本ページのTableauを用いた出力結果を引用する場合は,引用元として本ページを明記ください
前回の記事ではPreattentive Attributesの外観についてご紹介しました.
今回の記事では,実際にPreattentive Attributesの効果を見ていきたいと思います.
Preattentive Attributesとは私たちの脳,より正確には空間記憶が,ビジュアルを見るときに無意識に処理する属性のことでした.
私たちの脳は見たり覚えたりするものについて非常に選択的です.
まずは,色を変えるとビジュアルを見るときの私たちの脳,より正確には空間記憶が変わるのかを見てみましょう.
図の引用には以下の文献を使用しています.
Healey CG, Enns JT. 2012. Attention and visual memory in visualization and computer graphics. IEEE Trans. Vis. Comput. Graph. 18:1170–88
これはPreattentive Attributesの中の色を変更した例です.
左側の図と右側の図を見て注視する箇所は変わりましたか?
例外を除き,全ての人間がYesと答えるでしょう.
ビジュアルを見るときの私たちの空間記憶が変わったことが分かります.
これはPreattentive Attributesの中の形状を変更した例です.
こちらも同様に左側の図と右側の図を見て注視する箇所は変わったでしょう.
挙げた例はPreattentive Attributesの色と形状です.
ただ,Preattentive Attributesには順位があり,実は色や形状は最も高い効果というわけではありません.
Preattentive Attributesは,位置>色>サイズ>形状の順で効果が大きいと言われています.
ここからはTableauのサンプルデータ「サンプル - スーパーストア」を使用して,Preattentive Attributesを変えた結果を出力し,都道府県別売上で効果の比較を行います.
以下が全出力結果です.
https://public.tableau.com/views/qiita_viz/sheet0?:language=ja-JP&publish=yes&:display_count=n&:origin=viz_share_link
リンク切れの場合は以下の画像をご確認ください.
形状よりはだいぶ分かりやすくなりました.
ただ,同じぐらいの規模の都道府県の比較がしづらいです.
サイズよりさらに分かりやすくなりました.
ただ,「売上規模はなんとなくこれぐらいなんだろうな」ぐらいしかまだ分かりません.
色よりも分かりやすくなりました.
都道府県間の差もある程度わかります.
以上,本記事で述べたように脳は見たり覚えたりするものについて非常に選択的です.
Preattentive Attributesの効果を有効に活用して,自らの意図を適切に伝えるビジュアル分析を行なっていきましょう.