このブログで紹介するソリューション「RFM分析と顧客生涯価値の予測」の日本語バージョンは以下のリンクから参照・ダウンロードいただけます。
あるワインショップに3人が同時に入店したとします。1人目は週に1本買いに来る人、2人目は初めて入店した人、3人目はごくまれに入店するが、大体は数箱のワインを同時に購入する人。ここで質問です。店員はどのお客を先に接客するべきでしょうか?これは単なる困らすための謎掛けではなく、実際の小売業者なら必ず遭遇する状況です。
最低限の顧客データがなくては、賢明な判断はできません。入店した3人が特定できなければ、優先順位を決めることはできません。そこで、第1ステップでは、すでに顧客になっている人を特定することになります。第2ステップでは必然的に、すでに顧客になっている人たちを接客することになります。というのも、Forbesによると、新規顧客の獲得には既存顧客の維持よりも5倍以上のコストがかかるとされています。
どの顧客を最初にターゲットにするかを徹底的に考えるなら、顧客生涯価値(CLV)を計算するのが良い方法です。CLVの目的は、最も価値のある顧客は誰か、その顧客が将来使う可能性のある金額はいくらか、そしてその顧客とどのように関わるべきかを明らかにすることにあります。Bain & Companyによると、CLVをサポートする戦略によって、小売業者は売上を最大30%増加させることができるとのことです。Dataikuは、マーケティング戦略におけるCLVの導入を促進する新しいソリューションをリリースしました。詳しく見ていきましょう。
RFMで強化する顧客生涯価値
DataikuのCLVのアプローチは、Recency(リーセンシー)、Frequency(購入頻度)、Monetary Value(購入金額)の3つの要素の頭文字をとった、RFM手法を活用しています。顧客が最後に何かを購入したのはいつなのか?購入の頻度はどの程度か?その顧客は普段いくら使っているのか?これらの指標は、バランスのとれたセグメンテーションモデルを構築するのに役立ちます。
さらに、CLVスコアの算出には、顧客の購買履歴も使います。そして、このスコアは、さまざまな方法で使用することができます。例えば、マーケティングアナリストは、どの顧客に投資してプロモーションを行うべきかを把握するために、このスコアを利用することができます。また、CRMアナリストは特定の顧客セグメントにパーソナライズされたオファーを提示することで、CRMの予算と戦略を最適化することができます。
このソリューションで何ができるかを見てみましょう。まず、インダストリーソリューションとは何かについて、改めてご紹介します。
Dataikuのインダストリーソリューションが、あなたのポテンシャルを最大限に発揮するのにどう役立つか
インダストリーソリューションはDataikuのアドオンで、組織における先進的または基本的なユースケースの実装を加速させるものです。これらを活用することで、より短期間でAIからビジネス価値を得ることができます。ソリューションはDataikuのコア機能を活用しており、完全にカスタマイズ可能で、組織のニーズに応じて編集もできるように構築されています。
ソリューションには以下の内容も含まれています。
- 特定のビジネス要件に合わせて微調整を可能にするユーザーフレンドリーなインターフェイス
- カスタマイズ可能ですぐに使えるダッシュボード
- ドキュメントとトレーニング資料
Dataikuの各業界のスペシャリストが、各業種に対応したソリューションを開発しています。
- 小売・CPG: 流通空間フットプリント、マーケットバスケット分析、RFM分析と顧客生涯価値の予測、製品レコメンデーション
- 金融サービス・保険: ESGのためのドキュメントインテリジェンス、最新の保険価格設定、AMLアラートのトリアージ
- 製薬・ライフサイエンス: オムニチャネルマーケティング、薬剤再利用の促進
- 製造業とエネルギー: 予知保全、異常値検出
※現在英語のソリューションについても随時日本語に翻訳予定です。
その結果、ビジネス担当者はAIの生産性向上を実感し、リソースの合理化を図ることができます。
実際はどのように機能するのか
RFM分析と顧客生涯価値の予測ソリューションは、再利用可能なプロジェクトワイヤーフレームを提供し、お客様のデータとビジネス構造に合わせた分析の開発を加速させます。
このソリューションを利用し、マーケティングアナリスト、CRMスペシャリスト、アクイジションマネージャー、マーケティングディレクターは以下の情報を利用できます。
- エンドツーエンドのパイプライン
- CLVを予測する確率的・機械学習モデル
- 即使用可能なダッシュボードでインサイトを活用
ユーザーの視点から見ると、このソリューションは以下のような使いやすいコンポーネントで構成されています。
1. データソースの取り込みとCLVスコアの計算
フローのこの部分では、データソース(取引履歴)を前処理した後、既存顧客の現在のCLVを算出します。
2. RFMスコアの算出
このステップでは、各顧客のスコアを個別に計算し、その3つのスコアの和をとり、最終的なRFMスコアを算出します。
3. マーケティング活動の頻度による顧客のセグメント化
ビジュアルマトリックスを用いて、顧客のマーケティング頻度に応じて10セグメントを構築します。
4. 将来のCLVに基づく顧客の階層化:高、中、低
5. 顧客の将来のCLVを異なる次元で予測する
このステップでは、様々なアプローチで顧客のCLVを予測することに焦点を当てます。すべてのアプローチを比較し、最もニーズにマッチしたものを選択することが可能です。
6. 予測CLVが最も高く、最も頻繁に購入されている商品を探す
このステップでは、販売商品のデータを活用し、予測CLVが最も高く、最も頻繁に購入された商品を組み合わせることができます。
以下の簡単な要件を満たすことで、RFMを活用したCLVシステムの導入を開始できます。
- 取引の履歴データ
- Dataikuバージョン: 9.0以降
原文:How to Identify High-Potential Customers With Customer Lifetime Value