Webアプリケーションとは?
私たちが日常的に使用するSNS、オンラインショッピング、メールサービスなどは、Webアプリケーションとして提供されています。Webアプリケーションは、インターネットを通じて動作し、ユーザーがブラウザを介して利用するプログラムのことです。
Webアプリケーションを理解するためには、主に「クライアントサイド」と「サーバーサイド」の役割を把握することが重要です。本書では、この2つの側面に焦点を当てて解説します。
1. クライアントサイドとは?
クライアントサイド(フロントエンド)は、ユーザーが直接操作する部分を指します。主にブラウザ上で動作し、Webページの表示や動的な動作を制御します。
クライアントサイドの技術
- HTML:Webページの構造を定義するマークアップ言語。
- CSS:Webページのデザインを指定するスタイルシート言語。
- JavaScript:ページの動的な振る舞いを制御するスクリプト言語。
クライアントサイドの動作の流れ
- ユーザーがブラウザを通じてWebページにアクセス。
- ブラウザがWebサーバーからHTML、CSS、JavaScriptを取得。
- JavaScriptが実行され、インタラクティブな動作を提供。
クライアントサイドは、ユーザー体験(UX)を向上させるために重要な役割を果たします。
2. サーバーサイドとは?
サーバーサイド(バックエンド)は、データの処理や管理を担当する部分です。ユーザーのリクエストに応じて、データベースとやり取りし、必要な情報をクライアントに送信します。
サーバーサイドの技術
- プログラミング言語:PHP、Python、Ruby、Javaなど。
- データベース管理:MySQL、PostgreSQL、MongoDBなど。
- Webフレームワーク:Django(Python)、Laravel(PHP)、Spring(Java)など。
サーバーサイドの動作の流れ
- クライアントがWebサーバーにリクエストを送信。
- Webサーバーがリクエストを処理し、必要なデータをデータベースから取得。
- 処理結果をクライアントに返送。
サーバーサイドは、Webアプリケーションのロジックやデータ管理を担い、安全で効率的なサービスを提供します。
3. クライアントサイドとサーバーサイドの関係
クライアントサイドとサーバーサイドは、HTTPを介して通信し、相互に連携して動作します。
リクエストとレスポンスの流れ
- クライアント:ブラウザからリクエストを送信。
- サーバー:リクエストを受け取り、処理を実行。
- サーバー:処理結果をレスポンスとして返送。
- クライアント:レスポンスを受け取り、Webページを表示。
この一連の流れを「リクエストとレスポンス」と呼び、Webアプリケーションの基本的な仕組みとなります。
4. Webアプリケーションのアーキテクチャ
Webアプリケーションは、以下のような3層構造で設計されることが一般的です。
- Webサーバー:リクエストを受け取り、適切な処理を行う。
- アプリケーションサーバー:プログラムの処理を行い、データベースと連携。
- データベースサーバー:データの保存・管理を行う。
また、開発においては MVC(Model-View-Controller) という設計パターンがよく用いられます。
- Model(モデル):データの管理・処理。
- View(ビュー):ユーザーに表示する画面。
- Controller(コントローラー):ModelとViewをつなぐ。
これにより、開発の分業がしやすくなり、保守性が向上します。
5. まとめ
Webアプリケーションは、「クライアントサイド」と「サーバーサイド」が連携して動作するシステムです。
- クライアントサイドは、ユーザーが操作するインターフェース。
- サーバーサイドは、データ処理や管理を担当。
両者はHTTP通信を通じてやり取りを行い、Webアプリケーションを構成します。
Webアプリケーションを開発する際には、クライアントとサーバーの役割を明確に理解し、それぞれの技術を適切に活用することが重要です。