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Claude 4とGemini 2.5 Proを使い倒して見えた“リアルな差”と最適活用法

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はじめに

2025年5月にAnthropic社がリリースしたモデル「Claude 4」は、リリース直後からAIエンジニアや現場の開発者たちの間で大きな話題となっています。
本記事では、Claude 4ファミリー(Opus 4・Sonnet 4)の特徴や強みはもちろん、実際に仕事や学習の現場で使い込んで分かった“意外な課題”や“もっと便利に活用するためのコツ”まで、筆者自身の体験をもとにまとめています。

Claude 4のコーディング能力と主要LLMの性能比較

Claude 4ファミリー(Opus 4およびSonnet 4)は、主要な大規模言語モデル(GPTシリーズ、Gemini等)と比較して、実践的なコーディング能力においてトップクラスの評価を得ています。

  • SWE-bench Verified(実世界のソフトウェアエンジニアリング課題を用いたベンチマーク)では、Claude Opus 4が72.5%(高計算リソース設定時は79.4%)、Claude Sonnet 4が72.7%のスコアを記録。これは、GPT-4.1(54.6%)やGemini 2.5 Pro(63.2%または63.8%)を大きく上回る結果です(DataCamp, 2025年5月getbind Blog, 2025年5月23日)。
  • TerminalBench(CLIベースのコーディングタスク)においても、Opus 4は43.2%(高計算設定で50.0%)と非常に高いパフォーマンスを示しています。(DataCamp, 2025年5月

これらの結果から、Claude 4は現場のソフトウェア開発や高度なコーディングタスクにおいて、既存のLLMを凌駕する実用的な選択肢と言えます。

Claude 4の導入方法:開発環境での活用手順

Claude 4(Opus 4およびSonnet 4)は、以下の方法で利用可能です。

1. Claude.ai公式ウェブサイトからの利用

Anthropic社の公式サイト「Claude.ai」(公式サイト)では、ブラウザ上で直接Claude 4を利用できます。特別な設定や環境構築は不要で、Opus 4もこのWeb版で最も早く体験可能です。

2. AI対応IDEとの連携利用

主要なAI対応IDEでは、Claude 4(主にSonnet 4)との連携が進んでいます。例えば:

  • Cline:Visual Studio Code拡張として提供されており、APIキーを設定することでClaude 4の利用が可能です。
  • Cursor:設定画面からClaude 4(Sonnet/Opus等)を選択し、プロジェクトごとに使い分けることができます。現在、Claude 4利用時に割引キャンペーンも実施されています。
  • AugmentCode:VS CodeやJetBrains向けの拡張機能で、2024年5月から全ユーザーでClaude Sonnet 4が標準モデルとして自動適用されています。追加設定不要で、高度なコーディング支援がすぐに利用できます。
  • GitHub Copilot:Copilot ChatのモデルとしてClaude Sonnet 4が利用可能です。設定により他のモデル(GPT-4等)との切り替えも柔軟に対応しています。

Claude 4の実際の使用感とGemini 2.5 Proとの比較

筆者は現在、AIコーディング支援の現場で、Claude 4Gemini 2.5 Proという、現時点で最強クラスのコーディングAIを中心に実際の開発作業を進めています。

ここでは、それぞれのモデルを実務で使い込んでみて感じた特徴や違いについて、率直にまとめます。


1. 応答速度とコード生成のスピード

Gemini 2.5 Proは、応答やコード生成のスピードがとても速いのが大きな強みです。デバッグや短い反復作業の際は、Geminiの素早いレスポンスによって、作業効率がかなり上がります。一方で、Claude 4(Opus/Sonnet)はどうしても応答に時間がかかりがちで、特に長文プロンプトや複雑なタスクだとその差がより大きく感じられます。


2. コンテキスト長

Gemini 2.5 Proは最大1Mトークンのコンテキストウィンドウを持っているので、大規模なコードベースや大量の仕様書をそのまま読み込ませることができます。Claude 4は今のところ200Kトークンまでの対応で、長いコンテキストを扱うときには少し物足りなさを感じる場面もあります。公式には今後100万トークン対応を予定しているそうですが、現状はまだ未対応です。


3. コード生成品質

どちらのモデルも全体的なコード生成品質はかなり高い水準にあります。特にClaude 4は精度の高いコードを出す傾向が強いです。逆に、Gemini 2.5 Proはアルゴリズムや数学系のコーディング、UIやフロントエンドの開発で良いパフォーマンスを発揮します。

また、Claude 4は旧バージョン(3.7)に比べて出力の質が確実に上がっていますが、今も「必要以上のことまでやりすぎてしまう(発散・冗長化)」癖が残っています。実プロジェクトでは、生成コードを必ず見直し、人手で調整するか、プロンプトを工夫するのが安心です。


