自分用メモ。
統計検定準1級の公式ワークブックは、すでに学習を終えた人視点では「よくまとまっている」、初学者視点では「何を言っているのか全く分からない」という評価が大半だと思う。範囲がとにかく膨大で、行間が異常に広く、執筆者も章ごとにバラバラで全体として統一性がない。
検定試験のテキストとしては「初学者が勉強しにくい時点であかんやろ」って感じだが、いかんせん統計検定準1級の範囲はべらぼうに広いため、ページ数との兼ね合いでこのような形態を取らざるを得なかったのだろう。数式の導出や行間をすべて埋めようとすると、1章につき本が数冊書ける。それが32章あるのだから、もう恐ろしい。
2級とは違って線形代数が至る所で顔を出すようになるため、数学弱者の独学ではめちゃくちゃ勉強しにくいが、数学的厳密性をかなぐり捨てて何とかお気持ちだけで乗り切りたい。
勉強する上での全般的な心構え
具体と抽象の往来
統計検定準1級を勉強する上で、具体と抽象を行き来しながら関連づけた方が理解しやすい概念は多い。
例として2変量正規分布を挙げる。2変量正規分布の同時確率密度関数は、
f(x_1, x_2)=\frac{1}{2 \pi \sigma_1 \sigma_2 \sqrt{1-\rho^2}} \times \exp \left[- \frac{1}{2 (1 - \rho^2)} \left( \left( \frac{x_1 - \mu_1} {\sigma_1}\right)^2 - 2 \rho \left(\frac{x_1 - \mu_1}{\sigma_1}\right)\left(\frac{x_2 - \mu_2}{\sigma_2}\right) + \left( \frac{x_2 - \mu_2} {\sigma_2}\right)^2 \right) \right]
だが、ちょっと見た目が仰々しい。
こういうのは、行列による多変量正規分布の一般的表記である
f(\boldsymbol{x})=\frac{1}{\left(2 \pi\right)^\frac{p}{2} \left(\det \Sigma\right)^\frac{1}{2}} \times \exp \left(- \frac{1}{2} \left(\boldsymbol{x} - \boldsymbol{\mu}\right)^\top \Sigma^{-1} \left(\boldsymbol{x} - \boldsymbol{\mu}\right) \right)
と関連付けて覚えたほうが良い。次数の間違いも避けられるし、万が一 $\exp$の中身を忘れても、行列表記から気合で復元できる。
一般的な形と具体的な式に書き下した形を関連付けて覚えることで、定着がしやすくなり、片方を忘れたときのリスクヘッジにもなる。
字数を下げて実験
統計検定に限らず、数学では鉄板。人間は高次元のものをなかなか知覚しにくい。ワークブックで何を言っているのか分からなくなったら、とりあえず行列を2次元で書き下す。
式か図か
図を描いてお気持ちでイメージするのも大事だし、数式をこねくり回すのも大事。
例えば重回帰分析で、総変動を回帰変動と残差変動に分解する式
\displaylines{
\| \boldsymbol{Y} - \boldsymbol{1} \bar{y}\|^2 = \| \boldsymbol{X} \hat{\boldsymbol{\beta}}-((1, \bar{\boldsymbol{x}}^\top) \hat{\boldsymbol{\beta}})\boldsymbol{1} \|^2 + \| \boldsymbol{e}\|^2\\
\Longleftrightarrow \sum_{i=1}^n \left(y_i-\bar{y}\right)^2 = \sum_{i=1}^n \left((\boldsymbol{x_i}-\bar{\boldsymbol{x}})^\top \hat{\boldsymbol{\beta}}_{1:d} \right)^2 + \sum_{i=1}^n e_i^2
}
があるが、これは幾何学的に解釈するとお気持ち的にはただの三平方の定理。被説明変数 $\boldsymbol{Y}$ を $\boldsymbol{X} \hat{\boldsymbol{\beta}}$が張る超平面に射影してるのだから、そこの直角三角形に着目すると二乗和に分解できるのが直感的に説明できる(参考:幾何学でみる重回帰の性質 | 有意に無意味な話)。
個別論点
1~6章
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7・8章
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9~13章
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14・15章
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16~19章
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20・21章
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22~26章
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27章
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28章
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29・30章
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31・32章
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