はじめに
この記事は、DX化推進に取り組まれる際に
事前に検討すべき項目を経験談とともに記載した記事になります。
DX推進のお役に立てて頂けると幸いです。
業務効率化やDXに取り組む際には、事前に以下の点に対応できるような施策を準備しておくことをお勧めします。
- ロボット化(ツール化)の前提で業務フローのシンプル化(改善)が必須
- シンプル化のためには、属人化の排除は必須。業務をすべて可視化しておく
- 可視化した業務でトリガーが似ている業務のフローを集約し、シンプル化を実施
- 業務を集約・改善したうえで、複数人での業務対応を実行する
- 担当の複数人の知見が固まると同時に、ロボット化(ツール化)を検討する
- ロボット化で空いた時間になにをすべきか認識を合わせておくために、ミッションの設定を工夫する
上記は、以下の経験に基づく提案となりますのでご参考にされてください。
DXを始める
DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する!と専門の部署も立ち上がりました。
まず、初めにRPAロボットを導入してルーチン業務をロボットに任せてみようとなります。
✅ TODO
- 部門ごとに部門内担当者を選定します。
- 自部門のロボット半年で3件作成の目標を設定し、研修実施します。
そしていよいよ、自部門の業務のロボット化に着手していきます。
RPAロボットを作ってみる
<1>対象の業務の選定に入ります。
✅ TODO
①全体ヒアリング実施 ②優先順位設定 ③除外対象判定
④対象確定 ⑤結論と反省
①全体ヒアリング実施
担当者が 自部門のメンバーにロボット化したい業務ってありますか?
とヒアリング実施
出てきた業務は200件強…
何かが違うのでは?という思いを抱きながら、選定開始。
みていくと、年1回の業務から毎日5分の業務まですべてがロボット化希望にあげられている。
②優先順位設定
優先順位は、年次ベースで通算時間が一番かかっている業務から対応を検討していく。
必然的に毎日行う定型業務が上位に挙がってきます。
例:頻度:毎営業日、工数:2H
上から優先順位をつけて、業務フローを確認していきます。
③除外対象判定
提案してくださったメンバーと話をしながら、現在の業務フローで、できることできないことを確認していきます。
そうすると、前半をロボットで実施、中間を目検で確認する、後半をロボットで実施
のようなフロ―が出来上がったり
ある部分は、現実としてどうしても人じゃないとできないというステップ
あるいは、希望として、必ず目視で確認したいというステップ
が途中で入り込んでいたりします。
そういう理由もあり、対象の業務がどんどん除外され、数が小さくなっていきます。
④対象確定
そして、やっとロボットに任せる業務が決まります。
DB内にあるデータを使って、データとデータを突合して、NGな一覧とOKな一覧を吐き出すというチェック業務のみロボット化の対象となりました。
当時、データ突合のスキルがない一部担当者は、目検で対応し長時間残業をしていた為、毎営業日2Hの短縮ができるため、残業は少し少なくなるはずと信じて、RPAロボットでの対応に踏み切りました。
⑤結論と反省
対象がチェック業務のみという結果になった要因ですが、ロボット化の前に業務フローの標準化シンプル化の検討が必要だったのです。
しかし、業務フローをシンプル化するには、担当者のコンクリフト調整や業務手順の見直しなど課題は山積みです。
期限までには到底間に合わないため、シンプル化はスコープから外すという非常にもったいない結果となってしまいました。
<2>あれ?RPAが停滞しているぞ
結論からですが、ロボットを導入した結果、残業は減りませんでした。
要因ですが、具体的に空いた時間に何をするべきかのすり合わせが不足していたためにロボット化で空いた時間に、メンバー自身で他の業務をどんどん入れていく状況が生まれてしまいました。
<3>そうだ!業務改善だ
固定した定型業務を変更するには、かなりのパワーが必要になります。
いろんな思いが交錯しています。
担当しているメンバーの思い入れも強い
そもそもの可能性として、
担当者自身は、業務フローを変えたいなんて思っていない可能性もある
色々な思いがある中で、
ロボットを使おうとも、ACCESSやAIを使おうとも
ツールを利用しても、結局、決定(判断)できるのは人であり、
もっと正確に書くと、
会社が決定(判断)しなければならないことに何も変わりはないという認識を
メンバー全員でそろえることが重要かと思います。
参考文献
DX戦略とロードマップの立て方 – DXを実現して目指すべき姿とは?
https://ict-miraiz.com/how-to-create-a-dx-strategy-and-roadmap/