こんにちは。題名の通りですが、多額の奨学金を借りてまで情報系の大学へ進学する意味はあるのかについて、情報系の大学を中退した私の考えを話していきたいと思います。あくまで参考程度に見ていただけると嬉しいです。この記事が進路に悩む方の助けになることを願っています。
1. 前提
題名では多額、としていますが、具体的にいうと私は月に8万円ほど奨学金を借りていました。第一種奨学金(利子なし)が5万円、第二種奨学金(利子あり)が3万円ほどです。4年間借り続けると合計約400万円ほどになります。地方の国立大学情報学部に通っていました。
世帯年収は600万円ほどです。これぐらい世帯年収があると給付奨学金も学費免除も受けることができません。では何故奨学金を借りなければいけなかったのかというと、親の金遣いが荒く、全くお金の準備が無かったからです。現在の世論として「望む人は皆大学に行けるようにするべき」というものがあり、そのために政府は学費免除などの整備を進めていますが、これは「お金があるのに親が学費を出さない」というケースには対応していないのが現状です。
成績が優秀であれば給付の奨学金を用意している大学もあるとは思いますが、あまりメジャーでは無いと思います。
加えて私の場合、実家が田舎にあったので実家から通える距離に大学は無く、下宿をせざるを得ませんでしたので必要となる生活費も実家暮らしに比べて多くなりました。
2. 結論
結局、私は3年生の時に大学を中退し、正社員としてSESの会社に就職することとなりました。3年前に戻れるならきっと今の進路は選ばないでしょう。大学生活を思い返しても精神的に苦しかった記憶が多いです。その理由について詳しく次の項で説明します。
3. 辛かったこと
- 借金をするという事実が辛い
奨学金は借金であるとは、よく聞く言葉です。しかし実際は利子が極めて少なく、収入が減れば返還期限猶予に申し込めるなど、借金としてこれほど条件の良いものはありません。奨学金を借りても大卒と高卒の生涯年収を比べたとき、大学へ行く方がお得だと言われています。入学前の私はこのように考え奨学金を借りました。しかし人間の心というのは合理的なものではありません。若いうち、特に将来の進路が確定していない時は未来に対して漠然とした不安を抱えるものです。ただでさえ将来に不安があるのに加え、400万円という金額が常に頭の片隅にあります。常にお金の心配があるというストレスは在学中ずっと蓄積していきます。そして働いていない時間、つまり、大学へ通う時間や課題へ取り組む時間が苦痛になるのです。大学の授業を受けながらも、この時間で働きたい、働いてお金の不安を無くしたいと考えてしまい、大学へのモチベーションが下がってしまいます。自分が多額の奨学金を借りてメンタル面が元気でいられるのか、自分の性格を加味して考慮する必要があります。
- 他の大学生を見るのが辛い
他の大学生で奨学金を借りている人は少数派でした。そして大学では、地元で見なかったような恵まれた家庭環境にある人が多数おり、学費はもちろん生活費すら何の心配もしていない人たちの言動が嫌でも目につきます。別に彼らは何も悪いことをしているわけでは無いのですが、やはりそこにストレスを感じてしまう自分がいました。
- 情報系の大学は情報について学べない
大学には3年半在籍していましたが、そこで学んだ内容は基本情報技術者試験の3分の1程度の内容であり、周りも全くプログラミングができない人ばかりでした。昨今は特に、パソコンが好きで情報学部に入る人よりも、ITは安定していそうという理由で入ってくる、コンピューターに興味のない人が多いような気がします。実際在学中に何かアプリを作ったのは学部で数人程度でした。タッチタイピングすらできない、大学入学するまで授業以外でパソコンを使ったことがない人すらいました。
私は入学前からあまり授業には期待していませんでしたので授業のレベルの低さは予想通りでした。しかし、周りの学生のモチベーションが低いため、課外活動でチームでプログラミングをするとか、エンジニア就職の情報を得るといった、私が最低限大学に期待したものすら得ることはできず、通う意味がないのではと考えるようになってしまいました。
- 結局技術力があればいい疑惑
それでも、2年生までは卒業するつもりでいました。しかし、2年生の時にインターンを始め、実際にエンジニアとして働いている人を目の当たりにします。そして高卒が決して珍しくないということに気がつきました。実際、求人票を見ても学歴よりも実務経験が必要とされていると感じます。
- ではどういう進路を取ればよかったか?
今、3年前に戻れるなら大学受験はしなかったでしょう。私は受験のために1年浪人しているので、お金だけでなく若い頃の1年を無駄にしたという感覚があります。学費を用意することが難しい人にとっては、働きながら通信制や夜間に通うのが最適解だったのではないかと今思い返しています。
4. 最後に
どんな形であろうと借金は精神的にとてもしんどい。