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バーチャルTAのすゝめ

Last updated at Posted at 2021-05-21

#バーチャルTAのすゝめ

ハイライト

  • Oculus Air linkを用いて仮想デスクトップやウインドウをばらまいた状態で作業をするとはかどるよ
  • バーチャル空間で作業するとき, 周辺の様子を確認するのに三人称視点のカメラを用意してあげると動きやすいよ
  • 3D酔いをしやすい人は大変かも……

本題は第三節, バーチャルTAになるための下準備からである.

目次

仮想空間での作業風景
仮想空間での作業風景. 必要になるウインドウとを周辺にばらまき, デスクトップを二枚周辺に配置している.

Oculus Quest2 についておよびquest2との出会い

Oculus Quest2とは, Oculusが販売しているスタンドアロン型VRヘッドセットである.

VRと言えば, HTC ViveなどのPCに接続して利用するタイプが有名であるが, そのようなタイプのヘッドセットは高性能なグラフィックボードを積んでいるPCと組み合わせないと十分な性能が発揮できない.

一方, Oculus Quest2はAndroidベースのデバイスで高性能なSoCを搭載したVRのためだけに作られた専用デバイスである.
このデバイスはもとより単体で完結するように作られており, 中量級までのVRゲームやVRアクティビティが楽しめるようになっている.
また, PCと連携して動作するようなVRヘッドセットよりも安いというのも重要な点だ.
ただ, Quest2も安いとはいえ四万円近くするため, なかなか縁遠いものと考えていた.

そんな時に友人に勧められてしまったゲームがVRchatである.
(このゲーム, 人をVRに沼らせる諸悪の根源だと思っている.)

高校時代の友人から久々に連絡が来て, 何かと思ったら「高校時代の部室をVR空間に再現してそこで遊ぼうぜ!」というものだった.
面白そうだとは思いつつもVRデバイスを持っていないことを伝えたら, とりあえずVRchatってゲームをインストールすればバーチャル空間で遊べるからまずはインストールしてと言われたので, インストールして"しまった".

VRchatをプレイするじゃない?みんな楽しそうじゃない????VRデバイスを欲しくなるよね????????

はい, アウトです. 次の月の給料日に買っちゃいました.(デジタルデバイス貯金として自分でためてた分を切り崩したので貯金も減った).

ってなわけでQuest2が手元に来ました!!!

Quest2(あたらしいおもちゃ)の遊びかた

Oculus Quest2ではSteam VRを直接遊ぶことはできないが, Quest用のアプリストアがある為, そちらで様々なゲームなどが購入できる.
先に説明したVRchatや, BeatSaberなどはVRに興味を持つ諸兄らも耳にしたことがあると思う.(そして実際に楽しかった.)

また, 直接ではなく, 様々な手段を弄することでSteamVRを遊ぶことも可能である.

その方法がOculus linkと呼ばれるものである.

Oculus linkとは,USB Type-Cケーブルを用いてQuest2とPCを接続することでPC連携タイプのVRヘッドセットとしてOculus Quest2を用いることができるというものだ. この方法でVRを楽しむためにはやはりPCのスペックが重要になってしまうのだが, それでも3万円台のヘッドセットでPCVRを楽しむことができるというのは画期的だ.
そして, ここ最近, Oculus linkに"Oculus Air link(以下, Air linkと表記する)"という無線バージョンが実装された.
たった三万円台で無線接続のPCVR機器が手に入るのは神じゃない???というわけである.

ということでQuest2をPCに接続をしてSteamVR版のVRchatを遊んでみたわけだが(Quest版とSteamVR版では機能が異なる),自分のPCではVRchatをやるにはスペックが低かったようだ……(グラフィックボードはGTX 1060 6GBである.)

泣く泣くSteamVRで遊ぶことはあきらめてAirlinkで出来ることを他に探してみようということでいろいろいじっていたら見つけたのがバーチャルデスクトップ機能である.
バーチャルデスクトップ

この機能を用いると, どうやらPCの画面をVR空間に持ってきて操作が行えるらしい. ということが分かった.

そこで当然のように思いつくことが, "バーチャル空間からTA参戦できるんじゃ???"ということであった.

バーチャルTAになるための下準備

もちろんTAをやるわけだからTAとしてしっかりと仕事ができる環境を整える必要がある.

では, TAとして仕事をするにあたって必要な環境は何だろうか, と考えてみたものが以下である.