4. デバッグおよび問題解決能力

デバッグや問題解決の精度は、Claude 4がかなり優秀です。特に複雑なバグの特定や修正で、少ないやり取りでも本質を突いた提案を出してくれます。ただし、Claude 4は時々「一部だけ修正して終わる」ケースもあり、必ずしも全体を徹底的にチェックしてくれるとは限りません。Gemini 2.5 Proは、複雑なバグだとやや手こずる印象です。


5. 情報の新しさ・知識ベース

どちらのモデルも2025年1月時点までのデータでトレーニングされています。最新トレンドへの対応度は互角。IDE経由ならネット検索もできるので、実際の開発で困ることは少ないと思います。


6. バグや安定性について

現時点では、CursorとClaude 4の組み合わせで「複数行コードのフォーマットが崩れる」バグが報告されています。大規模なリファクタリング作業では注意が必要です。


Claude 4(Opus/Sonnet)とGemini 2.5 Pro:使用体験比較表

主観的な体験です!

比較項目 Claude 4(Opus/Sonnet) Gemini 2.5 Pro
応答・コード生成速度 普通(複雑なタスクほど遅い) 非常に高速・即応性が高い
コンテキストウィンドウ 現状200K(将来的に1M予定) 最大1M(Cursormax等で有効)
コード生成の品質 高水準、特に既存コード編集に強み アルゴリズム・UI生成等が強い
デバッグ・問題解決能力 高精度・少ない反復で解決可能 複雑なバグは苦戦する場合あり
情報の新しさ 2025年1月時点 2025年1月時点(05/06バージョン)
安定性・バグ 多行編集等でフォーマット崩れが発生(Cursorのみ) 目立った致命的バグは少ない
利用コスト Opusは高コスト/Sonnetは中程度 中程度
ツール・IDE連携 一部で安定性や認識の問題あり 一般的に安定、拡張性も高い

Claude 4活用上のTips・運用ノウハウ

1. 課金・プラン選択の工夫

今のところ、公式Web版でわざわざ課金しなくても全然OKです。実際、Claude 4はIDE連携(とくにCursorやAugmentCode)で使うのが一番コスパが良いんですよね。Cursor(月20ドルくらい)なら十分現実的だし、AugmentCodeも標準でSonnet 4が使えます。ただし、月50ドルはちょっと高いので、正直「本当に必要?」って用途で見極めるといいでしょう。

2. プロンプト設計・指示の明確化

Claude 4は、「指示がふわっとしてると部分的な修正だけで終わる」「肝心なところをスルーする」みたいなクセがあるんです。だから**「必ず全体を見直して修正して」とか「レビュー込みで全部チェックして」みたいに、できるだけ具体的なルールや作業指示をプロンプトでちゃんと伝える**のがコツ。こうするだけで、AIから返ってくる成果物の質がほんとに変わります。

3. Gemini 2.5 Proとの併用を推奨

Claude 4だけじゃなく、Gemini 2.5 Proも一緒に使うとすごく便利です。Geminiは1Mトークンまで長いコンテキストを扱えるから、「仕様書や要件、既存コードを丸ごと読み込んで構造化」したり、「自動でアーキテクチャ図を作る」といった大規模な整理が得意なんです。

まずGeminiで全体像を整理してから、Claudeで細かい編集や実装を詰める。こういう使い方をすると、チーム全体の開発スピードも質もぐっと上がると思いますね。

4. 技術の最新性担保と「外部連携」活用

あと、Claude 4の知識は2025年1月で止まっているので、「ちょっと内容が古いかも?」って時もあるんですよね。だから、「最新の公式ドキュメントも必ず参照して」とか、「ネット検索結果やcontext7(MCP)も一緒に確認して」ってプロンプトに書いておくと、より新しい情報をもとにした提案や判断を引き出しやすくなります。

Context7 MCP参考:
https://qiita.com/Dinn/items/27075b2e42a102c65de2

まとめ

Claude 4は確かに強力なAIコーディングアシスタントですが、「万能ツール」とまではいかないのが現状です。応答や編集の精度は非常に高いものの、速度やコンテキスト量、実際の運用上のクセには注意が必要です。

また、Gemini 2.5 Proなど他のモデルと組み合わせることで、それぞれの強みを活かしながら効率よく開発が進められるのも、今のAI時代ならではの利点でしょう。

筆者自身も、「Claude 4一本で完璧!」と割り切るのではなく、用途やタスクに応じてツールを使い分けることが、ストレスなくAIを活用するコツだと実感しています。

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