2023 Dataiku主催のIDC InfoBrief "Create More Business Value From Your Organizational Data" によると、「AIの導入は急速に拡大しているが、プロジェクトの失敗率はいまだ高い。世界中の組織は、成功阻害要因に対応したビジョンを考え、AIの力を引き出し、デジタル時代を生き抜かなくてはならない。」というコメントがありました。
→ なぜAIプロジェクトは失敗するのか?インタラクティブ・マイクロサイトを見る
アナリティクスやAIプロジェクトの失敗を活かすために覚えておくべきことは、ビジネスチームと技術チームの両方にAIプロジェクトを失敗させる様々な理由が存在しています。特定の何かが繰り返し悪さをしているわけではありません。上のリンクでは、AIプロジェクトのライフサイクルで最もよくある失敗理由を視覚的に表示し、データ、分析、ITリーダーがDataikuでどのように素早く対処できるかの解決策を共有しています。
一方、この記事では、AIプロジェクトの失敗を助長する最もよくある組織的な理由(およびそれを克服するためのヒント)を取り上げます。
AI人材の不足(人)
AIの拡大を阻む大きな2つの課題は、アナリティクスとAIスキルを持つ人材の採用と、優れたビジネスケースの特定です。何百人、何千人ものデータサイエンティストを雇うことは現実的ではなく、AIとビジネスの両方のスキルを持つ人材は、ユニコーンと呼ばれるほど希少です。
この2つの課題を同時に解決するために、組織は「ユニコーン人材を採用するのではなく、ユニコーンチームを作る」べきです。つまり、データとビジネスの両方の専門家で構成されるチームを作り、同時に運用モデルの進化(これは同時にAIの成熟度を高めることになる)を長期的に目指すべきです。ハーバード・ビジネス・レビューによると、[AIの拡大に成功した企業の85%]は、複数の分野にまたがるチームで構成していたとのことです。
💡 IDCからのアドバイス:ナレッジワーカー(知識によって付加価値を生み出す労働者)やビジネスの専門家と一緒に、データサイエンティストの役割を考えましょう。ナレッジワーカーが、価値実現までの時間を加速させることができるでしょう。
AIガバナンスと監視の欠如(プロセス)
AIチームが恐れているのは、AIの予算が減らされたり完全にカットされたりすることです。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?機械学習モデルの構築とテストに時間を取られてしまい、結局本番稼動に至らず、実際に目に見えるビジネスの価値(例えば、儲かった、節約できた、今日できなかった新しいプロセスを確立できたなど)を生み出せないないからです。
良い情報としては、 AIガバナンスの戦略の確立(MLOpsのような運用要素とResponsible AIのような価値ベースの要素を含みます)など、アナリティクスとAIチームがAIの取り組みを安全に合理化して、拡大するために実施できる戦略とベストプラクティスがあります。
一方、悪い情報もあります。多くの場合、展開する前にプロセスを設定していません(これは多くの複合的な問題を引き起こす可能性があります)。ビジネスの価値を生み出すプロジェクトを推進しつつ、うまくいかないプロジェクトを廃止する方法がありません。
AIガバナンスは、リスクを考慮した価値提供と、AIを拡張するための効率化を対象として、規制との整合性を保ちながら、エンドツーエンドのモデル管理を提供します。AIチームは、POC、セルフサービスのデータ活用、ビジネスに組み込んだ活用段階に分けて考え、それぞれのガバナンスを検討する必要があります。試しに使うためのスペースは必要ですが、セルフサービスのプロジェクトやPOCが、ビジネスに組み込まれて運用されるソリューションになるための資金、テスト、保証を得るべきかを明確に決めておく必要があります。
💡IDC からのアドバイス:データのプライバシー、決定権、説明責任、透明性に関する明確な方針を確立すること。IT部門とビジネス部門、コンプライアンス部門が共同で、先を見越した継続的なリスク管理とガバナンスを実施すること。
プラットフォーム・マインドセットを取らない(テクノロジー)
AIを大規模に活用するために、どのように適切なテクノロジーとプロセスを特定できるのでしょうか。
Dataikuのようなエンドツーエンドのプラットフォームは、アナリティクスとAIプロジェクトのライフサイクルの各段階に一貫性をもたらし、一貫した見た目、使い心地、およびアプローチを提供します。
最新のAIプラットフォーム戦略を構築する際には、データ準備から本番での機械学習モデルのモニタリングまで、すべてをカバーするオールインワン・プラットフォームの価値を考慮することが重要です。逆に、ライフサイクルのさまざまな領域で、コンポーネントごとに個別のツールを購入することは大変です(下図)。
AIプログラムを通して長期的に文化を変革するには、最初からIT部門が関与していることが重要です。ITマネージャーは、様々な技術を効果的かつ円滑に展開するためには不可欠で、適切なガバナンスとコントロールとバランスのとれたデータへのアクセス文化を浸透させるために重要な存在となります。
💡IDCからのアドバイス:個別の事象に対応するための個別のソリューションを導入するのではなく、一貫した体験となる標準化可能なプラットフォームを採用するべき。
先を見据えて
アナリティクスとAIの取り組みを拡大するには、かなりの時間とリソースが必要なため、失敗は避けたいです。しかし同時に、素早く失敗してそこで得た学びを活かせるのであれば、その健全な失敗には価値があります。AIチームは、スキルアップと教育に注力し(つまり、ビジネス担当者をどんどん巻き込む)、AIツールやテクノロジーを民主化し、責任あるAIを導入するため、適切な仕組みを取り入れることが必要です。
AIプロジェクトの失敗に対処するためにさらに進む
AIプロジェクトが失敗する理由としてよく挙げられる、技術的な理由とビジネス的な理由に関する詳細(およびそれら両方についてDataikuがどのように支援できるか)、こちらのサイトをご参照ください。
原文:3 of the Most Common Reasons for Analytics & AI Project Failure