滑な業務遂行が可能になります。
- 円滑な業務遂行は、顧客満足度や収益向上につながります。
と、いろいろな観点があると思いますが、個人的には4が結構重要な気がします。特にメンバーの立場であれば、自分の業務に意味があるのか、自分が成長しているのかを確認できるいい機会だと自分は思っています。
これらはいずれもデータサイエンス界隈に限らずすべてのビジネスにおいて基本的なことだと思っています。
では、コミュニケーションに関するデータサイエンス特有の側面はどんなものがあるでしょうか。
データサイエンスの業務って、コミュニケーションの摩擦が起きやすい気がする
理由1:情報の非対称性
データサイエンスプロジェクトでは、リーダーとメンバーの階層構造をもった形でプロジェクトが進むことが一般的だと思いますが、リーダーはより上流にかかわる業務に時間を割くので、実際の分析設計や集計・分析に関する細かい知識はメンバーのほうが詳しいことのほうが多かったです。
通常の職種でもこのような環境は発生しますが、その回数は圧倒的に多いなと感じています。
理由2:個人のスキルセットが見づらく、できること/できないことが分かりづらい
個人的には非データサイエンス界隈から転職してかなりギャップがあったことです。
当然自分の上長からも自分のステータスが把握しづらいということなので、上長が自分のスキルを見誤ってしまい、コミュニケーションギャップが発生しやすい状況になります。
データサイエンスそのものが統計学・機械学習・プログラミングスキルなど多様な技術をもとにしているためしょうがないことですが、この辺は結構苦労しました。
逆に言うと、メンバー側からも上長のスキルが見えないので、この知識はあると思ってスキップしたら認識齟齬が起きた、使っている単語の意味が微妙に異なっていたなど、メンバー側の誤解も起きそう。
理由3: 一人で分析/開発する時間が必要なので、二人三脚で進めづらい場面が多い
私は新卒で公務員をしていましたが、Aタスクの作業をしている最中にBタスクの進捗を求められ、ついでにCタスクのインプットを受けるといった同時並行的な報連相が多かったです。
このような進め方であれば会話量が増えるので、「ついでに〇〇についてなんですが・・・」と、会話の隙が結構あったので、報連相の難易度は比較的低かったです。(むしろリモートワークのせい?)
一方、データサイエンスのプロジェクトでは、クエリを書いたりコーディングしたり何かと一人で黙々と考えながら進める場面も多いと思います。
そんな時、多くの人は上長や他メンバーから頻繁に連絡が来てチャットで話しながら進めるという方法はあまり好まないでしょう。
最近ではリモートワークの普及もあり、進捗確認する側も「邪魔してないかな・・・」「細かくコメントしてパワハラだと思われたくない」といった気持ちから、メンバーへのこまめな連絡ができないという思いもありそうです。
理由4: 伝えようと思ったら永遠に話せるほど周辺知識が関連している
これは何となくわかってもらえると思います。「これって細かいけど伝えたほうがいいのか?」みたいな情報がめちゃくちゃあります。
マストではないけど・・・みたいな内容が多いので、限られたレビュー時間で何を話せばいいのかを取捨選択することが難しいです。
まとめ
ざっと考えてもこんな側面から、データサイエンス界隈って意外と報連相のハードルは高い気がします。
次の記事では、自分が工夫した報連相・コミュニケーションのポイントを書いていこうかと思います。