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ロミオとジュリエットで学ぶ「ポートが開いてる」と「Listenしている」の違い

Last updated at Posted at 2015-04-18

Linuxサーバ初心者向けに、「ポートが開いてる」と「Listenしている」の違いをわかりやすく説明してみます。

まずはこちらをご覧ください

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ロミオとジュリエットが窓越しに会話をしています。
HTTPで例えると、左のロミオがWebブラウザ(HTTPクライアント)、右のジュリエットがApache(HTTPサーバ)です。
ロミオがHTTPリクエストを送るとジュリエットはHTTP レスポンスを返してくれます。

この会話(=通信)が成り立つのは、

  • 屋敷の窓が開いていて
  • ジュリエットが聞く耳を持っている

ときだけです。
重要なのは、「窓が開いているかどうか」と「ジュリエットが聞く耳をもっているかどうか」は別々のことなのです。

ジュリエットが聞く耳を持っている ジュリエットが聞く耳を持っていない
窓が開いている x
窓が閉じている x x

○のときだけロミオは会話ができます。

「ポートが閉じている」= 窓が閉じている

窓が閉じている場合は、ジュリエットがどれだけロミオを待ち構えていても、会話はできません。

技術的に言うと、「ポートを閉じる」とは、パケットを転送しないで捨ててしまうことです。
やり方は何通りかあって、よくつかわれるのは次の2つの方法です。

ルータ機器によるファイアーウォール機能でポートを閉じる

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城門が閉まっていると、敷地内に入ることすらできません。
ルータ(城門)でポートを閉じると、サーバ(屋敷)にパケット(声)が到達できなくなります。

クラウドの場合は物理的なルータを扱えないことが多いですが、似たような機能がサービスとして用意されてたりります。
例えばAWS EC2の場合はSecurityGroupsという機能がファイアーウォールの役割を果たしてくれます。

サーバのパケットフィルタ機能でポートを閉じる

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城門(ルータ)が開いていれば屋敷(サーバ)の前まで行くことができますが、部屋の窓が閉じていると、ロミオの声はジュリエットに届きません。

サーバにはパケットフィルタ機能というものがあって、外から入ってくるパケットを遮断することができます。

Linuxではfirewalldとかiptablesという名前で呼ばれている機能で、内部的にはカーネルモジュールとして実装されています。

「Listenしている」= なかのひとが聞き耳をたてている

"Listenする"とは、なかのひと(=プロセス)が聞く準備ができている状態をいいます。

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たとえ窓(ポート)が開いていたとしても、なかのひとが眠っていたり死んでいたりすると、こちらから話かけても会話はできません。

netstatssコマンドでポートのListen状態を調べることができます。これは、「聞き耳を立てているひと(プロセス)がいるかどうか」を調べるときに使います。逆に、netstatssは窓の開閉を調べるのには使えません。

窓は複数ある

1つのサーバ(=家)には窓が複数あるのが普通です。
開いている窓と、中のひとが聞き耳をたてる窓は一致している必要があります。
例えば、80番目の窓しか開いてないのに、中の人が間違って8080番目の窓に聞き耳を立てても、会話は成立しません。

なかの人も複数人いる

ジュリエットが80番目の窓に聞き耳をたてているときに、ジュリエットの妹が22番目窓に聞き耳をたてる、というのは可能です。
webサーバの場合は普通sshdとhttpdの通信を許可しますので、そういう状態になっています。

一方、ジュリエットの妹が、既にジュリエットが張り付いている80番目の窓に聞き耳をたてにいこうとすると、エラーで失敗します。

1人が複数の窓に同時に聞き耳をたてることはできる

ジュリエットが80番の窓と443番の窓に聞き耳をたてる、ということは可能です。
よくあるのがApacheが80番ポートと443番ポートをListenしているケースです。

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