2019年11月9日実施のJDLA主催 G検定を受け、合格しました。
(画像はJDLAから。ちなみにこちらに公式概要が載ってます。)
この試験を受けた感覚として、この試験を 大学2~3年生程度 が受験すると非常に良いのではないか?と思っています。これからAIを始めようとしている人には、これから登場する色んな意味で良い勉強になると思うからです。
正直、私が受けるに当たってネット検索すると、G検定=ググり力検定 という言葉が出てくることもあり、「それ本当に受ける意味あるの?」という感じもしましたが、今思えば受けてよかったと思います。
この記事では、
・G検定とは?
・G検定を受けるべき人とは?
・G検定当日までの勉強スタイルから当日の体験談まで
・合格後の特典
をまとめていきたいと思います。
G検定とは?
日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、JDLA Deep Learning for GENERAL (通称:G検定)です。
理事長が東大の松尾豊先生で、AIを中心とした日本の産業競争力の向上を目指すために設立されたJDLAは、AI人材を育てる取り組みとしてこのG検定とE資格という2つの検定試験を用意しています。
E資格はJDLA Deep Learning for ENGINEERの通称で、Deep Learningに関するコーディングや技術的な話を問います。
一方でG検定は、人工知能技術に関するより基礎的な内容、人工知能まわりの法律、人工知能の歴史、人工知能の現在の応用例など、業務で実際に使うために必要な知識を幅広く問うものです。
いずれも2017年に第1回が実施された、新しい検定試験です。
受験資格・受験料の話
- G検定
受験料:学生5000円 一般12000円
受験資格:特になし
- E資格
受験料:学生20000円 一般30000円 JDLA会員25000円
受験資格:JDLA認定プログラム修了者
本当ならば、E資格も受ける価値あると思います。
ただ、お金がめちゃくちゃかかるんです。
「JDLA認定プログラム」の受講料を調べてみるとこんな感じ。
Aidemy 58万円
SkillUp AI 25万円~30万円
AIJobColle 14万円
...すみません、学生なんでこんな値段出せません。
正直、社会人でも考える値段だと思います。
というわけで、私は「お手軽に」受けられるG検定を受けました。
試験データの話
2019#3のデータがこちらにありましたので、参照してみてください。今回は合格率70%のようです。比較的とりやすい資格ですね。
G検定を受けるべき人とは?
G検定の出題範囲は次の通りです。
(JDLAのサイトにも例題付きで載ってます)
- 人工知能(AI)とは
- 人工知能をめぐる動向
- 人工知能分野の問題
- 機械学習の具体的手法
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの手法
- ディープラーニングの研究分野
- ディープラーニングの応用に向けて
上3つがAI発展の歴史、真ん中4つが現在研究・実用化されているところ、一番下が法律整備や倫理などについてです。
また、数学の簡単な計算問題(偏微分/フィルタサイズetc)も出ます。
より詳しい中身はサイトを参照して欲しいのですが、自分が普段AIをやると言っても、画像なら画像、NLPならNLP、と専門分野に特化してしまうスタイルが多いわけで、俯瞰して業界全体を見渡すタイミングってあまりないと思います。
そこに1発、G検定。
自分がAI業界でどういう立ち位置で、他の分野はどんなことになっているのか、知ることができます。
「検定試験」と言うと、古いことばかり聞かれそうなイメージを持つかもしれませんが、リアルタイムに今年起きたこと/発表された事なんかも問われます。
と言うわけで、普段AIを触っている人にはまずオススメできます。
また、人工知能技術を社会人になって使いたい人にもオススメです。会社によっては、この試験を受験するのに助成金が出るらしいですが、法律や産業への応用に関する出題もありますので、自社にAIを導入したいけどAI人材が不足していて、自社開発どころか他社に依頼も怖くてできないよ...という会社では特にオススメです。なお、具体的なプログラミングは問われませんので、イチから自社開発したい会社様にはあまり向いていないかもです。
最後、一番のオススメはこれからAIを学習しようとしている人です。AIというと、これまでは魚本(ゼロから作るDeep Learning)が王道でした。確かに、なにやってるかはわかります。
でも、そもそも何故そんなことをやってるのか、ディープラーニングは何から始まって、どうして高性能と言われ、AlphaGOみたいなすごいのが出てきたのか、わかりません。
AlphaGOは突然出てきたわけではなく、これまでの色んな蓄積を経て出てきたわけです。
「人工知能」の誕生から、基礎的な内容、そして最新の技術に関してまで幅広く浅く学習するには、G検定、オススメです。そして実際に手を動かすときに、いろんな分野のいろんな知識を知った状態から始められるので、闇雲に始めるよりは、違った視点から物事を考えられると思います。
試験中にコーディングもありませんし、基礎的〜時事的な知識問題がほとんどですので、プログラミング苦手な人も、問題ありません。
プログラミング得意な人も、知識があれば、出て来るアイデアが増えますので、基礎知識は大事ですよね。
G検定は、勉強している過程が一番価値あるとよく言われますが、僕もそう思います。色々知れたことに価値をおいています。
###つまり...
