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【メモ】AWSクラウドロードショウ大阪 #事例紹介 まだリプレースで消耗してるの? 近畿大学全システムのクラウド完全移行化計画

基本情報

  • 関西最大級の総合大学
  • 最近国際学部を開設
    • (余談)KinkiがKinkyと間違われるので英語名Kindai Universityに改名
  • クラウドファウンディングやネット出願、人工知能型ERPなどITの導入には積極的
  • 40箇所ほどの拠点をWANで接続

リプレースへの嫌悪感

2007〜2013年でリプレースを39件
(アプリの改修などを除いた純粋なハードウェアリプレース)

  • 時間がかかる
  • 金がかかる
  • つまらない(ハードウェア買ってデータ移すなんて誰でもできるやん)
  • 喜ばれない(それどころかシステム止まったりしたら怒られる)
  • 経営陣からの無理解(そんなことに金と時間をかけてんじゃねぇとか言われる)

クラウド導入への背景

リプレースを楽にしたい
オンプレミスの仮装基盤によって集約化・可用性の向上は達成

しかし、結局オンプレなので6〜7年ほどでリプレースが必要
-> 2013年ごろからIaaSの事例が増える
-> ちょうどその頃にWeb,DNSの機関システムのリプレース計画
-> 2014年にSINETがAWSへの対応を発表

学内への説得

  • 可用性、構築スピード、スケールアウト .etc

そんなことよりコストとセキュリティが求められた。

当時の責任者がITに明るかったため、パフォーマンス面での心配はなかった模様

全業務システム その他の移行

  • 人事給与
  • 財務会計
  • 勤怠
  • 教務
  • ポータル
  • .etc....

すでに仮想化基盤には移行済み
教育系のシステムの移行は困難だったので業務系のシステムの移行を実施

情報を外部に出すための説得材料

  • コスト削減(HW, 運用, 残業代)
  • セキュリティ
  • パフォーマンス向上
  • ディザスターリカバリ

コスト削減

  • 業務委託
    • HW 障害対応
    • HW障害対応
    • Hyper Visorのメンテ
  • 職員の工数

イニシャルコストは大幅な削減
24時間365日動きっぱなしのシステムのため、ランニングは思ったほど下がらなかった

ID管理基盤

旧システムは2004年に導入、2008年に更改

  • キャンパスごとに管理が分散
  • バッチ処理が遅い

バッチ処理時間が最大3日 -> 1日
パスワード変更時間 20分 -> 即時

図書館システム

  • SIerとの交渉(図書館システムをクラウド化した実績がほぼない)
    • 図書館に限らず昔からあるシステム全般に言えること
  • 運用負荷削減(ハードウェアメンテからの解放)
  • 各キャンパスの図書館システムの統合
  • ネットワークの統合・最適化

あるキャンパスのシステムをAWSに移行しようとしたところ、他のキャンパスからも相乗りしたいという要望が出たため、まとめてAWSへ移行。
結果的にシステムの統合やネットワークの最適化も叶った。

展望(要望?)

  • AWSへ
    • 国内に別リージョンが欲しい
    • スナップショットを簡単にオンプレミスに残せたらさらに安心
    • 教育機関向けの料金体系があればなぁ...(24時間365日動かしているとあまり運用コストが減らない)
  • アプリ
    • クラウドネイティブなアプリケーション設計
    • マネージドサービスの活用(自前で作るより可用性高い)
    • 教育系システムのクラウド完全移行(DaaS:workspaceに期待)
  • XaaS(SaaS, PaaS, IaaS .etc...)の積極利用
    • いつでも新しい(より良い)サービスに柔軟な変更
  • リプレースから解放され、空いた時間で考えてること
    • Active Learning Room
    • BYOD(学生・教員が私物PCを授業に活用)
    • IoT, 機械学習, その他

個人的所感

序盤のリプレースへの嫌悪感のあたりの話は怨嗟に満ちていたが、話が進むにつれてだんだんと講演者の顔が生き生きしてきていたのが印象的であった。最後に語ってた展望のあたりとか本当に楽しそうだった。

基調講演にもあった「運用とかそういったことから解放されて、より本質的で面白いことをやろう」という話に説得力が感じられた次第である。

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