承認プロセスって意外にわかりづらい

はじめに

Salesforceの「承認プロセス」機能とは、業務上の申請業務を効率化するツールのことです。
勉強していく中で意外と理解しづらい点が多いと思ったため、その機能を簡潔にまとめていきます。

承認プロセスとは

「承認プロセス」とは、その名の通り、許可を取りたい人が申請を行い、許可権限を持つ承認者がその申請を承認する一連の流れのこと。
Salesforceを活用することで、一例として以下のことが可能。

• 交通費申請は経理部の担当者、有給休暇申請は部署内の上長に申請する。
• 承認完了や過去の承認記録を、レコード詳細画面上に一覧表示する。
• 承認や却下の際に自動で実行する追加アクション（項目自動更新、メール送信など）を設定する。

参照：Salesforce ヘルプ「承認プロセスの設定」

承認プロセス設定の流れ

事前の準備

承認プロセスを設定する前に、以下のことを準備する。

• 承認プロセスの対象となる標準・カスタムオブジェクトを作成する。併せて、承認プロセス上で使用したい項目（自動更新したい項目、承認プロセスの起動時の検索条件として使用したい項目など）を設定する。
• ユーザオブジェクトに対して、上記と同様に承認プロセス上で使用したい項目を設定する。
  • ユーザには、マネージャや代理承認者を設定することが可能であるが、実案件ではあまり使用されないイメージ。

承認プロセスの作成

以下の流れで、承認プロセスを設定していく。

1. 設定/承認プロセスを選択する。「承認プロセスを管理するオブジェクト」から対象とするオブジェクトを選択し、「承認プロセスを新規作成」を押下する。
   • このとき、「ジャンプスタートウィザード」か「標準ウィザード」の2種類の設定方法があるが、2つの設定方法にそこまで大きさ差異がない。「標準ウィザード」のほうがより複雑な設定が可能。
2. Salesforceの画面を通じて、以下を設定していく。
   ここでは、一つの承認プロセス全体の設定をまとめていく。
   • プロセス名と一意の名前
   • 承認プロセスの開始条件（現在のユーザ、該当オブジェクトの項目を検索条件とする）
   • 割り当て先として使用するユーザ項目、編集権限のプロパティ
   • 承認申請が割り当てられたことを承認者に通知するメールテンプレート
   • 承認者が実際に申請を承認・却下するページに表示する項目
   • 承認申請を実行できるユーザ
3. 承認ステップを追加する。
   前項で作成した承認プロセス詳細画面に対して、承認ステップを追加していく。実務に沿って、承認申請を複数のステップを通じて設定していく。
   具体的には以下を設定する。
   • プロセス名、一意の名前、順番
   • 承認ステップの割り当て先（手動で選択、キューに割り当てる、自動で割り当てるなど）
   • 各承認ステップの「承認時のアクション」と「却下時のアクション」
     • 各アクションはメールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージから設定できる。
4. 最終承認時、最終却下時、取り消し時のアクションを設定する。
   • 各アクションの定義は下記の通り。
     • 最終承認：レコードが必要な承認をすべて受けた後に実行。
       • たとえば、最終承認時のアクションにより、レコードの状況を「承認済み」に変更したり、メール通知を送信したりすることができる。
     • 最終却下：レコードが承認プロセスから完全に却下されたときに実行。
       • たとえば、最終却下時のアクションにより、レコードの状況を「却下済み」に変更したり、メール通知を送信したり、レコードのロックを解除したりすることができる。
     • 取り消し：送信された承認申請が取り消された場合に、取り消しアクションが実行。
       • たとえば、取り消しアクションにより、レコードの状況が「処理中」から「未申請」に変更される。
5. 承認プロセスを有効化する。
   最後に、設定画面上から承認プロセスを「有効化」する。必要に応じて、「承認履歴」コンポーネントをレコード詳細画面上に表示する。