  • 実習先の計算機を操作するためのターミナル(バーチャルデスクトップで投影すればよい)
  • 実習資料にアクセスするためのブラウザ(バーチャルデスクトップで(以下略))
  • 計算機操作及び資料閲覧のための入力デバイス(キーボード, マウスなどを利用する)
  • Zoomのホワイトボード機能などを利用するためのペン入力デバイスの利用環境(所持するWacom oneを使えばよい)
  • 会議通話に参加するためのマイク, スピーカー(Oculus Questのマイクをパソコンに接続する)

……あれ?これ, やっぱりバーチャルデスクトップ機能で実現できるじゃん……

ということでさっそく環境構築である.

まずは, Air linkを構築した状態でDashボタンからデスクトップを3枚配置した.
3枚の内訳は"メイン作業領域","資料表示領域","液晶タブレットの画面表示"である.

この状態で作業を行ったが, VR世界から見えない液晶タブレットにVR世界から見えないペンデバイスで入力を行うのは非常に大変であった.

そこで活躍したのが三人称視点カメラだ. 家にあるwebカメラを自分の上半身と机の上が写るように設置してその画面をデスクトップの"資料表示領域"に表示を行った. この三人称視点を参考にペンを持ち, 液晶タブレットに書き込むことで非常に簡単にペン入力デバイスを使えるようになったわけである. その時の三人称視点カメラの画像が以下である.
三人称視点
また, この状態でも以下のような文字をホワイトボード上に書くことが可能であった.
Whiteboard[2]-01.png

この様な視点で自分の体を動かし, 卓上のものを利用することが苦ではなかったため三人称視点カメラの映像をVR空間に取り込んで作業を継続することにした.

ここまでで基本的な準備は完了である.

ただ, この状態だとまだディスプレイが3枚しかなく, 最初に挙げた画像のように多数のウインドウが宙に散っている状態にはならない.

ここで登場するのがウインドウ分離機能である.

バーチャルデスクトップ上のウインドウをoculusデバイスで指し, 人差し指のトリガーを引いた後に中指のトリガーを引くと該当のウインドウが単離できる.

この機能を用いて, "ターミナル(画像中央)", "三人称視点カメラ(画像下)", "メーラー(画像右, 受講生からの質問がメーリングリストで来るため)", "作業用BGMウィンドウ(画像右下. 花譜ちゃんかわいい. ファンになったし推しています.)"を単離し, "資料表示領域バーチャルデスクトップ(画像上)", "液晶タブレットの画面表示用バーチャルデスクトップ(画像左)"とともに表示した姿が最初にも挙げた画像の姿である.

2021-05-21 16-52-59_Moment.jpg

最初三枚あったバーチャルデスクトップの1枚は結局単離ウインドウを取り出すための予備領域として画面左上奥に存在している.

今回はこのような状態でバーチャルTAに挑戦した.(もちろんTA業務中は動画ウインドウは閉じてある.)

VTAの感想

VTA(バーチャルTA)を行って気が付いたこと, 及び周辺からの指摘事項を挙げる.

  • 空中の好きな場所にディスプレイを配置し, 必要なときに手前に呼び寄せられるのは予想以上に作業がしやすい.
  • バーチャル空間には必要なものしか存在していないため, 気が散る要素が減る.(特にスマートフォンが手に取っても使えないのが良い)
  • 3D酔いしやすい人には地獄かもしれない
    • たまにFPSが落ちて世界がかくつくのが特に負担になるかも. つよつよPCが欲しい.
  • 3人称視点で自分を操作するのも難しいのかもしれない
    • 手元を写したWebカメラに映る映像だけで手を操作して物をとることですら難しい人には難しい.
  • トラックボールマウスはまだよいにしても通常タイプのマウスだと位置が毎回変わる為, 操作がしづらいかも.
  • キーボードの入力開始時に手の位置のキャリブレーション作業が必要になる. また, ブラインドタッチがほぼ完全にできる人でないと厳しいかもしれない.
    • 自分は記号入力をブラインドで行うのが苦手なため, そこら辺を必要とする作業で手間取った.
  • webカメラ(通常の会議通話で自分を写す用のモノ)に写るのはヘッドセットをかぶった人間であるため, 不気味だ.
    • いっそ3Dアバターを写してしまいたいくらいだ.
  • 3時間ほどVR空間で作業した後に現実世界に戻って作業を行うと, 視界と感覚がリンクしていることに違和感を感じた.
    • 現実世界酔いのようなものを起こしているのかもしれない.

これらのことを鑑みてもVTAは将来性が高いタイプのTA勤務形態だと考えられる.

また, これはTA業務以外にも研究時の作業にも応用ができると考える.

さいごに

ここまで, VTA業務直後に一気に書いたため, 今後追記や修正などが入る可能性が多い.
もし何か思うことや筆者に聞きたいことがある場合, Twitter(ID: mogisuke0301)まで聞いてくれるのが速いであろう.

VR世界よりここに記す. 2021/05/21

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