企業はデータサイエンスと機械学習を活用することで、時間の節約、より効率的なプロセス、コストの最適化といったことが可能になるだけでなく、現代の企業や変化する環境に対して十分に正確な結果を出すことが可能な、フルオートメーションのキャッシュフロー予測にも活用することができます。
→EBOOK「財務チームにおけるアナリティクスの推進」を読む
もし、手作業による予測よりも20%精度が高く、財務専門家の負担を80%軽減する自動のキャッシュフロー予測を開発できたとしたらどうでしょう?このブログの後半では、ある企業がそれを実現した方法を紹介します。
欧州企業財務担当者協会(EACT)が2020年3月に実施した調査によると、調査対象となった財務部門の半数以上が、今後12−24カ月間の最優先課題としてキャッシュフロー予測を挙げています。しかし、経済変動や混乱時の予測が不正確であるならば、それでもキャッシュフロー予測を行う必要があるのだろうかと疑問に思われるかもしれません。その答えは間違いなくイエスです。
実際の例
最近では、JTIがDataikuのコラボレーション可能なデータサイエンスおよび機械学習プラットフォーム上で取り組んだキャッシュフロー予測に関するデータサイエンスプロジェクトが、欧州企業財務担当者協会(EACT)から評価されました。
その方法は以下の通りです:
- まず、過去のデータと予測に基づいて初期モデルを作成そ、トラッキングのためのメトリクスとともに成功の基準をまとめました。この最初のスプリントでは、手動での予測と同じ精度で予測することができました。
- 次の第2スプリントでは、JTIチームは、企業が活動する各地域の失業率や国内総生産(GDP)などの外部の数値を追加しました。これらについて、相関関係の可能性が検討されました。
- 第3スプリントでは、生産拠点のアウトプットなどの内部要因も検証されましたが、予測の信頼性に大きな変化は見られませんでした。最終スプリントでは、JTIチームは予測モデルを最適化し、5つの異なるバリエーションを作成しました。そのうちの1つのモデルは、現在の数値だけでなく翌月の予測も考慮するため、変更に対して非常に柔軟であることが判明しました。
具体的な結果に関しては、自動化されたキャッシュフロー予測の精度は、手作業による予測よりも20%高いものになりました。予測を担当する財務専門家の作業量は80%減少し(月あたり320時間に相当)、1日の時間の中でより多くの時間を他の重要なプロジェクトに充てることができるようになりました。さらに、より正確な予測により、キャッシュフロー全体のより効率的な管理が可能になりました。Dataikuプラットフォームによって、ビジネスリーダーは、アナリストチームのメンバーが作成したキャッシュフロー予測を可視化することができ、潜在的なシナリオとともに、日常的なものからハイレベルで戦略的なビジネス目標に影響を与えるものまで、意思決定に役立つ情報を得ることができます。
財務業務の標準化をさらに進めるには
データやプロセスに溺れるのはもうやめませんか?このEBOOKは、財務チームが高度なアナリティクスプロセスを効率化できるよう支援します。