景気動向の高低に関わらず、ビジネスを推進に適したエンタープライズAI戦略を構築するには、戦略の転換や環境の変化に瞬時に対応すること、そのために、運用中のAIモデルを監視するシステムや、新しいAIモデルの導入、テスト、トレーニング、導入を迅速に行えることが重要です。それが MLOpsです。
→ こちらより、O'Reillyの” Introducing MLOps”(英語)を無料ダウンロードいただけます。
MLOpsとは?
モデルベースの機械学習とAIは、あらゆる大企業で急速にテクノロジーのメインストリームになってきています。そのベネフィットを最大限に享受するためには、モデルを本番環境に投入する必要がありますが、それを大規模に行うには新たな課題があります。機械学習モデルを本番環境で管理する上での基本的な課題は異なり、既存のDevOpsやDataOpsの専門知識だけでは十分ではありません。
そこで、機械学習のライフサイクル管理を標準化・効率化するMLOpsの出番となるわけです。これは、単にDevOpsのプラクティスを機械学習に適用するというだけではありません。実際には、機械学習のライフサイクルを大規模に管理することが困難である理由は3つあります。
- **多くのことが依存しあっています。**すなわち、データが常に変化しているだけでなく、ビジネスニーズも変化しています。
- **全員が同じ言語を話すわけではありません。**機械学習のライフサイクルには、ビジネスチーム、データサイエンスチーム、ITチームが関わっていますが、これらのグループが同じツールを使用しているわけではありませんし、そして多くの場合、同じ基本的なスキルを共有しているわけでもありません。
- **(ほとんどの)データサイエンティストはソフトウェアエンジニアではありません。**多くのデータサイエンティストは、モデルの構築と評価を専門としており、必ずしもアプリケーションを作成する専門家ではありません。
MLOpsを構築するためのケイパビリティー
堅牢な機械学習モデル管理プログラムは、以下のような質問に答えることを目的としています。:
- 本番用の機械学習モデルのパフォーマンスとメンテナンスに責任を持つのは誰か?
- 機械学習モデルは、モデルドリフト(モデルの性能低下)を考慮して、どのように更新されているのか、リフレッシュされているのか?
- モデルを開発・選択する際に、どのようなパフォーマンス指標を測定しているか、また、どの程度のパフォーマンスであれば、ビジネス部門に受け入れられるか?
- モデルの劣化や、予期せぬ異常データや予測を検出するために、モデルはどのように長期的にモニタリングされているか?
- モデルはどのように監査されているか、また、モデルを開発しているチーム以外の人にも説明できるか?
これらの質問は、機械学習モデルのライフサイクルの範囲にわたっており、その回答にはデータサイエンティストだけでなく、企業全体の人々が関わっています。すなわち、MLOpsが1つのチームや部門に限定されるものではないことを示しています。これらの質問に答えることは、任意のエクササイズではありません。データサイエンスと機械学習を企業レベルで効率的に拡大するだけでなく、ビジネスを危険にさらさない方法で行わなければなりません。
適切なMLOpsプラクティスを実施せずにデータサイエンスを展開しようとするチームは、とくに今日の予測不可能で前例のない、絶え間なく変化する環境においては、モデルの品質と継続性の問題に直面することになります。また、品質の低さよりも、MLOpsを実施していないチームは、ビジネスに実際に悪影響を与えるモデルを導入するリスクがあります(例:企業にネガティブな影響を与えるような偏った予測をするモデルなど)。
MLOpsについて、詳細はこちら
MLOpsがもたらす課題、関係する人々、成功に必要な要素を包括的に理解するために、オライリーの最新のeBook「Introducing MLOps」を無料でダウンロードいただけます。
O'Reilly” Introducing MLOps”(英語)の無料ダウンロードはこちら
原文: What is MLOps?