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つぶやき自動ブログ化システム(経過報告)

Last updated at Posted at 2025-07-13

1.概要

昨年より構想していた「つぶやきを自動でブログ化」について、約1ヶ月にわたって概念実証(PoC)を実施した。本記事では、そのシステム概要、運用結果、そして顕在化した技術的課題について、備忘録として記録する。

2. システム概要

今回のPoCで構築したシステムのアーキテクチャは以下の通り。

  • 入力インターフェース: LINE Bot
  • バックエンド処理: Google Apps Script (GAS)
  • コンテンツ生成: Gemini API
  • 写真投稿: Imgur API
  • 投稿先: はてなブログ(AtomPub API利用)

ユーザーがLINEにテキストを送信すると、GASがそれを受け取り、Gemini APIへ記事生成を依頼する。返却されたテキストを、はてなブログAPI経由で投稿するというシンプルな構成になっている。

つぶやきブログ投稿システム、全サービス連携を図解!

3. PoCの運用結果

ブログ投稿の省力化については、期待通りの成果が得られた。

  • 投稿プロセスの効率化: 思考の断片をテキストとして入力するだけで記事が自動生成・投稿されるため、ブログ更新に要する時間と心理的コストが大幅に削減された。
  • 予期せぬ情報との接続: Gemini APIが本文の文脈に応じて参考リンクを付与するため、自身のインプットがきっかけとなり、関連する新たな情報源へアクセスできるという副次的な効果も確認された。

4. 課題

今後の技術的課題として、以下の点が明確になった。

  1. 過去投稿との文脈的連続性の欠如:
    現状の実装では、各投稿が独立しており、過去の記事資産を参照する仕組み(RAG: Retrieval-Augmented Generation)が存在しない。そのため、ブログ全体としての一貫したナラティブが形成されず、個々の情報が「点」として散在する状態に留まっている。

  2. マネタイズ機能の不在:
    生成されるコンテンツが非定型的な「つぶやき」ベースであるため、アフィリエイトリンクのような収益化要素を、記事の品質を損なうことなく自然に組み込むのが難しい。

  3. 視覚的要素の欠落(サムネイル非対応):
    記事のサムネイル画像を自動生成・設定する機能がないため、ブログの回遊性やクリック率向上に寄与する視覚的アピールができていない。

5. 考察

最大の反省点は、検証を本番運用中のブログで実施してしまったこと。結果として、ブログ全体のコンテンツ品質が著しく低下した。開発者自身が価値を確信できない機能やコンテンツは、利用者にとっても価値を提供し得ない可能性が高い。

6. 今後の展望

今回のPoCを通じて、Gemini APIを用いたブログ投稿の自動化は技術的に実現可能であることが確認できた。しかし、それを価値あるプロダクトとして成立させるためには、まだ多くの課題が残っている。
得られた最大の成果は、効率化されたワークフローそのものというよりも、「システムが提供すべき本質的な価値とは何か」 を再考する機会となった点にある。

今後は、以下の技術的課題に優先的に取り組む。

  • RAGアーキテクチャの導入による過去記事の文脈参照
  • 画像生成APIとの連携によるサムネイル自動生成機能の実装

以上が本報告の内容である。

つぶやきブログシステム 関連リンク

LINE Bot

Google Apps Script (GAS)

Gemini API

Imgur API

はてなブログ(AtomPub API利用)

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