ソーシャルメディア、Eメール、ショートメール、オフラインなどでのコミュニケーションはもちろん、顧客がWebサイトで目にするものをパーソナライズすることでも、顧客のショッピング体験を向上させることができます。それは、顧客の潜在的なニーズによってフィルタリングやソートされた製品であったり、店舗でのチェックアウト時に表示されるおすすめ商品であったりします。このようなカスタマージャーニーのパーソナライゼーションは、どのように実装すればよいのでしょうか。それは、お客様を知るということです。
eコマースでは、顧客の購買習慣に関する多くの情報を取得する機会があります。個人レベルでは、いつWebサイトを訪れたか、最後に購入したのはいつか、普段どのようなカテゴリーの商品を購入しているかなど、さまざまな行動履歴を把握することが可能です。何万人、何十万人という大量のお客様になってくると、厳密な個別パーソナライゼーションは非常に困難になってきます。顧客一人ひとりに合わせたマーケティング戦略や販売戦略を立てることは不可能だからです。そのために、小売業は顧客セグメンテーションを行います。これは、顧客の類似した行動によるさまざまなセグメントを顧客群の中から見出すことで、アクションを合理化しようとする最良の方法です。では、どのようなセグメンテーションがあるのでしょうか。
どのように顧客群を切り分ければよいのか?
セグメンテーション・モデルのベースとなる基準は無限にあり、行動に関する情報が蓄積されればされるほど、より具体的なセグメンテーションが可能になります。最も重要なことは、そのモデルによって将来どのようなアクションを取りたいか、に応じて基準を選択することです。例えば、性別や年齢などの人口統計学に基づくセグメンテーション・モデルは、適切な人々をターゲットとするマーケティングを方向付けるのに役立ちます。それ以外にも、顧客のステータス、購買行動、あるいは心理学的要素(信条や性格特性など)などの基準もあるでしょう。
どのようなマーケティング戦略をとるかを検討する際に、小売業者が関心を持つのは売上の潜在性です。ここで言う顧客とは、購買意欲が旺盛で再び購入する可能性が高い顧客なのか、それとも購入頻度が少なくなり、買い物かごの合計金額も小さくなっていく顧客なのか?ということです。この2つの異なるセグメントには、全く異なるマーケティング・インセンティブが必要かもしれません。これこそ、RFMセグメンテーションが最も得意とするところであり、最も価値のある顧客を特定することでです。このセグメンテーションの方法を掘り下げてみましょう。
まずは、この頭文字を見てみましょう。
- R:Recency - 顧客が最後に何かを購入したのはいつか?
- F:Frequency - そのお客様が購入された総件数は何件か?
- M:Monetary - 平均購入金額はいくらか?
このようなセグメンテーションは、デジタルマーケティング担当者が「誰が顧客群を構成しているのか」という多くの疑問に答えるのに役立ちます。最も多く消費する顧客は誰か?最もロイヤルティの高い顧客は誰か?離れていきそうな顧客は誰か?これらの問いに答えることは、後に顧客群を効率的に活性化するのに役立ちます。
ここでは、購買行動という側面からのみ顧客を分類します。すなわち、顧客の購買履歴に基づき分類を行い、デモグラフィックのような他の基準を無視します。もちろん、他の基準を加えることも可能です(つまり、「HVC」、すなわち高価値顧客の行動を研究することが目的である場合)。
RFMセグメンテーションはデジタルマーケターやカスタマーグロース部門でよく利用されるもので、顧客行動を理解するための基礎的なステップとなります。このため、Dataikuのビジネス・ソリューション・チームは、顧客セグメンテーションのためのプリパッケージ・プロジェクトを始めるあたり、そのためのモデル開発に焦点を当てました。このソリューションの具体的な内容を見ていきましょう。その前に、『ビジネス・ソリューション』とは何かということを思い出してください。
Dataikuのビジネスソリューションは、あなたの可能性を最大限に引き出すためにどのように役立つのでしょうか?
『ビジネスソリューション』は、Dataikuのアドオンで、お客様の組織内で先進的または基本的な業界固有のユースケースの実現を加速することができます。これらは、現実のビジネス価値を達成するための運用上の近道です。Dataikuのコア機能を活用し、カスタマイズや編集ができるように構築されています。
ビジネスソリューションは次の要素も含まれています。
- 特定のビジネス要件に合わせた微調整が可能なユーザーフレンドリーなインターフェイス
- すぐに使えるカスタマイズ可能なダッシュボード
- ドキュメンテーションとトレーニング資料
Dataikuの業界スペシャリストが、あらゆる業種に対応したソリューションを開発しています。
- 小売・CPG: 流通フットプリント, マーケットバスケット分析, RFM-顧客生涯価値, 商品レコメンデーション
- 金融サービス: ESGのための対話型文書情報、最新の保険価格設定、AMLアラート分類
- 医療・製薬: オムニチャネルマーケティング、薬剤再利用の促進
- 製造業とエネルギー: 予知保全、異常値検出
その結果、ビジネスプロフェッショナルはAIの生産性向上を実感し、リソースの合理化を図ることができるのです。
実際にはどのように機能しますか?
RFMセグメンテーションソリューションは、再利用可能なプロジェクトのワイヤーフレームを提供し、お客様のデータとビジネス構造に合わせた分析の開発を加速します。
→DataikuのRFMによるセグメンテーションのソリューションについて詳細はこちらのビデオをご覧ください。
このソリューションにより、マーケティングアナリスト、CRMスペシャリスト、カスタマーグロースの専門家、またはマーケティングディレクターは、以下のことが可能になります。
- 消費者RFMを、任意の参照期間を用いてセグメンテーション・モデルで評価し、プロパゲーション(一定期間での進化)を見ることができます。
- セグメントの探索、アクティブ/非アクティブな顧客の発見など、各種テーブルで構成されるWebアプリケーションで結果を可視化します。
ユーザーの視点から、このソリューションは以下のような使いやすいコンポーネントで構成されています。
1. Dynamic Webappで結果を分析する
このソリューションの主な差別化要因は、ユーザーがセグメンテーションの結果について動的に情報にアクセスできるWebアプリケーションを提供していることです。
2. 過去と未来の期間を比較する
顧客があるセグメントから別のセグメントに遷移する様子を確認でき、顧客の進化を発見するのに有効です。
3. さまざまなRecency Scoreを調べる
セグメントの分布を把握することができます。頻度や購入金額についても、同じ分析が可能です。
4. 総収入を分析する
RFセグメントに応じて、顧客から得られる収益を調査できます。
このソリューションを利用するための要件は下記のようにシンプルです。ぜひ、製品の需要予測を開始ください。
- 過去のトランザクションに関する履歴データ
- Dataikuバージョン:9.0以降
ソリューションをお試しください!
事前構築済みのDataikuソリューションを簡単に調整することで、よりパーソナライズされたエンゲージメント戦略を開発するために
消費者を購買行動に応じてセグメント化できます。
→ソリューションの詳細はこちら
原文:Using RFM Segmentation to Personalize the Customer Journey