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Discord BOTにライブラリ非依存で返信機能を持たせる

Last updated at Posted at 2020-12-11

Advent Calendar 12日目の記事です。

初めての参加となります。よろしくお願いします。

現地時間11月16日より、Discordで返信機能が実装されました。

さぞかしBOTに「返信機能を付けてみたい!」と思う方もいるかと思います。

今回はそれについて書いていきます。

返信機能は特別なものではない

Discordの公式APIリファレンスを見ると、新しくmessage_referenceという項目ができているのが分かります。

ここにメッセージIDを指定してやればあっという間に返信が実現できます。

ライブラリを使わずにどうやるか?

私達は普段直接APIを触ることなく、それぞれの言語に用意されたフレームワーク(Discord.pyやDiscord.jsなど)を使いプログラミングしています。しかし、実際はAPIを扱いやすくしたに過ぎないため、素の状態(APIを直接触ること)でやり取りすることもできます。

この記事を書いた時点ではまだ返信機能をサポートしていないライブラリが大半です。ここでは、直接APIとやり取りしてメッセージを送信する方法を解説します。

エンドポイント

まず、メッセージを送信するためのエンドポイントは

https://discord.com/api/channels/[チャンネルID]/messages

となっているので、そんなに難しくありません。メッセージオブジェクトのチャンネルIDを当てはめればURLは完成です。

ヘッダーとデータ

APIとはJSONを使ってやり取りします。

そのため、ヘッダのContent-TypeはContent-Type: application/jsonとする必要があります。

APIを使うにあたって、ヘッダ部分に認証情報を記載する必要があります。

「え、これはどうすれば…」と思った方。もちろんBOTのトークンが使えるので大丈夫です。

言語別に記載しませんが、リクエストヘッダに書くときは

Authorization: Bot [G6WtkBk9nHW4AlhB3wbCBSzx.nDUuhSMp02k9Okjs5DwRn4QRt9SvFo36m5]

となります。トークンは適宜ご自身のものに変えてください。[ ]で囲んだ部分にトークンを入れます。

次に送信するデータです。

基本形は

{
 "content": "Hello world"
}

です。contentにメッセージを入れます。
Webhookみたいにとてもシンプルですね。

ここに、message_referenceプロパティを追加して「返信だよ!」という情報を追加します。

公式リファレンスには

FIELD DESCRIPTION (和訳)
message_id 元のメッセージのID
channel_id? 元のメッセージのチャンネルID
guild_id? 元のメッセージのサーバーID

と書かれています。FIELDの最後についている**?**は「パラメータは必須ではない、省略可」という意になっているので、message_idだけ渡せばよいということが分かります。

message_idには、メッセージオブジェクトのメッセージIDを渡せばいいのです。

ここまでのをまとめると、送信するJSONはこうなります。

{
 "content": "Hello world!",
 "message_reference": {
  "message_id": 1234567890123456
 }
}

となります。

これらをヘッダと組み合わせて送信してやれば、返信機能が実現できます!
試しに実験サーバーで何かメッセージを送信してみて、チャンネルIDをURLにセットして、message_idのところを送信したメッセージIDに書き換えて

curl -X POST -H "Content-Type: application/json" -H "Authorization: Bot YourToken.PUT.Here" -d "{\"content\":\"Reply\" , \"message_reference\":{\"message_id\":YOUR_MESSAGE_ID}}" https://discord.com/api/channels/YOUR_CHANNEL_ID/messages

を端末で実行して

Screenshot_20201122-205144~2.png

というふうになったことを確認できれば、完了です。

メンションOFFにする

ただ、このままだと相手にメンションが飛んでしまいます。
メンションするか、しないかは通常だとアプリの設定で変えられます。

APIも同様で「メンションしないで」という情報を送ればよいのです。

先程のJSONに付け足して

{
 "content": "Hello world!",
 "message_reference": {
  "message_id": 1234567890123456
 },
 "allowed_mentions": {
  "replied_user": false
 }
}

というふうになります。

詳しくはAllowed mentions objectを参照してください。

これのデータを先程のcurlで送るとメンションなしで返信できるのを確認できると思います。

関数化させよう

ここまでcurlを使いましたが、プログラムで使うのにはとても不都合です。

関数化させて、比較的便利に使えるようにしましょう。

Python用にあらかじめ用意した関数を貼っておきます。
使いやすいようにアレンジしてお使いください。

async def reply(basemsg, message, send_mention, **kwargs):
   url = f'https://discord.com/api/channels/{basemsg.channel.id}/messages'
   heads = {"Content-Type":"application/json", "Authorization":f"Bot {TOKEN}"}
   data = {"content":message, "message_reference": {"message_id":basemsg.id}, "allowed_mentions": {"replied_user":send_mention}}
   if kwargs.get('embed'):
      data['embed']=kwargs.get('embed').to_dict()
   async with aiohttp.ClientSession() as session:
     async with session.post(url, data=json.dumps(data), headers=heads) as req:
        if req.status!=200:
           raise Exception(f'Gateway returned an error')
           return False
   return True

使い方は

await reply(message, '返信した!', False)

となります。左から1番目にはメッセージオブジェクトを、2番目には送信したいテキスト、3番目は相手にメンションするかどうかをTrue or Falseで指定します。

また、任意でembedというキーワード付き引数にdiscord.Embedのオブジェクトを渡すと埋め込みも送信できます。

em = discord.Embed(title='埋め込みもできるよ')
await reply(message, '返信した!', False, embed=em)

なお、この関数はrequests、json、aiohttpモジュールを使用します。事前にインポートしてください。

まとめ

返信をするときはmessage_referencemessage_idプロパティに返信先メッセージIDを指定する
@メンションをしないときはallowed_mentionsreplied_userをFalseにする

本当であればライブラリのアップデートを待つのが一番だし、一番簡単です。

あくまでも参考として、早く使ってみたい方向けです。

その点についてご理解ください。

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