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はじめに

Power Appsの関数は、非常にExcelと似通っており、Excelの基礎知識さえあれば、とっつきやすいところが魅力的です。
Excelの条件分岐の中でも、代表的なのがIF関数。

IFで条件に合致するか、しないかで値を判断できるため、シンプルで習得しやすい側面があります。
Power Appsも、IF関数が同様に存在し、条件分岐が再現できますが、IF関数は関数が冗長的になり、
可能であれば避けたいところです。

関数のボリュームが大きくなってしまい、見づらいということも度々あります。
なるべく美しく関数を表現する、その自分自身の特訓もかねて、便利な関数を紹介します。

今回はCoalesce関数がテーマです。

Coalesce 関数

Coalesce 関数はその引数を順番に評価し、空白または空の文字列ではない最初の値を返します。

Microsoft Learnより

早い話が、If( !IsBlank({値}), {値}, {そのほかの値} )の代替となります。

比較として、テキスト ラベルに、

  1. 入力するテキスト欄が空白の場合、本日の日付 Today()
  2. そうではない場合、赤枠で選択された日付 DatePick.SelectedDate

という条件式を設定してみます。

image.png

比較

OnSelect
- If( !IsBlank(DatePick.SelectedDate), DatePick.SelectedDate, Today())
+ Coalesce( DatePick.SelectedDate, Today())

Coalesce 関数If 関数の場合、関数のボリュームが抑えられ、読みやすい印象を受けます。

自分自身、If関数ゴリ押しを乱発している背景もあり、感動的な比較となりました。

値が設定されていない場合、空白を返す

Coalesce 関数の必要最低限の引数は、一つです。

image.png

画像のように、DatePickが未選択の場合、空白を返します。

空白に対して、JSON関数を使用した場合

コンテキスト変数 evalJSON という名前でJSON オブジェクトを作成し、Power Automateで空白を評価します。

OnSelect
// コンテキスト変数 `evalJSON` という名前で`JSON オブジェクト`を作成
UpdateContext(
    {
        ReturnValue: Coalesce(DatePick.SelectedDate),
        evalJSON: JSON({varDate: DatePick.SelectedDate})
    }
);

// Power Automateで評価
ValueInPowerAutomate.Run(evalJSON);

JSON 関数の結果でJSON文字列として評価された結果、nullとなりました。

image.png

Power AutomateでJSON の解析を実施した場合でも、nullと評価されます。

image.png

個人的には、うまい具合に評価してくれるという印象。

Coalesce関数における""の取り扱い

""ダブルクオーテーションで囲んだ空白文字列の評価は、どうなるでしょうか。

OnSelect
UpdateContext(
    {
        ReturnValue: Coalesce("")
    }
);

image.png

nullのようですね。
=で、Coalesce関数と""の比較を行ってみます。

OnSelect
// 1. Coalesce関数と""の比較
UpdateContext(
    {
        ReturnValue: Coalesce("")
    }
);
// 2. 比較演算子
UpdateContext({CompareValue:(ReturnValue="")});

// 3. 結果 falseになる
Notify(CompareValue)

image.png

CompareValueが結果ですがfalseとなっています。
つまりCoalesce関数の中で""nullもといBlank()と同じ意味になります。

活用

nullまたは""以外の値を順番に返していく、ということなので、下記のように取り扱えます。

Coalesce(
    優先したい値1,
    優先したい値2,
    優先したい値3,  
)
// 該当しない場合は空白を返す

image.png

上から順番にコントロールを並べると

Text
Coalesce(
    DatePick1.SelectedDate,
    DatePick2.SelectedDate,
    DatePick3.SelectedDate,
    DatePick4.SelectedDate,
    DatePick5.SelectedDate
)

最初の空白でない値を表示します。
もちろんコントロール以外の値も使えるので、IsBlankとの比較とはサヨナラできる!ということです。

差分
- If(
-     !IsBlank(DatePick1.SelectedDate), DatePick1.SelectedDate,
-     !IsBlank(DatePick2.SelectedDate), DatePick2.SelectedDate,
-     !IsBlank(DatePick3.SelectedDate), DatePick3.SelectedDate,
-     !IsBlank(DatePick4.SelectedDate), DatePick4.SelectedDate,
-     !IsBlank(DatePick5.SelectedDate), DatePick5.SelectedDate,
-     Blank()
- )

+ Coalesce(
+     DatePick1.SelectedDate,
+     DatePick2.SelectedDate,
+     DatePick3.SelectedDate,
+     DatePick4.SelectedDate,
+     DatePick5.SelectedDate
+ )

文章量が全然違う!リーダブル!

終わりに

Qiita記事投稿キャンペーンということで、ライトなところからサクっといってみました。

改めて自分のナレッジの棚卸!ということで書いていきたいと思います。
今後ともお楽しみに!

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