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IoT中級レベル確認問題

以下の問題は、IoTに関する基本的な概念を踏まえたうえで、より詳細な技術内容や設計上の考慮点を確認するためのものです。
ご自身の理解度チェックや演習としてご活用ください。


1. 選択式問題

Q1. LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークに関する説明として最も適切なものはどれでしょうか?

  1. 超高速通信を可能にするが、消費電力が非常に高い
  2. 近距離通信しかできないが、伝送速度が高速になる
  3. 消費電力を低く抑えつつ、広範囲での通信に適している
  4. 強固な暗号化が必須であるため、実用化がまだ行われていない

Q2. IoTデバイスとクラウド間の通信において、エッジコンピューティングの採用が推奨される理由として不適切なものはどれでしょうか?

  1. ネットワーク遅延を低減するため
  2. デバイス側の処理負荷を極力軽くするため
  3. 大量データを事前に集約・要約することで通信量を削減するため
  4. ネットワーク障害時でも最低限の処理を継続するため

Q3. IoTシステム全体のセキュリティ設計において、考慮すべき要素として誤っているものはどれでしょうか?

  1. 通信経路の暗号化
  2. デバイス起動時のセキュアブート
  3. 遠隔制御用Webサービスの2要素認証
  4. センサーの精度を高めるためのキャリブレーション方法

2. 穴埋め問題

Q4. IoTデバイスで、機器自身が動作状況を監視し、異常があった際にログを収集する機能を「_____機能」と呼ぶ。

(ヒント: 予防保守や問題解析で重要視される機能)


Q5. IoTデバイスに搭載される通信モジュールで、固定の周波数帯を占有せずに複数チャンネルを hopping(切り替え)しながら通信する方式を「_____」と呼ぶ。

(ヒント: 省電力かつ混信を抑えられる無線技術で用いられる)


3. 記述式問題

Q6. 「IoTデバイスが実行するソフトウェアをOTA(Over The Air)でアップデートする際に発生しうるセキュリティ上のリスク」と、それを緩和するための具体的な対策を1つずつ挙げてください。


Q7. IoTシステムでのデバイス認証やユーザ認証を実装する際、公開鍵暗号方式を利用するメリットを2点挙げてください。


4. 応用・設計問題

Q8. あるIoTシステムでは、エッジ側での高速応答が求められており、クラウドに送る前に多くの計算をローカルで行う設計が検討されています。一方で、クラウド上に設置するAIモジュールによる高度な分析も並行して行う必要があります。

  • ローカル(エッジ)で処理すべきデータと、クラウドで処理すべきデータをどのように分担するか
  • その際に発生するデータの一貫性の問題をどのように扱うか

以上の2点について、簡潔に説明してください。


Q9. IoTセンサーから集めた大量データをビッグデータ基盤で処理し、リアルタイムにダッシュボードで可視化するアプリケーションを考えています。

センサーのデータ送信レートが多様(秒単位〜分単位)で、大量の同時接続が想定される場合、どのようなメッセージング基盤・アーキテクチャを導入すれば良いでしょうか?
(ヒント: Pub/Subモデルやキューイングシステム、分散ストリーム処理の活用など)


Q10. IoTデバイスの組み込みOS上でセキュアブートを実装する場合、必要となる主要なプロセスを3段階に分けて説明してください。


解答例(サンプル)

  • Q1: 3

    • LPWAは低消費電力かつ広域通信を想定した技術。代表例としてLoRaWANやSigfoxがある。
  • Q2: 2

    • エッジコンピューティングでは端末側で処理を行うため、むしろデバイス(端末)側の負荷が増えることもある。
  • Q3: 4

    • センサーのキャリブレーション精度はQoSには関係しますが、セキュリティ設計に直接含まれる要素ではありません。
  • Q4: 自己診断機能 / セルフモニタリング機能 / ヘルスモニタリング機能(いずれの呼び方も可)

  • Q5: 周波数ホッピング方式 (Frequency Hopping Spread Spectrum: FHSS)

  • Q6:

    • リスク例: アップデートファイルの改ざんによるマルウェア注入
    • 対策例: アップデートファイルへの署名や暗号化、アップデート時の認証チェック
  • Q7:

    1. 鍵の配布が秘密鍵方式よりも容易(秘密情報の大規模管理を減らせる)
    2. 通信路上で公開鍵をやり取りしても安全性が確保しやすい
  • Q8:

    • 分担例: リアルタイム制御に必要な解析はエッジ側で行い、大規模で高度な機械学習による予測分析はクラウド側で実施
    • データの一貫性: タイムスタンプやバージョン管理を用いて、クラウドに送るデータとの不整合を軽減。また、定期的な同期プロセスを用意する
  • Q9:

    • Pub/Subモデル(RabbitMQ, Apache Kafka など)を利用し、複数のセンサーからのデータを非同期に受け取り、ストリーム処理(Apache Spark StreamingやApache Flinkなど)でリアルタイム分析するアーキテクチャが考えられる
  • Q10:

    1. ブートローダの検証: 不正なブートローダが実行されないように、ブートローダの署名を検証
    2. OSイメージの検証: ブートローダによるOSイメージの署名チェック・改ざんチェック
    3. OS起動とアプリケーション検証: OS起動後に、各種ドライバやアプリケーションにも署名検証などのセキュリティチェックを実施

以上の問題を参考に、IoTシステムの設計・実装・運用に必要な知識を深めていただければ幸いです。
必要に応じて、より高度な暗号化技術や大規模分散システムに関する内容、組み込みリアルタイムOSの詳細などを学習に加えてみてください。

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