空中写真とは
航空測量や地図作成のため飛行機などで撮影した写真のこと。
詳しくは国土地理院の解説ページを参照のこと。
どこで入手するのか?
地図・空中写真閲覧サービス
普通の人が自由に見られる空中写真は、まず国土地理院の空中写真閲覧サービスがあげられる。
閲覧する前に利用条件の確認が行われるので、確認の上、同意する。
そうすると、日本地図が表示されるので、見たいところを選ぶ。
画面の左側に次のような選択画面があるので、見たい年代等を設定して検索する。
そうすると、次のように候補が表示される(下図は秋田駅周辺)。
みたいところを選択すると、単写真で見られる。
必要な写真は(一財)日本地図センターのネット通販で購入できるとのこと。
gisソフトで表示する
昔の写真を見ていて、現在と比較したい場合が良くある。
この場合、地理院地図を利用する。
秋田市の場合、現時点では1960年代と1975年前後の空中写真が閲覧できる。
QGISの背景地図として利用する
qgisの対応状況
現在(2019/8/18現在)、公開されているバージョンのWindows用では利用できる。
他のOSで試したところ、次のとおり。
FreeBSD 11.3のパッケージでは不可
Raspbian Busterではqgis2.18がインストールされる。このパージョンでもWindowsなら利用できるはずだが不可。
現時点ではWindows版を利用するのが間違いないみたい(Macは持っていないので不明)。
qgisでの設定
qgisにレイヤを追加する「ブラウザ」に必要な情報を設定する。
ブラウザの【XYZ Tiles】に地理院地図の情報を設定する。
完成図は次のとおり。
まず【XYZ Tiles】を選択し、マウスの右ボタンを押すと次のダイアログが開く。
名前の項目は自分がわかりやすい情報を入れる。
URLに入力する情報は国土地理院のページで調べる。
空中写真は次のあたりにまとまっている。
例えば「空中写真(1961~1969)」のリンクを開く。
ここのURL、ズームレベルを入力する。
【OK】を押すと【XYZ Tiles】に追加されているので、これをダブルクリックすると、【レイヤ】に追加される。
この際注意点として、どこを描画しようとしているのかわからないので、先に標準地図を設定しておき、見たいところを表示しながら作業した方が良い。
『ポイント』
まず標準地図を表示し、見たいところを指定する。
標準地図を指定しただけだと、このように世界地図になってるので、提供範囲の限られている空中写真は表示されませんね。当然(反省)。
表示するところを、こんな感じで指定する。
次に空中写真をダブルクリックする。するとめでたく表示される。
ズームインすると、こんな感じで見られます。これは秋田駅の周辺。
機関車トーマスでおなじみの扇形車庫と転車台があったことがわかります(なお、小樽市市立総合博物館では、軽便鉄道で利用されていた蒸気機関車と転車台などが動態保存されていて、乗せてもらうこともできるのでお薦めです)。
見るだけでも楽しいけど
昔の写真を見るだけでも楽しいけど、現在との比較とかできれば、もっといろいろな情報が見えてくる。
まず背景地図にしている標準地図を見えるようにしてみる。
標準地図を透かしてみる。
空中写真のレイヤの透明度を調整すると、背景の地図が見えてくる。
自分の情報を載せてみる。
昔の空中写真を見る場合、現在との比較を行いたい場合が多いと思う。
例えば、家を建てるときの土地選びでは、学校や駅が近くスーパーもあるとか便利の良さに目が行きがちだけど、建物の寿命を考えたらできるだけ地盤が良く、水はけが良い土地を選んだ方が良い。
昔の地形図を探して調べるとか、もっと手軽には地名で推測するという方法もある。例えば『地名に隠された由来、旧地名の調べ方』のような記事を参照のこと。
しかし、昔の空中写真を見れば、数十年前までという限界はあるけど、その土地がどんなところだったか一目瞭然になる。さかのぼれる時代が数十年前といっても、地方都市の場合、宅地化が進展したのは1960年代以降のところが多いわけだし、実用的には問題ないと思う。
さて、具体的にどうするか。
実際に調べたいポイントを表示するレイヤを作成し、空中写真を背景地図にすれば良い。
まずqgisのメニューバーから次のアイコンをクリックする。
次のようなダイアログが開く。
これはShapefileを作成する。
ファイル名には作成したデータを保存するファイル名、ファイルエンコーディングは文字のエンコーデイング、ジオメトリタイプはデータ型(ポイント、ポリゴンなど)を指定する。
ここでEPSGを適切に指定しないと、作成したデータが地球上のあらぬところに飛んでいってしまうので注意。
私の場合、公共座標系がなじみ深いので指定している。なお公共座標系のEPSGは住んでいる(おおよそ)都道府県で異なるので適切なものを調べること。
ShapefileはdBaseのデータファイルを構成要素にしており、制限付きながら地物の属性を保存できる。フィールドに保存したいデータ型に応じて追加する。このあたりはAccessのテーブルと考え方は同じ。
次に編集したいレイヤを指定した上で、qgisを編集モードにする。
マウスで編集したいレイヤをクリックすると、次のようになる(例では今作成したレイヤ)。
次にメニューバーの鉛筆をクリックする。
メニューバーで編集に関連するアイコンが有効になる。
のアイコンが地物を追加するアイコン。
これでポイントを追加すると、追加した地物(ポイント)の属性を入力するダイアログが開く。
【OK】を押し、FDのアイコン(保存)を押す。
サンプルとして、秋田駅東口のアルヴェにポイントを打ってみる。
作成した地物が見えない場合、レイヤの上下やシンポロジを確認する。
ここまでできたら、背景地図を過去の見てみたい空中写真に変える。
クリップの位置がずれてしまった・・・。
現在、アルヴェがある位置には1960年代、転車台と扇形車庫があったことがわかる。
基盤地図情報の建築物を重ねてみると、こんな感じ。
今と昔を比較するだけでも、結構楽しいと思います。