検証!! AI BuilderでDataverse以外の表データをデータソースとして扱えるか!?

この記事は2024.12.18時点の情報です。
数日後には不要になる可能性があります。

はじめに

Power AutomateとPower Appsで非常に気軽にAIの機能が使える、それがAI Builder。
このAI Builderでは強力な生成 AI 機能Azure OpenAI ServiceのGPT 4o MiniまたはGPT 4oモデルを使用することができます。

やはり生成AIというと、このGPTのモデルが気軽に使えるということは非常にうれしいことです。

MicrosoftはAIのガイドも豊富に提供しており、プロンプトのイロハから生成AIの活用シーンまでくまなくMicrosoft learnで紹介しています。

事前構築されたプロンプトにより、下記はサクッと用意することができます。

1. テキストの要約
2. テキストから情報の抽出
3. テキストの分類
4. テキストの感情分析
5. 苦情への応答
6. テキストの匿名化と編集
7. 言語の検出
8. 単語の頻度分析
9. テキストの種類の特定
10. 2つのテキストから類似性や相違性の測定

一方で実際に **これがやりたい！**となるのは、あるデータソースからデータを照合し、回答するような機能ではないでしょうか。
いわゆるRAG（検索拡張生成）というやつです。

独自のデータを試用した生成シナリオ

2024.12.18では、データ オプションを利用して、Dataverseテーブルをナレッジソースとした回答が生成できます。
Dataverseテーブルを用いて、値を抽出し回答に使えます。

こちらの機能はPower Automate、Power Apps、Copilot Studioで利用することができます。

公式の学習コンテンツから利用方法を学べます。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
SharePoint ListsやExcelからやってみたいんだけどな・・・
と思ったそこのあなた！そうですよね！まずはそこからですよね！！

ということで挑戦的な手法を用いて、実現する方法を考えてみました！

プロンプトに表データを書き込む

超がつくレベルの無理やりな手法ですが、プロンプトの中にテキスト形式で表を入れてみました。
構造化されたテキスト形式の表データというと真っ先に思い浮かぶのはCSV 次点でMarkdownが挙げられます。

消費するトークンが気になりますが、いったんプロンプトに全部含めて機能するか検証してみました。

カスタム プロンプト

簡単に下記のように設定してみます。

カスタムプロンプト

以下にテキスト形式でCSV形式で表データが記載されています。出力はHTML文字列で返してください。
{Question}

# CSVデータ
{Table}

引数とするのはQuestion - 質問とTable - CSVテーブルです。

結果をプレビューするのは、やはりPower Apps!!
Power Apps Loverとしてそこはゆずれません！

HTML文字列で出力することを定義づけるため、JSON 出力を設定します。

カスタム形式

{
  "response": "HTML文字列"
}

GPTで作成したProductというCSVデータで試してみましょう。

Power Appsから呼び出す

今回の目的はインポートされたExcelやExcel Online、SharePoint Listsを想定した読み取りです。
Power AppsでCSV形式の文字列にかえます。

インポートされたExcel

テーブル形式にしてPower Appsにインポートします。

テキストへの変換は、Concat 関数で無理くり実施します。

CSV変換を表すテキスト

$"ProductID,ProductName,Category,Price,StockQuantity,Rating,Features
{
    Concat(
        Product,
        $"{Char(34)}{ProductID}{Char(34)},{Char(34)}{ProductName}{Char(34)},{Char(34)}{Category}{Char(34)},{Char(34)}{Price}{Char(34)},{Char(34)}{StockQuantity}{Char(34)},{Char(34)}{Rating}{Char(34)},{Char(34)}{Features}{Char(34)}{Char(10)}"
    )
}"

列がハードコーディングになっていてイケてないですね。

このうち Char 関数は下記を意味しています。

• Char(34):　ダブルクォーテーション "
• Char(10): 改行

ダブルクォーテーションは引用符としての利用です。
果たして機能するのでしょうか。

検証！

実験1

製品名を一覧化してください。

結果1

{
  "response": "<ul><li>Mouse</li><li>Printer</li><li>Monitor</li><li>Router</li><li>Tablet</li><li>Keyboard</li><li>Laptop</li><li>Smartphone</li><li>Smartwatch</li><li>Earbuds</li></ul>"
}

い、意外とそれらしい！！それらしいぞぉ！

実験2

最も高価な製品とその価格を教えてください。

結果2

{
  "response": "最も高価な製品は「Monitor」で、価格は1165です。"
}

プレーンテキストで返ってきました。

実験3

軽さがポイントの製品を教えてください。

Lightweightという特長を抽出できています。

結果3

{
"response": "<table>
  <tr>
    <th>ProductID</th>
    <th>ProductName</th>
    <th>Category</th>
    <th>Price</th>
    <th>StockQuantity</th>
    <th>Rating</th>
    <th>Features</th>
  </tr>
  <tr>
    <td>101</td>
    <td>Mouse</td>
    <td>Wearables</td>
    <td>737</td>
    <td>384</td>
    <td>4.3</td>
    <td>Lightweight and portable<br>High-resolution display<br>Long battery life</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>104</td>
    <td>Router</td>
    <td>Gaming</td>
    <td>659</td>
    <td>14</td>
    <td>4.4</td>
    <td>Lightweight and portable<br>High-resolution display<br>Long battery life</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>113</td>
    <td>Laptop</td>
    <td>Wearables</td>
    <td>896</td>
    <td>94</td>
    <td>5</td>
    <td>Lightweight and portable<br>High-resolution display<br>Long battery life</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>122</td>
    <td>Laptop</td>
    <td>Home Appliances</td>
    <td>1206</td>
    <td>263</td>
    <td>3.2</td>
    <td>Lightweight and portable<br>High-resolution display<br>Long battery life</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>148</td>
    <td>Router</td>
    <td>Electronics</td>
    <td>1290</td>
    <td>422</td>
    <td>4.4</td>
    <td>Lightweight and portable<br>High-resolution display<br>Long battery life</td>
  </tr>
</table>"
}

Power Appsで文字列変換をかましているのでExcel OnlineでもSharePointでも同様の結果が得られます。

SharePoint Listsの場合は

質問

評価が高い製品をリストアップして教えてください。

ソースが長いのでキャプチャだけ出します。

おわりに

Concat 関数で変換をかましているので、そりゃあそうだと思われる方もいると思います。
しかしFAQから回答を生成したりするのに、意外と役に立ちそうです。

Power Automateではデータ操作アクションでCSV テーブルの作成が存在するため、より簡単に使えます。

結果をTeamsに投稿してみました。

AI活用 はじめの一歩に採用できればいいなーくらいです。
回りくどい方法ではあるので、活用される場合はよく吟味して採用してください。