昔から RPG ツクール のファンなので、twitter の #ツクールMV
ハッシュタグが付いたツイートをよく見ているのですが、とにかく「RPGツクールMV製のブラウザゲームは重い」という声が多いです。
なぜ重いのでしょうか? というのと、その対策を、エンジニアの視点から 非エンジニア向けに 噛み砕いて書いてみます。
重い理由
- 今までの RPG ツクール製ゲーム
- iPhone の App Store からダウンロードできるゲーム
- Android の Google Play Store からダウンロードできるゲーム
これらは「ゲームのダウンロード時に、素材を最初にすべて端末にダウンロードする」という形式をとっています。
対して RPG ツクール MV 製の ブラウザゲーム は、「必要な素材をマップが切り替わるたびに都度ダウンロードしている」というスタイルを採っています。
なのでマップが切り替わるたびに、次のマップで必要な素材をダウンロードするため、 Loading...
画面でユーザーは待たされます。これが重いと言われる所以だと私は考えています。
その他に、CPU スペックの低いスマートフォン端末の場合、グラフィックの描画に時間がかかることも重さの一要因と思われます。しかしこれは、 RPG ツクール MV v1.3.0(というか pixi.js のアップグレード)でかなり改善された ようです。RPG ツクール MV v1.3.0 対応は必ずするべきでしょう。
対策
動作を軽くするには、 ブラウザゲーム版で提供するのではなく、 PC ならダウンロード版として、スマートフォンならストアからダウンロードするアプリ版として提供する のが対策の1つであるといえるでしょう。これによって、マップが切り替わるたびに「外部サーバーから」素材をダウンロードしなくなるため、マップ切り替え時に待たされる時間はある程度短縮できると思います。
ただしこの方法にはデメリットがあります。それは、ブラウザゲーム版と異なり、 ユーザーにゲームをダウンロードしてもらう必要が当然ながら生じる ことです。 ダウンロードが面倒に感じるユーザーには遊んでもらえなくなる でしょう。
プリロード系プラグインについての私見
マップが切り替わるたびに素材のダウンロードで待たされる問題への対策として、素材をゲーム起動時にプリロードするプラグイン(いろいろあります)を利用する作者さんが( Twitter を見ている限り)多いようですが、この方式は個人的にはあまりおすすめできません。
その理由は、素材を最初に大量にダウンロードすることにより、メモリ使用量がドカッと増え、スマートフォンで動作が非常に不安定になる(落ちやすくなる)ことです。
この理由から、 ブラウザゲーム版で提供する場合、かつスマートフォン版ユーザーもがっつりターゲットにしたい場合は、プリロード系プラグインの導入は悪手であると言えるでしょう。
まとめ
- ダウンロード版を提供することで、重さはある程度解消されるでしょう。
- ただし、「ダウンロードが億劫なユーザーには遊んでもらえなくなる」、「ユーザーに、ブラウザの URL バーから URL をコピーして SNS 等で紹介してもらうことができなくなる」等のデメリットがあることに注意
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逆に言うと、ブラウザゲーム版は「ダウンロードが億劫なユーザーにも遊んでもらえる」「ユーザーが手軽に SNS で紹介できる」メリットがあることから、1人でも多くのユーザーに遊んでもらいたい場合は、多少の重さを許容してでもブラウザゲーム版に重きを置くのが得策と言えるでしょう。
- もちろん、両方を提供するという手もあると思います。
- プリロードプラグインを使うのはスマートフォンの動作が不安定になるのでおすすめしません。
- 描画を早くするために、RPG ツクール MV v1.3.0 対応は必ず行いましょう。