ECHONET LiteはHEMS機器の通信プロトコルです。
ECHONET Lite対応機器のデバッグ、動作確認で役立つツールをご紹介します。
今回は入手のし易さを考慮して「フリーで入手・使用できるツール」という縛りで3つ選んで、ご紹介します。
その① Wireshark、ECHONET-Lite-dissector
開発した機器が正しいパケットを出力しているか確認したいケースがあります。
その場合、ネットワーク上のパケットをキャプチャ、解析ツールが必要となります。
Wiresharkはそのような用途で使用できる超有名なツールです。超有名なツールであるため、Wireshark本体については、他の解説記事を参照してください。
ここではWiresharkに追加するECHONET Liteのプラグイン「ECHONET Lite dissector」をご紹介します。
入手、使用法は次のWebページを参照してください。
プラグイン導入前後で同じパケットを表示して比較してみます。
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プラグイン導入後
導入前は16進数の羅列で、パケットの解析も一苦労ですが、導入後はオブジェクトの種類(照明、エアコン等)、サービスコード(GETやSetC等)、データなどが解析済で表示されていて、非常に解析が捗ります。
その② SSNG for Node.js
ECHONET Lite対応機器の動作を確認するには、機器と通信するためのコントローラのソフトウェアが必要となります。SSNG for Node.jsは任意のECHONET Liteパケットを生成し送信することができます。また機器からの応答や通知のパケットを受信して表示します。
入手、使用方法は次のWebページを参照してください。
https://github.com/KAIT-HEMS/ssng-node
ツールの動作画面 (上記Webページから抜粋)
ソースコードが公開されているので、ちょっとした機能追加も行えます。
例えば、データの送受信をNode.jsのソケットに対応していないUSB接続のWi-SUNを使用する場合、送受信処理のコードを変更することでWi-SUNでECHONET Lite通信が行えます。
その③ EL Lighting など
その②でご紹介したSSNGは、16進数をダイレクトに入力したり、表示したりで、プロトコルに不慣れなECHONET Liteを使い始めたばかりの人には、使い方がイメージし難いかもしれません。リモコンのような感覚で、GUIを使用した照明やエアコン等を操作したい場合は次のツールがお薦めです。
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EL Lighting
https://apps.apple.com/jp/app/el-lighting/id1296697112 -
EL AirConditioner
https://apps.apple.com/jp/app/el-airconditioner/id1521183064 -
EL Blind
https://apps.apple.com/jp/app/el-blind/id1350662302
ここでは代表して照明機器を制御するEL Lightingのスクリーンショットを貼っておきます。(上記Webページからの抜粋)、他の機器は各ツールのWebページを参照してください。
最後に
腕に覚えのある人であれば、「その②SSNG」や「その③EL Lightingなど」のような通信相手となるツールは、自作するケースも考えられますが、細かなところで、通信プロトコル仕様の解釈の間違いがあるかもしれず危険です。
そのため、相互接続性を確認には、第三者のツールや機器を使用することは有効です。
ECHONET Liteを推進する団体「エコーネットコンソーシアム」では、会員が機器や技術を持ち寄って相互接続を確認し実装情報を共有できる場としてプラグフェストを開催しています。あなたの所属している企業がエコーネットコンソーシアムの会員の場合、このような催しを、ご利用してみてはいかがでしょうか。
プラグフェストの詳細は下記のURLを参照してください。
また、今回ご紹介したツールの個々の使用例は後日別途記事を書きたいと思っています。