内容の中にはビジネスに役立てるために守るべき法律とかもあるので、社会人の方がとるのもアリですが、これからAI業界/AI研究に挑む学生には非常にオススメです!
#ぼくのG検定対策
まず、「ぼく」がどんな人かに依存すると思うので「ぼく」の紹介をしておきます。
大学院博士前期課程1年
AI歴2年
Deep Learningを用いた画像分類に関する研究をしている
RNNや強化学習は見た事、聞いた事あるが、詳しくは知らない
買った本は王道の2冊。
あと、無料の模試も受けました。
普段からディープラーニングに触れている分、情報収集はできていたので、これ以外にはやっていません。
最近のネタもかなり聞かれるので、ディープラーニングやってないよ!という人は、各分野の内容を勉強する時に、最新の技術で話題になっているのはないかな?とググってみてください。
また、G検定対策のQiitaの記事もいっぱいあるので、そこを見てみるのもアリかも知れません。
一応、JDLAが推薦図書を出しています(参照はコチラ)。必要ならば見てみるのもアリですが、私の場合は特に必要有りませんでした。
#当日のおはなし
標準13時スタートのWebテスト形式。12時50分から好きなタイミングで始められます。
試験時間は120分統一なので、早くやって早く終わらせたかったので、12時50分から始めました。
(ちなみにどうやら試験サイトが落ちたとのツイートを見ましたが、僕は問題なく受験できました。)
問題数は226問。即答しないと間に合わないです。
一応、後で戻れる方式なので、ヤバい!となれば
その問題番号メモって次々解いていきます。
そして、226問終わった頃には残り20分。
割と自分のメイン分野や、好きな分野が多く出たので、サクサクいけたと思います。
やはり難所は時事問題。
「これ、、、かな?」と埋めていきます。
(問題何が出たとか言ってはいけないルールなのでこれくらいしか言えない)
んで、終わったらアンケートを5問回答して、おしまい。
これで終わりです!
的な表示もなく突然終わるので、不安になりますが、とりあえず終了。
そして、1週間後メールで合否です。
#合格後のおはなし
合格したらいくつかの特典があります。
最大の魅力「CDLE」
さて、合格したら最大の魅力「CDLE」です。CDLEとは、G検定、E資格に合格した人のみが入れるSlackコミュニティです。毎日、AI関連のニュースや記事、限定イベント情報が降ってきます。本当に降って来る。ありがたい。
こういうコミュニティ大事にしたい系院生なので、嬉しい。
認定ロゴ
多分画像をここに貼ると問題になりそうなので、貼りませんが、名刺に貼って「俺はジェネラリストだ!」と宣言できるロゴがもらえます。
就活の選考一部免除
企業によっては、G検定合格者は書類選考パスできるらしいです。
E資格前の講座受講料割引
高額で避けられがちのE資格。その講座受験料を割り引いてくれる会社があるようです。もし、GだけでなくEも取りたい人には嬉しいいですね。
#おわり
AIに触れたい!けどきっかけがない!という方
ぜひ、いかがでしょうか?
これまでの合格者数1.4万人の中で学生って1000人くらいらしいです。
だいたい社会人(SEとかマネジメント側の人)が取ってく感じなので、学生でとれると、それはそれで希少価値ですね!ぜひ!