初めに
筆者が統計検定準1級に合格するまでに行った「勉強方法」・「合格に必要なこと」・「合格して思うこと」を書いています。
成績は74点で、ありがたいことに優秀成績賞を頂けました!せっかく優秀賞を頂いたので、体験記を書いてみました。
筆者の勉強方法
やったことは統計学実践ワークブック本文の行間埋めです。ひたすら載っている数式や定理の導出をしていました。例題の方は、一周目は理解の助けになるものだけにざっと目を通すだけでした。例題も全て解いていると、ワークブックのあのスカスカな行間を埋めながらでは時間がかかり過ぎると思ったからです。
ですが、行間埋めにも非常に時間がかかりました…。一週間の勉強時間が平均10時間くらいで7、8ヶ月かかりました。その間、何度も心が折れそうになってました…。後述もしますが、正直、合格にはそこまで丁寧にワークブックを読み込む必要はなかったのですが、統計学の知識を網羅的にきちんと身につけておきたいという思いで準1級の勉強を始めたので、この方針を続けていました。
行間埋めには、久保川先生の「現代数理統計学の基礎」や小西先生の「多変量解析入門」などの他の書籍や、統計学をまとめたブログ記事、YouTubeの動画も参考にしていました。昨今、ネットで検索すれば、わかりやすく解説して下さっている方々がたくさんいらっしゃるので、独学でも学習に困ることが少なくなっています。発信されている方々には感謝しかありません。
合格に必要なこと
ワークブックは必携ですが、私のように本文の数式全てを導出する必要はありません。それらを丸暗記できて、なおかつ問題に応じて使えるならそれでも問題ないと思います。私は、学生の頃からそうだったのですが、暗記は苦手で、数式は導出したり何回も使っていく過程で覚えていくタイプだったのでそうしていました。何を暗記して何を導出まで追うかは、自身で取捨選択するのがいいと思います。
ワークブックの例題に関しては、これは全て一回は解いておいた方が良いです。難易度がほぼ本番の問題と同程度なためです。また、半分くらいの問題が、過去問の類題なので、出題傾向を知るにもワークブックで十分だと思います。例題は、解くだけではなく、ワークブックの解答がどうしてこのような解き方なのか、それをある程度、説明できるくらいにその分野の理解を深めておく必要はあるかなと思います。
最短で合格を目指すなら、次のような勉強方法をおすすめします。
①ワークブックの例題一通り解いてみる
②本文や他の書籍・ネットブログなどで出来なかった分野の理解を深める
③もう一度、例題を一通り解く
ワークブックの例題だけでは不安がある場合は、過去問や2級の問題を解いても良いと思います。感触として、2級の問題を完璧に解けるくらいであれば、準1級でも50点は取れると思います。
合格して思うこと
ここからの話は、これから統計検定準1級を受けようとする方の参考にはならないと思いますが、合格した後、私自身も想定していなかった思いが湧いてきたので、一つの体験として記しておきます。
当初、準1級に合格すれば、ある程度、自信を持って「統計学を使って仕事ができます!」と言えると思っていました。ですが、準1級は統計学の各分野をある程度は網羅しているものの、合格してしばらくすると「それぞれの分野の表面的なことしかまだ知れていないのでは…」という思いが沸いてきました。
ワークブックには載っていない手法も数多くあります。また、試験の問題は正解がありますが、実務ではそもそも問題設定の方が重要です。そのため、準1級レベルの問題を解けるからといって、仕事で統計学を駆使できるレベルまで達してはいないことを実感してしまいました。
合格後、私の中では準1級合格はまだ統計学の序の口レベル、といった印象に変わりました。まだまだ色んなことを学んでいかなければならないと感じています。