時と場合にもよるが、「エラー」よりも「エラーにならないバグ」のほうがたいてい怖い。例えば毎日ウェブからデータを取得して蓄積するロボットがあったとして、「ある日突然エラーになって止まりました」よりも「いつかはわからないですけどある日から間違った値を取得してました」のほうがリカバリーするのが難しい。
例として、以下のウェブサイトから毎日「日経225先物」の「高値」を取得して記録するロボットを作るとする。
「Ui Explorer」で画像の赤枠で囲まれた要素を選択すると、行番号・列番号を基にしたセレクターが設定される。この設定では行番号と列番号で要素を特定できるが、例えば新しい先物の種類が追加されて行が増えたり、列の順番が変わったりして表のレイアウトが変更されると、エラーにはならないものの、意図しない場所の値を取得してしまう可能性が高い。
こういったケースでは行番号・列番号よりも行名・列名を指定したほうがよいだろう。この設定であれば、表のレイアウトが多少変更されても意図した値を取得することができるし、表から「日経225先物」の行が消えた時はちゃんとエラーになる。
頻繁に更新されるウェブサイトでもなければ、行番号・列番号を残したままで行名・列名を追加したセレクターでもよいかもしれない。変更には弱くなるが、正確性は上がるだろう。
動作環境
UiPath Studio 2025.0.157