情報およびデータ管理の概念と実践を推進するグローバル組織のDamaによると、「データガバナンスとは、データ資産の管理に対する権限と統制(計画、監視、実行)の行使と定義をしています (Henderson & Earley, 2017)。」
データガバナンスの目的は、データ活用の方針やベストプラクティスに従って、データを適切に管理することです。
もちろん、データガバナンスは新しい概念ではありませんが、多くの企業では、顧客やサプライヤー、社内ツールなど日々増え続けるデータ(ある説によると、2025年には世界で1日当たり463エクサバイトのデータが生成されると想定されている)を扱い、データプライバシーに関する法律や規制が拡大する中、ベストプラクティスとデータガバナンスのフレームワークを構築することがこれまで以上に重要になってきています。
なぜデータガバナンスが重要なのか?
現代の企業が抱えるニーズを把握する上で、適切なデータガバナンスの構築は必要不可欠です。データガバナンスの実践が不十分な場合、コストが増大する可能性があります。
データが適切に保管または分類されていない場合、企業はCCPA、HIPAA、GDPRなどのデータプライバシー規制に抵触し、高額な罰金や評判への悪影響につながる可能性が高くなります。反対に、データの定義がツール間で異なる場合など、データ品質の問題は、BIやデータサイエンスの活用に不正確な結果を導き、ゆえにビジネスが間違った戦略的事業に集中して取り組んでしまう可能性が出てきます。
最終的に、優れたデータガバナンス戦略を立てることは、データのサイロ化をなくし、組織全体が高品質で関連性の高いデータにアクセスできるようにすることを目的とし、安全で統制の取れた方法で実施されます。組織は、優れたデータガバナンスのフレームワーク構築と戦略によって、優れた顧客成果や業務効率化を実現することが可能となるのです。
データガバナンスとAIガバナンスの比較
データガバナンスもAIガバナンスも、正しいフレームワークとベストプラクティスを全社的に実施するという目標は同じですが、AIガバナンスは、データ品質やMLモデルのメンテナンスに関わる技術的な問題から、AIイニシアティブの拡大に伴う全体的な非効率性、不透明性、リスクまで、AIのスケーリングにも取り組んでいます。最終的に、優れたデータガバナンスは優れたAIガバナンスにつながり、その逆も同様となります。
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データガバナンスとデータマネジメントの比較
データガバナンスは、データマネージメントという包括的な概念の重要な一部分と考えることができまます。
データマネージメントの一部として、データガバナンスは、データの安全性、モデル化、クリーニング、タグ付け、分類方法などの考えを扱います。
一方、データマネージメントは、データの取り込みから、保存、マイニング、アーカイブなど、より広範なトピックを扱います。
データガバナンスのベストプラクティスとは?
強力なデータガバナンスのフレームワークを確立することは長旅のように、
時折、全体的な目標と明確な整合性が取れているかどうか再評価する必要があります。
ここでは、お客様や業界関係者から聞いた一般的なベストプラクティスをご紹介します。
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成功の測定方法を理解し、目標の定義にビジネスを参加させる:
優れたデータガバナンス戦略には、長期的な進捗を測定するための明確な指標とKPIが必要です。また、ビジネスリーダーも、組織の整合性と方針を徹底するために、目標の定義に関わる必要があります。 -
データのライフサイクルにおける明確な役割とアカウンタビリティチームを定義する :
データは静的なものではありません。多岐にわたる目的のために、さまざまなユーザーによって変換、クレンジング、削除などが行われます。このため、ライフサイクル全体を通じて監査証跡とデータリネージを構築し、データを扱うすべてのユーザーに対して、適切な担当者が説明責任を果たせるようにする必要があります。 -
データ制限に過剰な修正を加えないこと :
データへのアクセスを高度に制限することは魅力的に見えますが、データへのアクセスにボトルネックが生じると、経営のスピードが大幅に低下し、プロジェクトの失敗や競合他社に遅れをとるなどという新しい類いの業務リスクが発生する可能性があります。
新たなポリシーによる制限を設ける前に、データがどのように活用されているのか、どのレベルでアクセスを制限すべきなのか、ビジネスの現場から情報を収集した上で決定することが大切です。
Dataikuとデータガバナンス
データガバナンスの世界では、データのカタログ化からポリシー管理、脅威の検知に至るまで、データライフサイクルのさまざまな場面で利用できるツールが数多く存在します。
Dataikuは、データガバナンスの技術スタックと簡単に統合できるように設計されており、既存の戦略を変えることなく、データ準備からモデルのデプロイまで、Dataikuの統一された分析およびAIプラットフォームの機能を活用することができます。例えば、APIやプラグインを通じて、メタデータ管理やカタログ作成ツールに簡単に接続することができます。
また、Dataikuは、データ保護、プライバシー、コンプライアンスに対応するための機能をプラットフォーム内に兼ね備えています。さらに、データ品質に対処するために、Dataikuのビジュアルフローは、データ元から最終的なデータ製品を作るまでのデータの過程を視覚化させ、ビジュアルレシピは、迅速なデータのクレンジングから重複データの排除、およびデータ変換を可能とします。
Dataikuは、データガバナンスのベストプラクティスを、お客様が適切と考えるソリューションと組み合わせることで、簡単に実施できるように手助けします。
Dataikuについてもっと知りたいですか?
あらゆる業界やユースケースにおいて、どのように成功に導いているのか?
ぜひ、こちらのデモをご視聴ください。