モデルを構築する前に手元のデータを探索することは、理想的なプラクティスであるだけでなく、データサイエンスのライフサイクルの重要なフェーズです。データセットを最初から徹底的に包括的に理解することは、正確な分析と洞察を確実に行うために不可欠です。
データ準備プロセスの一部であるこの最初のデータ精査では、クレンジングが必要な箇所を明らかにし、データセットからビジネスインサイトを収集するなど、次のステップのための重要な基礎を設定します。
探索的データ分析の重要性
探索的データ分析(EDA:Exploratory Data Analysis)とは、データセット内のパターンや特徴を明らかにし、問題を特定し、データに関する疑問について仮説を立て、発見したことを分析で実証することです。
探索的データ分析を理解する最良の方法は、それがなぜ必要なのかについて見てみることです。探索的データ解析の主な目的の1つは、機械学習モデルに入力するデータを正確で一貫性があるものにすることで妥当で偏りのない結果へとつながるように、早期に問題を特定することです。
探索的データ分析は、機械学習モデルにとって非常に重要です。モデル学習やデプロイメントの前にデータ品質を改善するために、データ内の影響をピックアップしなくてはなりません。データ品質は、モデルの精度と頑健性(ロバストネス)に直接影響することを忘れないでください。
データ準備の段階で効率的かつ反復可能な探索的分析を導入することで、アナリストはデータライフサイクルの時間のかかる反復的なコンポーネントを高速化し、将来のモデルに活用できるようになります。これにより、より詳細で目標に特化した分析のための時間が確保され、ひいてはより効率的な意思決定プロセスを推進することができます。
問題の軽減と透明性の確保
一般に、データ準備の重要な原則は「ガベージイン、ガベージアウト」です。もしデータに欠陥がある状態で機械学習プロセスに入ると、欠陥のある結果やアルゴリズム、さらに悪いことに、欠陥のあるビジネス上の意思決定を生み出すことになります。この段階でデータの分析、探索、クリーニングに十分な時間をかけることは、より良い結果をもたらすことを意味するだけでなく、組織が深刻な問題(例えば、偏ったモデルやその他の問題のあるモデルにつながりやすい本質的に偏ったデータや問題のあるデータの使用)を回避するのにも役立ちます。
また、フロントエンドでデータを探索する体系的な方法を持つことで、リスクが生じやすいセンシティブな領域をピンポイントで特定することが容易になります。アナリストは(データサイエンティストも)、説明可能かどうかを常にチェックする必要があります。最初にデータを確認することで、データプロセス全体を通して透明性を確保することが可能になります。
基本的に、探索的データ分析と適切なデータ準備なしには、組織は効果的に意思決定を行い、重要なビジネスニーズを満たし、競争力を保つことはできません。データセット内の重要なパターンや特徴を発見し、データの可視化分析や統計的モデリング(データマイニング)を通じて、定義した問題についての仮説を立てるなど、探索的データ分析の主要な部分は、サイロ化されたプロジェクトとは限りません。
Dataikuのような共同プラットフォームを使えば、非コーディング担当者はビジュアルツールを使ってデータを精査・変換し、モデルを構築する技術チームと簡単にインサイトを共有することができます。集中型プラットフォームによって、とくに重要な探索的データ分析を含むプロセスの各段階に簡単にアクセスでき、メンバー間で共有できます。
データ準備を実践する
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